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皆様こんにちは。芝生と申します。
とっとと本編始めろやと思う方もいらっしゃるかと思いまので、めんどくせぇなと思われた方は、スキップしてください。
この世には…3次元と言うよりは2次元でですが、「名前被り」が多くあります。例えばアリスとかルイス、日本人名だと葵や凪なんかも挙げられますかね。
漫画やアニメ、ゲームが好きな方は1度くらい被ってるところを見たことがあると思います。
芝生は名前被りについて糾弾するつもりはありません。だって避けろだなんて無理難題でしょう。
むしろ芝生は名前の印象って大事だと思います。アリスなら、不思議の国のアリスからきてるのかな?とか、可愛らしいキャラクターなのかな?とか。
逆に、名前の印象と実際がかけ離れてしまうと読者をびっくり、ポジティブに言い換えるならギャップ萌えさせてしまいます。
「優斗」なのにめちゃくちゃ意地悪で陰湿、とかね。
随分と付き合わせてしまいました。つまり芝生が言いたいのは、名前被りは大変興味深いということ。
さて皆様にひとつ問いたいことがあります。
例えば、「悠斗」と「裕翔」のように、文字と読みは、一致しなくても名前被りと言えますかね?他でいえば「花」と「鼻」とか、right(「正しい」と「右」)など。
哲学的質問で皆様に人生を振り返って欲しい、みたいな大層なことは考えていません。でも、もし暇が良ければどこからが名前被りで、どこからがそっくりなだけ、なのか考えてみてください。
では、芝生は地面に戻ります。
次元の狭間からお邪魔しました。
とある都に、セリヌンティウスという石工がいた。最高の腕前で、街一番といっても過言では無い。
そして、その街一番のセリヌンティウスに、一番弟子がいた。フィロストラトスである。
セリヌンティウス様ほどではないが「右腕」と称するに相応しい腕前と、さらに持ち前のコミュニケーション能力でセリヌンティウス様にどんどん仕事を転がりこませ、セリヌンティウス様を街一番の石工としてのしあげた。
影の立役者。
しかし、フィロストラトスという人物は存在しない。
厳密には“フィロストラトス”という名前を持つ人物は存在しない。
街の人々が“フィロストラトス”と呼び、敬愛しているのは、フィロス“と”ラトスと言う名を持つ双子であった。
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「ただいま〜………ラトス…………」
「おかえりー。フィロス。どうだった?今日の会談。」
「ガチ無理。もう無理。話せる気しない。特に良家の庭師やっているオジサンがすっごい怖かった。主人の忠順なる下僕〜って感じで。ほんと怖い。一生石削っていたい。それか大根でもいい。大根おろし職人になりたい。大根になりたい。」
「へぇ〜〜〜。とりあえず落ち着きなって。はい、コーヒー。
でも、それは私も怖いな。じゃ、今日の出来事を詳らかに、話してくれる?」
「了解。喋り疲れたから紙にも書いてくね…」
フィロスはコミュ障であった。
しかし、ただ喋れないだけでは無かった。
“初対面には”ペラペラと語れるタイプのコミュ障であった。
どんな美辞麗句もお手の物。初対面ならば、丁寧に上手におしゃべりすることができた。
しかし、以降はそうとは行かない。
失敗したらどうしようとか前の印象を悪くしてしまったらどうしようと考えてしまい、二度目以降はとにかく緊張して、慌てふためき頭が真っ白になる。
で、次の出番がラトスである。
そして、ラトスもフィロスとはタイプが違うものの同じくコミュ障である。
ラトスは如何せん初対面が一番話せないのである。相手がどんな人かも分からない状態で、何を話せばいいのか分からず、頭が真っ白になる。
相手の個人情報や趣味嗜好が分かっていればその限りでは無いのだが、所詮石細工の端くれにスパイ活動のような情報収集能力は無い。
だからフィロスから情報を得るのだ。
フィロスが初対面を相手し、その情報を元に商売を進めていくラトス。代わる代わるフィロスとラトスが街に繰り出し、双子を同一人物だと誤認している町民が名付けたのが“フィロストラトス”なのである。
フィロストラトスがフィロス“と”ラトスだと知っているのは、師匠であるセリヌンティウス、ただ1人である。




