50 エピローグ 溺愛ルートの先に
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あれから、ライアンをわたくしが見つけ出して公爵邸に連れて帰ってから、わたくしはとても大変だった。
まず初めに、わたくしはライアン帰宅からわずか1週間で学園を卒業することもなく、結婚式を挙げることとなった。理由は簡単。わたくしの後先考えない行動で起こしてしまった、『クラウディアによるライアンホテル連れ込み事件』のせいだ。この事件は見事なまでに瞬く間に噂好きの貴族中に広まってしまい、わたくしたちは即刻結婚式を挙げざるを得なくなってしまったのだ。よって、わたくしは学園を卒業する前に人妻となってしまった。
周囲のご令嬢がマリッジブルーな中、わたくしは悠々自適な新婚ライフで、周囲のご令嬢に負けた気がして、なんだかとても悔しかった。
あぁ、あと、わたくしたちの結婚式は、新郎が頬に殴られた後をつけたまま出席するというびっくり事態になってしまった。お父さまが、わたくしたちが帰宅してすぐに、ライアンのことを殴ったからだが。見事なグーパンチで、とってもキレッキレだったのを、結婚式から3年経った今なお覚えている。
「まーま!!」
考え事をしていたことによって、てけてけと歩いてきていた息子に気がついていなかったわたくしは、ぎゅっと抱きつきながら嬉しそうな声を上げる今年2歳になったばかりの愛息子エドワードに、困ったような表情を向ける。ライアンそっくりの藍色の髪に、くりっとした赤い瞳を持つ、ライアンそっくりの男の子は、今現在悪戯っ子を加速させながら元気にすくすくと育っている。
「はいはい。うるさいわよ、エディー。おやつが欲しいのなら、おじいちゃまと一緒に大人しくお席にちょんこしておきなさい」
「ちょんこヤー!!それににぇ、えでぃー、ぱーぱときちゃのー!!」
「え?パパと?」
「あぁ、………俺がきたらダメだったのか?ディア」
長くて真っ直ぐな髪をきゅっと1つに結んだ旦那は、今日も恨めしいくらいに美しくて、そんな彼がわたくしと彼の愛の結晶を抱いている姿が尊くて、わたくしはジューっと今しがた焼いているフレンチトーストから変な音と匂いがしているのにも気が付かずに、ててっと2人に走り寄る。
「ねえ、ライアン。わたくし、今日はフレンチトーストを焼く予定なの。お前も食べたい?」
「あぁ。だが、………今日のフレンチトーストはエディーには食べさせてあげられないらしいな」
「ふぇ?………ふぎゃー!!」
急いで魔法を使って火を止めたわたくしは、真っ黒になったフレンチトーストを遠目に見つめてしょぼんと肩を落とす。
「料理下手な君も愛らしいよ、愛しのディア」
「褒めても何にも出ないかしら、馬鹿ライアン」
2人は子供の前であるというのも忘れ、深いキスを交わした。
読んでいただきありがとうございます!!
これにて本編完結になります!!
次にキャラクタープロフィール2を出したら終了です。
番外編のご希望は受け付けようと思っていますので、欲しいお話がある方は感想欄の方からお知らせください!!
できるだけご希望に添えるように頑張ります。




