47 わたくしは認められる
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時が過ぎるのは早いもので、わたくしが目覚めてから1つの季節が通り過ぎた。わたくしが通っている学園が年終わりの進級テストをしている時期になってやっと、わたくしは完璧な健康体というものを手に入れていた。
ーーーがんっ!!
「けほっ、けほっ、」
未だにお義母さまには吹き飛ばされているが………。
「うん、3倍強くなったわね」
「………4倍強くなる予定だったのに………!!」
「………………それ、本気だったの?」
「えぇ、いたって本気だったわ!!」
わたくしが悔しそうに文句を言うと、お義母さまは心の奥底から驚いたかのような表情をする。けれど、わたくしは宣言したことはなんとしてでも叶える主義者だ。だからこそ、初めて宣言したことがうまくいかなくて、わたくしはこう見えてもとっても悔しがっていたりする。
「そう。でも、本当に予想のはるか上を行く強さに成長したわ。よって、明日からライアンを探すことを許可します!!」
「ーーーいいの?」
呆然とした心地で問いかけると、お義母さまはゆったりとした笑顔で微笑み、たっぷりと時間をかけて頷いた。勿体ぶる仕草に焦らされながらも、わたくしはお目々を爛々と輝かせてしまう。
「えぇ、構わないわ。ただし、危険だと判断したら、すぐに周囲にいる人、例えば私やメアリー、旦那さまに助けを求めること。いい?」
「えぇ!!分かったわ!!」
「よし!良い子!!」
わたくしはにししーっと笑うと、お義母さまに頭を撫でられた。
「………うん、じゃあ、早速行ってくるね」
「え、あ、………でぃ、ディアちゃん!?」
「行ってくるわー!!ご機嫌よう!!」
わたくしはこうして、お義母さまのお墨付きを得て、無事にライアンを探しに行く旅へと出かけることになった。
本当に、お義母さまに認められるまでに、想定の2倍かかってしまったわ。このままじゃ、2年生までに学校に戻れるか分からないから、急がないといけない。
わたくしは決意を新たに、手ぶらでライアン探しの旅に出かけた。
「クラウディアお嬢さま~!!お弁当をお忘れです!!」
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ライアンを探して3000里となるかと思いきや、わたくしは存外すぐに、お家を出てたった3時間でライアンを見つけてしまった。
とはならず、わたくしは3年間もの間ライアンを探して、国中を渡り歩くこととなった。3年の間わたくしはさまざまなところを回って、慈善活動を行い、そのついでとばかりに、ライアンの居場所を探り続けた。もちろん、学園を卒業できないなんて無様なことにはなりたくないから、テスト期間のみ学園に復帰して、旅の道中に行った勉強の成果を発揮し、3年間主席の地位を守り続けた。筆記・実技共に、ずっと満点をとり続けたのだから、当然の結果だろう。
16歳になったわたくしの容姿は、だいぶ大人っぽくなった。16歳には到底見えぬナイスバディーに、なおのこときつくなった顔立ち。可愛いとは言えぬが、美しいとは言える顔立ち身体つきだ。
彼を探し始めて3年目となる、卒業試験を間近に控えた今日、わたくしは久方ぶりにローズバード公爵邸へと帰宅して、メアリーからもらったお弁当を片手に、またライアンを探す旅に出るために街に繰り出した。
そしてそこで、わたくしは深く被られたローブからこぼれ落ちた、信じられないくらいに美しい髪を見て立ち止まった。明るい夜空を垂れ流したかのような藍色の髪。ずっとずっと探していた、彼の持っていた美しい髪色だ。
わたくしはそんな髪を持った男の腕を、がしっと力いっぱいに思いっきりよく掴んだ。ローブを目深に被っているから、よく見えないが、一房だけ溢れている髪でも十分わかる。
ーーーライアン、
わたくしが掴んだ男は怪訝そうに振り返ってきて、ずっとずっと高い背でわたくしのことを見下ろしてきた。
凍てつく氷のような冷たい水色の瞳。
ずっとずっと見たくて仕方がなかった、凍えるように美しい瞳。彼の魔法属性を表しラカのような冷酷な瞳は、次の瞬間にはこぼれんばかりに大きく見開かれていた。
「………ディア?」
喉仏を揺らして呟かれる、美しいバリトンボイスにくらっとしながらも、わたくしは涙の滲んだ瞳と喜色満面の表情で彼のことを見上げ、
そして、
ーーーパァン!!
彼の頬を、利き手たる右手で、思いっきり叩いた。
読んでいただきありがとうございます!!
ここからは爆速で最後の方までお話しが行きます!!
いつのまにか、離れていたせい?遠距離恋愛?もあって、ディアちゃんはライアンにデレッデレです!!
あれ?デレ要素ってありましたっけー?ってなっている作者であります!!




