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 おれは警察と離れてからの反省会で篠田に断言した。

「ボス・ギャングスタの声という音波は実在しない」

「じゃあ、なんで声が聞こえてくるのよ」

「それは、空耳だとしか」

 おれの説明に篠田は怒り狂った。

「あんなにはっきりとみんなが聞いているのに、空耳なわけがないでしょ。あなたの能力なんてまったく信用できないです」

 おれはぐうとうなるしかなかった。

 それはそうと、有力な情報がひとつ手に入った。ボス・ギャングスタの声をいつも聞いているという女の子の情報が手に入ったのだ。名前を神田夏という。ごく普通の女子高生だとしか聞いていなかった。

 それで、篠田と二人で神田夏のところへ会いに行ったのだ。神田夏は紺を基調とした服を着ていて、いかにももっさりした女の子だった。

「あなたはボス・ギャングスタの声が聞こえるの?」

 篠田が不思議そうに聞いた。

「うん。あいつは、いつも歌を歌っているよ。ガオオオオオって。すごい音痴」

 おれはボス・ギャングスタという人物が何なのかさっぱりわからなくなった。ギャングスタ・ファンタジスタのアジトに立てこもっているのではないのか。

「ガオオオオオオ! 今日は友だちと一緒か、なっちゃん。なっちゃんの友だちなら親切にしないとな。でも、もし意地悪をしてきたら、すぐにいうんだ。おれ様がこんなガキどもすぐに蹴散らしてやるからな」

 びっくりしたことに、神田夏のところにボス・ギャングスタの声が聞こえてきたのだ。ここにいるのか、ボス・ギャングスタ?

「なんで、神田夏はボス・ギャングスタに話かけられるんだ? 見たところ、この周囲にボス・ギャングスタがいる気配はないけど」

 おれがそういうと、神田夏はいった。

「だから、あいつ、歌を歌ってくれるんだって。音楽が僕たちの孤独を奏でる♪ って歌詞の歌をずっと歌っている。二十四時間歌っているから、すごく迷惑。頭にがんがん鳴るの」

「ガオオオオオオ! おれ様の名は竹内大輝。ギャングスタ・ファンタジスタのボス・ギャングスタだ」

「名前があるんだ」

「だねえ」

 おれと篠田は驚いた。

「とにかく、これで、ボス・ギャングスタの声が空耳だなんて仮説はまちがっていたと認めてもらうからね」

 篠田はおれに念を押した。


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