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無職のおっさん、幼女にTSして悪役令嬢とダンジョン最下層を目指す  作者: 芥部


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第36話 不穏なドロップ品

「よし、この調子で何回かやるか!」

「わかった」


 結局、その後二回にわけゴブリンとコボルド連合軍を撃破。グリセルダのレベルも俺のレベルも上がった。グリセルダのスキルもレベルが上ったようで何より。


「返り血を浴びずにこんなに大量に敵を倒せるとは……魔力は結構使った気がするが」

「それはそれで大変だな、威力はあったし次があったら無理に分けないでも良いのかも知れないな」


 どうも、攻撃系の熟練度はスキル発動回数だけではなく、撃破数もカウントに入るらしい。いいなー。


 初見ゲームだと楽しいよな、こういう発見。


「じゃあ俺ちょっとこのへんの死体鑑定してるから、適当に休んで待ってて」

「済まぬな、手伝えなくて」

「気にすんな」


 そう言って、俺はコボルドやゴブリンの死体を事細かに鑑定していく。していくうちに、やっと鑑定のスキルが3になりカンスト、新たなスキル【エリア鑑定】を手に入れた。


 エリア鑑定を発動させると、アイテムや何かがある場合その場所に矢印のポップが表示される。

 ピコピコと点滅する矢印の下を改めて鑑定すると、魔石持ちだったりアイテム持ちの個体だけが表示される。地味だがお役立ちスキルだ。


 俺、こういうスキル好きなんだよな。なんかこのゲームめっちゃ楽しい。


 普通に鑑定してみたが、ゴブリンやコボルドはろくなものを持っていない。


『コボルドリーダー/ 魔石(中)を持っている。食用すると食中毒を起こす』

『エリートゴブリン/ 皮膚に寄生虫・病原体を多数持っている』


 特にゴブリンが酷い。こんなの食ったら病気になる。と思うのだが、スライムは気にせずどこからか集まってきて、ゴブリンたちを消化し始めた。


 スライムたちに良いものを食われないうちに、と俺は手早く鑑定をしていくが、そのうちにコボルドのボロボロの鞄の中に何かがあるのを見つけた。


 汚い、匂いのするカバンを嫌々開けると、そこにはこんなダンジョンには似つかわしくない、でもすっかり汚れきった美しい刺繍のハンカチと、血で汚れた小さな鍵付きの手帳が入っていた。


「……」


 俺はこれをグリセルダに見せるか悩んだが、悩んでいるうちに俺の挙動不審に気がついたグリセルダが後ろに立っていた。


「チケン……なんだそれは?」

「俺もわからん。でもなんか、あんまり鑑定したくないような、したほうが良いような……なんか不穏でゾワゾワする」


 明らかにダンジョンに持ってくるアイテムじゃないんだよな。特にハンカチ。


「とりあえず、後で鑑定してはどうだ? 他の作業でなにかすることがあれば手伝うが」

「……グリセルダにやらせる仕事じゃないとは思うんだが、鑑定終わったやつ隅に集めて置いてほしいかな。スライムがまとめてきれいにしてくれるだろ」


「そのくらいなら請け負おう」

「ゴブリンは足で蹴っ飛ばして移動させてくれ。手で触ると病気になりかねん」

「わかった」


 グリセルダが死体をまとめているうちに、俺は残りを鑑定する。それを終えて俺もゴブリンの死体を蹴り飛ばしながら隅にまとめる。いくらダンジョンで、モンスターの死体とはいえ、ゴロゴロ転がっているのも気分が悪かったのだ。


 結局、俺は数十匹のコボゴブから魔石を一個と、汚れたハンカチ、鍵のかかった手帳、そして、床に落ちている泥に塗れた小さな鍵を見つけた。


「やっぱどこの世界でも、ゴブリンやコボルドはろくなドロップがないんだなあ」

「だから嫌われるのであろうな、オーガなどは力試しの相手としてまだ人気があるが」


 やっぱローレンツェンにもいるのか、ゴブリンとコボルド。そして不人気モンスターなんだな。哀れだがそういうのはどこにでもいるよな。日本だとコバエとかGとかが相当するのだろうか。


「さて、どうするか、この手帳とハンカチ。多分鍵はこの手帳のやつだよな」

「呪いなどはないかどうか、軽く見てみてはどうだ?」


 そう言われて俺は手帳とハンカチを鑑定してみる。


『高級なハンカチ/ 金糸銀糸の刺繍のある美しいハンカチ。とある令嬢の愛用品』

『仔山羊皮の手帳/ 小さな鍵付きの手帳。とある令嬢の気持ちが綴られている』


「うーん呪いはないみたいだが……」

「令嬢か……」


 俺もグリセルダも開けるか悩む。とりあえず、まだ道半ばなので野営地が決まったら中を開いてみることにした。


 俺達は揃って暗い気分になった。

 明らかにあれは遺品か略奪された品だ。できれば本体の方も五体満足で発見できれば良いのだが……。


 その後はなんとなく会話もなく、暗い雰囲気でいるとクソでかいヘビが出てきた。

 鑑定名は『ダークアナコンダ』。黒い体を活かしてそっと獲物に近づいて絞め殺すタイプのモンスターだが、俺もグリセルダもアナコンダの攻撃を余裕でかわす。


 アナコンダは一呑みで食えそうな俺の方を積極的に狙ってくる。


「よーし、グリセルダ、撃てー!」

「了解!」


 ワンパンでヘビは死んだ。


 太さ30センチ、長さ10メートル以上になる巨大な蛇だったが、グリセルダのパワースラッシュの前には一撃だった。やっぱちゃんとしたステのちゃんとしたスキルだと強いな……。


 グリセルダと一緒でなければ今頃三層についていただろうが、レベルは変わらなかっただろうな。俺だと逃げ回ることしか出来ないから。

 すっかりグリセルダのコバンザメと化しているが、役割分担、もしくは約得と思えばいいだろうか。


 アナコンダは、今までで最良の獲物と言っても良かった。

 捌いてもあんまり血も出ないし、肉も食える。何よりヘビ肉はある程度味が担保されているからな……!


 

 俺がヘビを捌いて、グリセルダがそれを魔石を使って乾燥させる。

 そして乾燥したヘビ肉をカバンにしまい込んでいく。マジックバッグのお陰で肉は全部入りきった。

 本当にあのスフォーのおっさんに感謝だ。今度会ったらカブトムシ100匹くらい進呈したい。


 昼時だったこともありそこで少し休憩することにして、グリセルダが魔石で簡単なコンロを作ってくれたので俺はヘビを串にさして焼いた。ヘビの塩焼きだ。


「あ、以外に脂のってて美味い」

「本当だ、今までで一番美味だな」


「腹一杯は食わないほうがいいかな、今日はまだ歩きたいし」

「そうだな、満腹で歩くのは宜しくなかろう」


 俺はヘビの串焼きを腹八分目で食べ終えた。思った以上に美味くてよかったけど、暫くずっと同じ食べ物が続きそうだ。

 飢えるよりは良いけど、飽きそうだな……。味変出来る何かを探したい。


「よし、行くか!」

「ああ、そうだな」


 途中、俺はあるスキルの取得前提を満たしていることに気がついた。


「あ、グリセルダ、ちょっと待ってもらっていい?」

「何かあったか?」

「なんか新しいスキル取れるみたいだから、ちょっと詳細を見たい」


「構わぬ。時間がかかりそうならその間、この前貴公が読んでいた本を貸してもらってもいいだろうか」

「もちろん」


 俺はグリセルダにモンスター図鑑を渡して、スキルツリーウィンドウを読み込むことにした。


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無職のおっさん、幼女にTSして番外編
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