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イルネスウォリアーズ-異世界戦士の闘病生活-  作者: 清賀まひろ
第3部 負った傷と負わせる傷

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12章70話 絶対勝とう


 そこからの作戦会議は円滑えんかつ進捗しんちょくした。戦闘イメージの解像度が上がり、それに伴い俺達の士気も上がっていく。



 先陣を切って陽動するのは、トラクさんだ。


「複合型の方に仕掛ける予定だけど、アイツ、奥の方にいるんすよね。風竜の周囲を通過しなきゃいけない。やだなー」


 レヴォリオが、彼の気持ちを引き上げる。


「確かに危険度は高い。ただ、トラクが竜の視線を引き寄せることで、俺達が背後を取りやすくなる。初手で大きく削れる可能性が高まるんだ。そして、それが上手く行けばお前は無事で済む。任せておけ」


「そうだなぁ。ま、やれる範囲でやってみますよ」


 レヴォリオがふとログマを見る。


「ログマ。お前は遊撃担当だが、初手はトラクのサポートをするのはどうだ」


 ログマは少し上を見て考えた。


「状況によるが、まあ、向かってくる攻撃を止めるくらいは出来ると思う」


「それで充分だ」


「ふーん。なら了解」



 ログマはため息をつき、隣の俺へ愚痴った。


「……そもそも遊撃担当ってなんだよ。やることの幅が広すぎる」


 微笑みかけた。


「ログマは、状況把握と行動が早いし、攻防回復を一人で完結できるからね。遊撃を任せられるのはお前しかいないよ。頼りにしてるぞ、うちのエース」


「チッ、その呼び方やめろ。カルミアが勝手に言っただけだっての。雑に持ち上げられて気持ち悪ぃんだよ」


「ははは、ごめんごめん」


 そして、少したわむれてみた。


「――でもさ。ログマは、俺達の指示に従うより、一人で自由にやった方が楽だろ?」


 ログマにしては珍しく、素直に笑った。


「ははっ、なるほど。俺の事、多少は分かってきたんだな。確かに、お前なんかの指示を待ってたらイライラで死にそうだ」


「そこまで言わなくてもよくない?」



 ナウトさんがもじもじと手を挙げた。


「あのう。竜への初撃、僕に任せてくれませんか」


注目が集まって慌てる様子はウィルルに少し似ていた。


「あっ、僕、大きな隙が必要になる代わりに、高いダメージが期待できる技を持っています。戦況が動き出す前がチャンスかもって……」


 カルミアさんが軽い拍手で応えた。


「それは良いね、是非やろうよ。――あ、そうだ。俺、竜側のタゲだし、フォローするね。引きつけて隙を作るから、その間に全力で叩き込んじゃってよ」


 ナウトさんが、ぱっと笑顔になった。


「いいんですか? 助かります。すみません」


 レヴォリオがからかうように笑った。


「良かったな、ナウト。甘えさせてもらえて」


 カルミアさんはここでも調停役だ。


「あっはは。レヴォリオさん、新人は伸び伸び育てた方がいい。可愛がってやりましょうよ」


「伸び伸びね。はは、ルークからもその言葉を聞いたぞ。……仕方ないな。結果出せよ、ナウト。期待してるからな」


「あっはい! ありがとうございます。頑張ります!」



 テレゼさんがウィルルへ声をかける。


「私、攻撃役だけど後衛だから、ウィルルさんが治癒に専念できるように頑張りますね」


「あっ、う。ありがとうございます」


 ウィルルはおどおどした後、両手の拳をぴこぴこと振った。


「ヒーラーは私だけ、だもんね。皆で無事に帰るんだもん。――頑張る、頑張る!」


 その会話に、ケインとヤーナさんも参加した。


「ルルちゃん、頼りにしてるよ! 私も今回は回復と防御に回りそうだから、サポートするね」


「あら。私も力を貸します。妨害系サポーターだけれど、防御回復も少しなら」


 ウィルルは頬を赤らめて、目を輝かせた。


「わあ、すごいすごいー。皆さん優しいね。すごく嬉しい。ありがとうございます。安心します」



 作戦が出来上がった時、俺達の目には希望と戦意が満ちていた。




 レヴォリオと目を合わせて、力強く頷く。


「きっと勝てるよ」


「きっとってなんだ。絶対勝つんだよ」


「はは、そうだよね。――絶対に勝とう」




 同時更新の次話が「出撃メンバー情報」となっております。ちょっとしたステータス画面のようなものです。


 LvやHPなどの概念はありませんが、各々の戦士としての特徴と状態がイメージできるようにしたつもりです。


 スパークルメンバーの名前とロールの把握と同時に、イルネスカドルメンバーのスペックの再確認にお役立て頂ければ幸いです。


 この情報は読み飛ばしても影響はないようにしておりますので、お気軽にご覧下さいませ。

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