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無職のおっさん、幼女にTSして悪役令嬢とダンジョン最下層を目指す  作者: 芥部


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第33話 パーティーを組んでみた


 パーティーを組んでからは何もかもがスムーズだった。


 グリセルダは学業でもトップクラスの成績だっただけあり理解力があり(魔法学以外ほぼ首席だったはずだ)、何より俺の、グリセルダにとって胡乱な話を疑わずに聞いて、ある程度は信じてくれたからだ。


 ステータスの話、ステータスウィンドウの話、スキルとスキルツリー、スキルの発動についてなど色々話した。


 ステータスウィンドウは俺のを見せてやれればよかったんだが、どうもこれは他人には見せられないらしい。なので、ステータスウィンドウの開き方、ステータスの上げ方、スキルの選び方などを教えるとすぐに理解してくれた。


 ステータスもスキルも自由に選んでもらった。俺がどうこう言うべき分野じゃないしな。それに、最初からなんか、魔力と幸運以外60とか75とか80とかあるらしい。


 何か俺とだいぶん違うな……。


 スキルは説明文を読み上げてもらったが、俺と取れるスキルがぜんぜん違う。鑑定や隠密行動なんかはグリセルダのスキルツリーには存在してないらしい。


 結局、スキルについては攻撃系のを試しに一個取ってみたようだ。明日その使用感を試してから他のを取るらしい。堅実で良いことだ。スキルの振り直しは今のところ実装されてないからな。


「なるほど、今まで自前の技だけでやってきたのだが、こんな便利なものがあったのだな……」

「その辺、ここに来る時説明なかったのか?」

「なかったな。あれば忘れるはずはない」


 だよなあ。なんか、グリセルダをここにぶち込んだやつ、すごいグリセルダに悪意を持っている気がする。

 匿名掲示板で言われていた通り、シナリオライターという名前の神に嫌われているのだろうか……。


「やはり貴公と行動を共にしてよかった。貴公は何故世界のこんな詳しいことを知っているのだ?」

「うーん、慣れてるから、かな……。何度もこういう事はあったから」


 そう。これはゲームだ。そして俺がゲーム好きだから知っているだけだ。


「そういえば仕事だと言っていたな」

「まあ、そうだな」


 厳密には仕事ですら無いんだが、これは説明にだいぶん時間がかかるから端折らせてもらうか……。


「そして、一層で貰った地図がこれ」


 俺はゴミや小石が無いようきれいに整えた地面に地図を広げた。地図には一層、二層、というタグが書いてあり、そこに触れるとその階層の地図が表示される。触り心地も見た目もどう見ても紙なんだけど。


 俺は二層の地図を表示させた。


「現在地がここ。俺のスタート地点がここかな。そんで、多分出口がこことここ」


 グリセルダが地図に注視する。


「こっちの出口は多分、三層でいくつか別れているエリアの『火山地帯』につながっていて、こっちが『洞窟』につながっている。ただ、その『火山地帯』から行けるのはこの地図を信じる限り第四層のいくつかに別れたエリアの『氷山地帯』だけだ。氷山地帯には敵は出ないらしい。ただ、めちゃめちゃハードになりそうな予感がするんだよな……」


 グリセルダは難しい顔をしている。火山も氷山も攻略法予想つかんもんな。歩いてるだけで危険な可能性が巨大だし。

 何より、地図を信じるなら氷山地帯は標高数千メートルはある。まともな対策をしていかないと酸欠や凍死は免れないだろうな。


「『洞窟』は敵がいるっぽい。普通に。トカゲとか蜘蛛のでかいのとか。苦手な動物とかいる?」

「いや、特に無いな」


「じゃあこの『洞窟』エリアを目指すか。洞窟エリアの出口からは『街』って書いてあるエリアにつながるらしい。人がいるかは怪しいけどな」

「そちらのほうが良かろうな、今の装備で氷山が登れるとは思えぬ」


 ですよねぇ。この辺、グリセルダは物わかりがよくてよかった。二人仲良く凍死とか絶対したくねえ。いや、仲良くはしたいんだけど。


 それにしても、何故グリセルダがこんなところにいるのか死ぬほど気になるが、まだそれを聞くには好感度が足りない気がする。

 俺も別にすべてを明かしているわけではないし、聞ける立場にはないだろう。

 今はダンジョン攻略を優先すべきだ。


「俺からの提案なんだけど、もう今日は遅いし、さっき焼いた肉の残り食べて寝ないか。さっき少し寝てたけど、ちゃんとした睡眠が必要だと思う」

「……そうかもしれぬな」


 最初に見たときよりは大分良いが、グリセルダは絶好調からは程遠い顔をしている。

 せめてもう一晩くらい休ませてやりたい。グリセルダもそれは自覚しているのか反論はしてこなかった。


 俺はスフォーのおっさんのカバンを片っ端から探してみたものの、寝るのに使えそうなのはローブ一枚しかなかった。

 こっちはグリセルダに渡して、俺はキャラメイクの時に貰った自前のマントでも使うか。幸い、このあたりあんまり寒くないし。


 もちろん、スフォーのおっさんから貰ったローブのほうが良い奴だ。魔法のローブっぽくて快適な温度だし、地面の硬さも気にならなくなるのだ。あのおっさん、自称するだけあって本当に金持ちだったっぽい。


 俺のはもちろん普通のマントだが、多分俺はこれでも寝られるだろう。人間の成人男性サイズのマントなので二つ折りにしてくるまってもまだ余裕がある。


「グリセルダ、寝るならこれ使えよ」


 俺がローブを差し出すと、グリセルダは困惑した顔をした。1日しか使ってないから変な匂いとかはついてないと思うんだが、おっさんのアイテムを使うのが嫌とかだろうか。否定できない。

 俺でも知らないおっさんの使った布団とかちょっと微妙な気になるしな。


「いや、これは貴公が……」

「俺は自前のマントあるから気にすんな」


 俺はマントを折りたたんで枕っぽいもののある寝袋風に仕立てて、有無を言わさず潜り込んだ。スフォーのおっさんの奴よりゴワゴワしてるけど、まあ寝られるだろ。俺だし。


「……まずは体調を回復させるべきであろうな。先程教えてもらったステータスとやらに、『状態異常:疲労』と出ている。有り難く使わせてもらうとしよう、礼を言う」


 そう言うとグリセルダはきれいに後ろで結った髪の毛を解き、ゆるい三つ編みに編み直してからローブにくるまる。そうすると、本当に年相応の女の子のように見えた。


「グリセルダ、結界があるからブーツも脱いどけよ。足の疲れが取れないぞ。安心できるように、結界二重にしといたから」

「……そうしよう」


 グリセルダのブーツは軍用と思しき編上げの皮のブーツだ。防御力はあるが重く硬い。あれを履いて寝て疲れが取れるとは思えない。


 本来なら結界は一重でいい。でもそうすればグリセルダも最初の日の俺のように安心できると思ったので今日だけは二重にした。明日からは一重に戻そう。


「おやすみ」

「ああ、おやすみ」


 ステータスの時間を見ると21時半。少し早いが、もう寝てしまってもいいだろう。

 俺はすぐにウトウトと眠りに落ち始めた。



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無職のおっさん、幼女にTSして番外編
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