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無職のおっさん、幼女にTSして悪役令嬢とダンジョン最下層を目指す【完結】  作者: 芥部


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第156話 さらなる来訪者


 俺達がエト姫のところにたどり着くと、黒モヤの大群、知らないおじさん、そして四方さん、吉田さん、清野さんがいた。

 四方さんたちは戦闘服っぽいかっこいい服を着ている。うわー、めっちゃ写真撮りたい。

 現代人のサガだよな、かっこいいもの見ると写真撮ってシェアしたくなるやつ。


 そして、一人だけ土下座で詰められている人がいる。


「社長本当にすみません! だって内務長官ですよ?! 命令されて断れるわけないじゃないですかああああ!」

「僕と内務長官どっちが偉いと思う?!」

「それは社長ですけどぉ!」


 ……カハールカさんじゃん。なんでここにいて、なんで社長に土下座してるんだろう。

 疑問に思っていると、敵を片付け終えたらしく、ところどころ血で汚れた服の吉田さんが笑顔で教えてくれた。手にはクソでかい血まみれの剣を持っている……。


「良い悲鳴ですよねぇ。カハールカさんは、もともとヴェレル・ソフトウェアの社員だったんです。ファビエ社長がメテクエを作るということで、テオデジに出向していたんですが、水着エトワールなんかの企画もしたらしいですよ!」

「なるほどー……えっ?! 水着エトワール?!」


 俺はグリセルダの腕から一瞬で抜け出し、秒で社長の前に立ちふさがるようにしてカハールカさんと向き合った。


「カハールカさん! 水着エトワール企画したってマジですか?!」

「えっ、あっ、うん。私がやったっす……」


 困惑するカハールカさん、そして社長。うおおおおおおおおお!

 俺はまた頭に血が上る。興奮を隠せない。

 メテクエの創造神とそれに仕える大天使が如きカハールカさん。

 二人にお目見えし、語りかける権利のある俺。生きててよかった! この喜びを口にしたい、語りたい、絶叫したい!


「ありがとうございます! 社長が創造神だとするとカハールカさんは大天使ですね! 俺、初代水着エトワールは10凸と5凸とLv1を作って、配布水着エトワール120凸しました! あれが配布なんて人類の宝ですよ、水着ちょっとエロすぎましたけど! あれどうやって林檎とググプレの審査を通したんですか?! あとあの水着エトワールのスキル構成最高ですよね! 固有スキルの『水着裁判』とか色物スキルのようでいて実用性がある、最終戦でも使っていける最高のスキルでしたね! 敵に解除不能の水着属性を付与することで毎ターンチャージ減少と防御減少を付与するのに味方の水着キャラにはバフとかいう最高の――――」


「茅原氏、【静粛に】!」


 エト姫の【静粛に】のスキルを頂いてしまった……あー! 嬉しい! 一生に一度でいいからエト姫にスキルかけてほしかったんだよなー!

 嬉しすぎて顔がにやけるー!


「モゴゴゴゴー! モゴモモゴゴゴゴ! モゴー!」


 俺は喜びを口にしたがスキルのお陰で言葉にならなかった。だが俺は満面の笑顔である。だってハッピーなので。


「えぇ……【静粛に】をかけられて笑顔になってる人茅原氏が初めてじゃないかな……怖……」

「チケン、正気……なのだろうな……。この者の欠点だな、メテクエとやらは……」

「メテクエのことになるとチケンはおかしくなるのよね、スキルも効かないし不治の病よね……」


 エト姫達に呆れられ、ドン引きされている。たまらん、ますます笑顔になってしまう。幸せすぎる……! もっと、もっと俺を罵ってくれ!

 でもメテクエ好きはやめないけどな!


 そこに、見たことのないおじさんと、黒モヤの二人組がやってきた。


「やあ、チケンくん。お元気そうで何より」


 清野さんと似たようなデザインの制服を着た、眼鏡の温厚そうなおじさんがそこにいた。もしかして……


「スフォー様!」


 インテが思わず叫んだ。この人が、インテの元の持ち主スフォーさんなのか。人間形態は初めて見た。

 黒モヤの亡霊の時から優しい雰囲気はしていたが、印象通りの人物がそこにいた。


「スフォーのおっさん、復活できたのか!」

「おかげさまで。カバンは役に立っているかな?」

「ものすごく! さっきもインテに助けられたばかりだしな……インテがいなかったらあのロボット止められなかったよ」

「はい! チケン様のサポート役として最善を尽くさせていただいております!」


 嬉しそうなインテ。でも、流石に元の持ち主が復活してきたのだから、返却の時が来たのだろうか……。

 俺は背負っていたインテを肩から降ろして、スフォーのおっさんに向き合う。


「おっさん、インテ……ってカバンに名前つけてたんだけど、今まで貸してくれてすごく助かったよ。でも、返すよ。今までありがとう」

「えっ、嫌です、チケン様のほうが良いです!」

「いやー、即決だな。好かれてるねえチケンくん」


 インテの言葉は嬉しいけど、億単位の高機能カバンなんて俺には分不相応すぎるからな……。


「いや、大丈夫。インテはチケンくんが持っていてくれ。死んだら返してくれればいいから。ほら、ちゃんと予備はあるんだ」


 スフォーのおっさんは腰に下げたポーチを指さした。ポーチと言うには少し大きいが上等そうな品だ。


「チケンさまはじめまして! 1025ことインテがお世話になっております。姉妹機の1026ことジェーンと申します。これからも引き続き姉をよろしくお願い致しますね」

「インテお前妹いたの?!」

「妹はいますが、名前がついたのは初耳ですね……」

「有能なのはあなただけではないということです、インテ」

「ふっ、負けませんよジェーン!」


 カバン同士の競争は見ていてなんとなく微笑ましかった。喋るカバンって何か良いもんだな。


「本当に借りてていいのか?」

「もちろん。君にはお世話になったし、それにもう少し手伝ってほしいからねえ」


 それはそうか。まだやることがあるんだよな。

 四方さんとか見た瞬間なんとなく日本に帰りたくなったんだけど、まだあの二人がどうなるか聞いてないしな…。


「あ、やっぱ俺まだここから出られないんすね……」

「手伝ってくれると助かるんだけどなあ、だめかな?」

「ウッス……」


 俺、こういうお願いに弱い。

 命令されると反射的に断るんだがお願いされるとなあ。うっかり引き受けてしまう。

 スフォーのおっさんがいなければ、今頃俺はログアウトするか黒いモヤになっていた可能性がある。

 恩は返したほうがいいだろうな。


 己の運命を少しだけ諦めた時、また別の人に声をかけられた。


「やあ、ケンイチくん。今日もかわいいねえ!」

「本当に愛らしくいらっしゃってござるw」


 聞き覚えのある嫌な声がした。


 後ろから声をかけられて、振り向くと黒いモヤの二人組。

 忘れようにも忘れられないほどキャラの濃い二人だった。




メテクエの凸数の表示数の上限は10ということになっていてそれ以上凸しても表示はされないのですが、さらに1凸するたびに必殺技の効果%が0.1%ずつ上がって必殺技の効果%を見ることで現在の凸数が解り、10凸で完凸、120凸は完全体と呼ばれているというどうでもいい設定があります。

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無職のおっさん、幼女にTSして番外編
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