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無職のおっさん、幼女にTSして悪役令嬢とダンジョン最下層を目指す  作者: 芥部


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第17話 スライム討伐


 VRと思えない景色と感触に感動していると、どこからともなく声が聞こえてきた。いつもの検査技師さんの声だ。


『茅原さん、風とか太陽の暑さとか、そう言うのありますか?』

「めっちゃあります。本当の外ですねこれ……草いきれの匂いなんかもありますよ」


 しかし、なにげにフルアーマーが重い。重いといっても重いコートに重いリュックを背負っているくらいの重量感だが、これで動くの嫌だなあ。


「フルアーマーは失敗だったかも……重いですこれ」

『なるほど、そう言う重みも感じるんですね……』


 防御重視にしても、俺の趣味じゃないな。次があるなら別の装備にしよう。


『周りにマシュマロみたいな大きいスライムがいるはずなんで、その剣で殴ってみてください』


 俺は技師さんに言われて周りを見ると、草むらの中に飛び跳ねる白い物体が見えた。白いスライムは俺を見つけると飛びかかってくるので、慌てて剣を構えて振り下ろす。


 まるでバランスボールがバットに当たるような、なんともいえない感覚でびっくりしつつ、俺は言われた通りにその白いゴムのような感触のスライムを数回剣で殴った。


 スライムの頭の上にHPゲージが発生し、殴ると8とか6とかいう数字が空に上る。あ、これダメージか。流石レベル1、クソ雑魚ダメージだ。


 顔がないグミのようなスライムだから良かったが、顔があったらこれは躊躇しそうだな……。

 三回ほど殴るとスライムはグチャッと潰れて、キラキラ光る25という数字を空に上げて消えた。


「うわっ、なにこれ経験値?」


その数秒後、景気の良いファンファーレが鳴り響き俺のレベルは2にアップしていた。


『レベルアップしました!

 上げるステータスを選んでください

 力 素早さ 器用さ 賢さ 魔力 幸運』


 俺は迷わず素早さに割り振った。

 メテクエでは素早さ至上主義だったので……。どんな敵でも先手と相性有利を取って殴れば死ぬ。素早さがあれば回避もできる。素早さは世界を救うのだ。


『茅原さん、ちょっと周辺を走ってみてください』

「わかりました!」


 俺は素直に周辺を走る。鎧の重みも感じるのに、体が軽い。5分ほど走ってみたがフルアーマーなのに楽々と走れた。

 楽だなーと思っていると、さっきなったレベルアップのファンファーレがいきなり10回以上連続でなった。


「うわ!? これは?」

『今管理者権限でレベル20上げたんで、試しに素早さ全振りして、それから走ってもらえますか?』


 俺は指示に従って素早さに40ポイントほど振ってから、再度走る。すると、さっきの比ではないレベルのスピードが出る!


「うわあああああああ!? これ速すぎませんか!?」


 俺は軽いランニングで全力は出していない。それなのにロードバイクや原付きのバイクとは並べそうなスピードになって、驚いた俺は思わず急停止する。しかし勢いがありすぎて、転けそうになったが気合で踏みとどまった。


「び、びっくりした……」

『いきなりステータスを上げすぎるのは危険みたいですね……』

「でもすごく体が軽いんですよ! 俺の体じゃないみたいだ」


『いきなり身体レベルを上げてのVRは危険みたいですね……少しずつ走ったり飛んだりして慣れてみてください、途中に敵がいたら倒してもいいですよ!』


 俺は言われたとおりにジャンプしてみると、フルアーマーなのに予備動作無しで1メートルほど飛び上がることができた。これはめちゃめちゃ楽しいかも知れない。


 俺は助走をつけてジャンプしたり、生えていた木を使って三角飛びなんかを試してみる。どれもこれも実際の俺では出来ない動作だ。


「た、楽しい~~~!」


 さっき見かけたスライムも、さっきは襲ってくるのに剣を合わせるのが精一杯だったが、今は見て避けることもできる。もちろんベシベシ剣で打撃を入れてあっという間に倒すことも出来た。


 普通のRPGも楽しいが、こういう体を動かして倒すのもすごく楽しいな!

 俺は体力のことなんて忘れて夢中で体を動かしまくった。


 コケて失敗しても多少のショックは喰らうが骨を折ったり怪我を負わないことに気がつくと俺の活動は大胆さが増していく。


 猛スピードでジャンプして上からスライムに飛び蹴りをしたり、何も無いところでバク転をしたり、普段の俺では絶対にできないようなことにチャレンジする。


 おかげで、レベルもいくつか上がった。ささやかに器用さや力に割り振ってみたら更にレベル上げが加速する。


 あまりにも楽しすぎる時間だ。

 しかし一時間後、俺はその代償を受けることになる。



「す、すみません……いつの間にか体力が限界で……HPが3になってて……」


 一撃も食らってないのに死にかけてるから、どうやら体力の範囲を超えると隠しステータスの疲労度がHPを削ってくるみたいだな……。

 前情報がないので推測するしかないんだが。


『そろそろ終了しましょうか、お疲れ様です!』


 技師さんがそう言うと一瞬意識が途切れ、俺は現実世界に復帰した。先程までの羽のように軽かった体は鉛のように重く、汗びっしょりで、そして筋肉痛がすごかった。


「お体は大丈夫ですか?」


 医師の質問に俺は首を横に振った。


「めちゃめちゃ疲れてます、筋肉痛も……あと喉が渇いて……水貰ってもいいですか……」


 看護師さんが水を持ってきてくれたので、なんとか飲んだ。一気に飲んで息をつく。

 腕、こんなに重かったっけ? さっきまであんなに軽かったのになあ。VRってのはすごいもんだな。


「茅原さん、大分身軽に動かれてましたけど、体操とかやってらしたんですか?」

「全然してないです。強いて言うなら週三のウォーキング位で。ずっと帰宅部ですし、家ではゲームしたり犬の散歩したりするくらいでしたね」

「それであんなにVR内では動けるようになるんですか……どんな理屈なんですかね」


 そんな理屈は俺のほうが知りたいよ。

 医師は難しい顔でノートパソコンに俺の話を記録していた。


「テストは今日はこれで終わりですか?」

「そうですね、お疲れでしょうし明日にしましょう。お腹が空かれているようですし、昼食大盛りにしてもらいます? 今日のお昼のメインはエビチリみたいですよ」

「大盛りで!」


 機材を残して(触らないようにという警告はあったが)医師が去っていき、そこから程なくして看護師さんが大盛りのエビチリなどを運んできてくれた。

 動いたあとに食う飯だからめちゃめちゃに美味い。


 その後筋肉痛を回復させるためのサプリメントなども投与され、その日は結局ベッドの上でダラダラしてシャワーを浴びて夕飯を食って寝た。


 治験とは思えないほど楽しく充実した一日だった。



お盆の間は一日複数回投稿する予定です

よろしくお願いします

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無職のおっさん、幼女にTSして番外編
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