ケツは青いうちにぶて
ことわざのパロディではじまって。
もしもきみが
鉄は熱いうちに打てと言うならば
ぼくからはもうひとつ
ケツは青いうちにぶてと言いたい
痛みってものをちゃんと
自分のケツを以て知ってこそ
他人の痛みもわかるってもんだし
痛みがどんなものなのか
怖さを理解していれば
怖いもの知らずという無鉄砲の丸腰に
転ばぬ先の杖くらい持って歩くように
戒めることもできようし
逆に痛みがどれほどのもので
警戒こそすべきものではあれ
過度に臆病になって縮こまる必要はないと
こんなものかって まず痛みを経験させておいたり
生きていくうえで
ひとつも痛みを味わわずにすむはずはないんだから
まんがいち いつか重い痛みを受けたときに
なんとか耐えることができるように
むしろ軽い痛みにいくらか慣れさせておくなんてのも
さらには 悪いことをすりゃ
めぐりめぐって じぶんのケツに痛みとして
帰ってくるって道理だって わきまえさせとかなきゃな
こんな老婆心を ケツの青い連中からは
余計なお世話と迷惑がられるかもしれないが
そんな馬鹿げたやりかたにも
それなりの効果をあげた実績もあるんだ
ぶたれたこともない青いケツのまま
おとなになるのなら
他人の痛みを知らずに
無鉄砲か 未知の痛みに怯える臆病者の二択で
いざ痛みを受けたときに打たれ弱く
自業自得の四字熟語の報いで身を滅ぼす
それが成れの果てかもしれないんだぜ?
だったらケツがまだ青いうちに
ちゃんとぶつべきときに
だれかがぶっといてやらなきゃいけない
青いケツが赤く腫れあがって
腫れがひいたあとも紫なくらいが
きっとちょうどいい
おれたちも昔は紫のケツをしていたか?
たまにてのひらで さすりながら
すでに負った痛み
これから襲おうとする痛み
矛先で脅しをかける痛み
物陰に潜んでつけ狙う痛み
ちらりと目にした痛み
地球の裏側で猛威をふるう痛み
痛みが渦巻くこの世界で
じぶんの受けた痛み 他人が受けた痛み
過去に受けた痛み 未来に受ける痛み
痛みのなかで正しく生き抜いていくために
おれたちのケツは何度もぶたれてくれたんだなって
感謝する日が おとなになればくるものさ
ケツだって ぶたれることをわかってて
どうせ 無傷のままじゃいられないならと
あらかじめ
ふたつに割れててくれてるようなもんだしな
古典的なギャグで締める(笑)