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ランダムワーク+10分間のエース  作者: 橘西名
10分間のエース
70/81

65:アレの妹

三浦ドライブが彼女たちの必殺奥義です。


*別に今回は使う状況は出てこないけどね。

65:アレの妹



「ごきげんよう」


 たむこうバスケ部唯一の常識人である久世くぜさくらは、そういいながら二年の教室で注目を集めていた。


 それを見て三浦妹がすぐに前へ出ていく。


「こんなとこまでどうしたんですか。もしかして昼のミーティングがなくなったとか、今日の部活の終わる時間が早くなったとか幸せな連絡ですか?」


 全国区のバスケ部員とは思えないことを言い出すが、これがアレの妹のマイで間違いない。

 試合中なら冷静沈着なプレイをする姉と対照的に、コートを縦横無尽に走り回る元気なのが彼女の取り柄だ。

 チームのムードメーカーでもあり、今年が終われば来年を任せなければならない現在の副部長でもある。


「残念ながら、明日の練習試合の相手の都合が悪くなって延期になったという連絡だ。部活の時間はいつも通り。それじゃ、昼食に戻ってくれてかまわないよ」


「つれないですね。もっとおしゃべりしていきましょうよ。先輩も司に劣らず女子に人気があるんですよ。知らないと思いますけど、女子高と言う閉鎖空間の中で幾人の女子が先輩への告白を考えたか、知らないでしょ?」


 桜にはそんな趣味はないのでただただ困るだけだが、アレなら相手がかわいければ一日くらい交際しそうだと思った。


「こめんね。このあと司と予定があるから教室に戻るよ」


 マイが残念そうに俯くが、すぎにぱっと笑顔になり「おねえちゃんのことをよろしく」と可愛げのあることを言ってくれる。

 アレの実妹とは思えないほど良い子だなとしみじみ思う。

 桜は頭を抱えながら、自分の教室へ帰っていった。





 ***

 教室へ戻るとどこからか取り出したベルトを天にかざしている司がいた。

 ちょうど人の首に回せるぐらいがやっとのアクセサリーのようなベルトだ。


「何も聞かなくていいわ。分かっている。桜が言いたい事は分かるけど、あと一日待ってくれない? そうすれば万事上手くいくわ」


 桜は何も見なかったことにして、机からノートを持ってきて司に渡した。


「ほら、一年生が頑張って集めた今年の全国大会に出てきそうなチームと選手のデータ。キャプテンなら予選が始まる前に目を通しておいてくれる? もうじき代表戦もあるから早めでね」


「ありがと。すぐに見ておくわ」


 初めは昨日の今日でまだ懲りていないのかと思ったが、今の司はいうなれば試合モードのようだ。

 田村高校に限ったことではないが、全国の強豪、主にランキング上位四校は練習試合でもめったなことがない限り負ける事はない。

 それは力の差と言うよりは意識の差が大きく。

 常に勝ち続けるという強い意志を持った選手がどのチームにもいるからだ。

 このたむこうでそれは、千駄ヶ谷中のレギュラーだった桜ではなく三浦姉妹の二人のことだ。

 明日の試合に向けて気持ちを調整し、それが延期になったことでいまから溜めていたものを霧散させているようだ。


「まだじっくり読んではいないのだけど、この十有二月学園というのはどうしてダークホースなの? 誰か有名な選手がいたかしら」


「そこは、ほら、風見鶏とかいう変わった奴がいるところよ。天野さんの代わりで呼ばれたらしいけど、結構やばかったっしょ」


 司は、ノートを閉じて鞄にしまいながらその選手のことを思い出していた。

 そうしたら、変わった奴と言う単語でピンと来る人がいた。


「あぁ。あの代表に呼ばれた初心者の人ね」


 続けて司は口に出す。


「スタミナはすごいけど、それだけな選手だったため忘れていたわ」


 日本一のシューティングガードである三浦司からみたら、全国区の選手である一選手もそういった評価だった。


「まあ、それは去年のデータだけどね」



キャラが確立されないのは、突発的に書いているからです。


ご了承ください。


次は二、三日以内に投稿できればと思います。

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