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無職のおっさん、幼女にTSして悪役令嬢とダンジョン最下層を目指す【完結】  作者: 芥部


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第154話 怪異ターボ聖女


 夕暮れから時刻はほとんど夜に近くなって、あたりは夕闇が支配しつつある。

 昼間は見えなかった光の柱も今は大分見えるようになってきた。

 思ったより近いな……。


 神子はどうやら光の柱へと逃げようとしている。ターボ婆ちゃん並の速度で逃げているが、八層に逃亡されると捜索に手間取ることが予想されるので絶対避けたい。


 あの速度で逃げてる聖女二人組とか、もう聖女じゃなくて妖怪の類だろうと思う。


 けど、後ろから攻撃して全弾命中してるのに全然スピードは落ちず、正直気が滅入る。ほんまもんの化物かよ。

 俺の取り柄が丸つぶれだな……。


 逃げる神子と追う俺。後ろからやることをやったグリセルダとおタヒが追いかけてきた。おそらく身体強化をかけているのだろう、俺ほどではないが人間としてはかなり速い。


「逃がすか!」

「逃さないわよ!」


 グリセルダは走りながら拳銃を取り出し、フルオートでガンガン撃って全弾命中させているものの、神子二人にダメージは入っていない。

 おタヒも符を飛ばすが一瞬発動して、その直後に符は効果を終えたときのように塵になって消滅する。

 俺のナイフも全然当たっても昏倒しないし、あいつら一体何なんだ。


 光の柱が間近に見えてきて気が焦る。この速度ならあと一分もしないうちに着くだろう。どうにか止めなくてはいけない。


 光の柱を前にして、一瞬、神子の速度が緩んだ。


「エリアキーパー、出なさい!」

「犯罪者たちを処刑せよ!」


 そう言って、黒髪と金髪の神子達は手に手を取って揃って八層への光の柱へと飛び込んでいった。

 ちくしょう、間に合わなかった……!


 入れ違いに俺達の前に現れた黒いモニターであるエリアキーパー。

 モニターにはこう表示されている。


『管理者権限:強制執行の開始』

『これより強制執行を開始します、面会の方・刑務官がおられた場合十五分以内にセーフエリアに退避し、扉にセーフティーロックをかけてください』


 警告音が島中に鳴り響き、空中から巨大な物体が地響きを立てて落下してきた。盛大な地響きと轟音とともに砂煙が上がり、視界が奪われる。


 しばらく経って砂煙が落ち着いて視界が晴れてくると、俺達の前に現れたのは明らかに巨大ロボットだった。


 そんなんありかよ! ファンタジーのダンジョンじゃないのかよ!


 この層のセーフエリアはあの小さな一軒家だけだ。犯罪者達はともかく、マウ族の人々は中に入り切らない。ここで止めないと甚大な被害が出る。


「何よあの大仏みたいな人形! 卑怯にもほどがあるわ!」

「グリセルダ! さっきのスキルでアレ消せないのか?」

「あれは――――」


 グリセルダが目を細めてロボットを見つめて渋い顔をする。


「無理だな。消せるものには条件がある。その範疇にない」


 マジか……。まあしょうがないか……。あんなつよつよスキル制限がないわけないもんな。

 遅れて走ってエト姫もやってきた。


「えっ、何アレ?! 機械? エリアキーパーもハッキングされてるし! 何なんだこの犯罪の塊は! 許せん!」


 エト姫も知らんのかよ、と思ったけど、なんとなく見覚えあるんだよなあのメカ……。

 俺が思い悩んでいると、後ろからファビエ社長が追いかけてきた。


「姉上、とりあえず全員捕縛してボックスに詰めておきましたよ。……ってなんですかアレ?!」

「知らん……内務庁に潜入したエージェントから報告があればわかるがまだ連絡が取れてないし……」


 何だっけあのロボ……あっ、思い出した!


 テオデジがメテクエを出す前、今から十年前に出していたコンシューマーのロボットアクションゲームがあるのだが、それのビジュアルにそっくりなのだ……。


「ファビエ社長、俺あのロボに見覚えあるんですけど。あれってオブリビオン・ドクトリンのラスボスのゲーティアじゃないですかね……」

「あっ! 本当だ……嘘だろ?!」



 俺と社長は口をぽかーんと上げて見上げた。

 お台場のあのロボットの倍くらいに大きいロボ、ゲーティアはまだ本格起動してないらしい。起動シークエンスのアナウンスが流れている。まだエネルギーチャージが終わっていないようだ。


「社長、あのロボ弱点あるんですか?!」

「えーっと……なんだっけ……重量あるから動きが遅くて、コックピット周りの装甲が周りより一割薄いから攻略するならそのあたりだけど、そもそも同じに作ってあるのかな……」


 そう言われてみればそうだ。デザインが同じだからといって、全く同じに作る必要はないんだよな。同じに作ってくれてると攻略しやすいんだが……。


「コックピットは無人だろうから、有人操作に切り替えればオフにできるはずだ、でもあんなでかいロボットにどうやって乗り込めば……」


 社長は困り顔で頭を抱えている。可愛い。

 そうか、そもそも正面撃破に拘る必要もない。スイッチをオフにすれば良いのか。


「切り替え方は?」

「テオネリアの業務用メカの標準操作だから、わかっていれば簡単なんだが口頭だと説明が難しいな……」

「インテ、操作方法わかる?」

「もちろんでございます!」


 よし、コクピットまでよじ登って無理やり侵入するか……。細かいことはインテがやってくれるだろう。

 ハッキング(物理)をするのは初めてだ。緊張するなあ……。


「じゃあ俺が行ってくる。おタヒ、エト姫、俺にバフかけて」

「えっ、茅原氏行ってくれるの? 助かる! 【集中力向上】! 【軽減障壁】!」

「わかったわ! 【回避率向上】! 【速度上昇】! 【ターン延長】!」



 二人はサクッとバフをかけてくれるので大変助かる。

 エト姫のモーションがゲームと一緒で感動するが、あまり感動する時間がないのが悲しい。

 軽減障壁はゲームでも俺は良く使っていて、物理攻撃が三ターンの間弱体化するという神スキルだった。集中力向上はわからんけど、何か頭がスッキリした。


 おタヒのターン延長も合わさり過去最強の俺になった気がする!


 ゲーティアはゲーム内でも起動に時間がかかっていて、しかもその間は無敵時間だったが……現実にはそんなの関係ない。

 たとえ魔法少女の変身中でも、ゲームなら容赦なく攻撃する派だからな!


「よし、じゃあ行ってくる、確かコックピットは頭部だよな?」

「僕のゲームどおりに作っていたらそうなる」

「さくっと解除してくる!」

「チケン、無理はするなよ!」


 グリセルダの優しさが嬉しいが、とりあえず多少無理でもやらないと駄目だろう。

 繁忙期の前々職よりは楽だと信じて!


 力を使い果たさない程度の全速力でゲーティアに向かうと、エリアキーパーが警告を発してくる。


『警告:職務執行の妨害をした場合公務執行妨害になり、強制執行の対象になります』


 もちろん無視してゲーティアに向かうが、前方にエリアキーパーの試験機能なのか、続々とモンスターが湧き出してくる。

 ヒュドラ、ケルベロス、ペッパードラゴン、モスマン、レプティリアン、半魚人、でかいエビ……見覚えのあるやつと、見覚えのないやつ。


 もちろん正面から相手をする義理はない。


「【隠密行動】!」


 俺を見失ったモンスターたちは困惑の顔でキョロキョロしているが、その横をさっと通り抜けていく。

 もちろん俺に攻撃は来ないので、ある意味ターボ婆ちゃんとの戦いよりも更にイージーモードだ。


 これが俺がやりたかったダンジョン探索だよ、最高に気持ちがいい!

 俺は効率厨だから、手数を減らせた時の感動たるや筆舌に尽くしがたい……!


 そして、当然だが敵を見失ったモンスターたちは、新たなターゲットを探し、後方にいるグリセルダやおタヒたちに流れていく。

 ……大変申し訳ございません。


「もー! チケンったらしょうがないわね、牛頭くん達、行くわよ!」

「このくらいは我らでなんとかするか」

「久々に体を動かすかぁ……モスマン相手で腕がなまってないといいんだが」

「僕は支援だけしますので、皆さんがんばってくださいね……」


 うおー、エト姫とファビエ社長の戦闘とか超見たいんだが、見てるヒマがない……残念だ……。誰か録画しておいてくれ……。



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