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陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜  作者: 136君
サマバケ

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DAY35①

 3時前にセットしておいたアラームが鳴る。俺はそれを止めて、横の奏を見る。まだ寝ている。


「起きろ。」

「んんっ。」

「起きろ!」

「んんんっ。」

「起きろってば!」

「んん〜。」


ダメだ。まったく起きる気配がしない。よし、こうなったら。


―ゴン


蹴るしかないよな!


「痛てぇよ!」

「ごめんごめん。」


今日はついにキャンプ当日。行き帰りは海南さんのお母さんに車を出してもらって、その他は俺たちだけ。経験者が2人いるから問題は無いだろう。


 歯を磨き、寝癖を直して外に出る。荷物は昨日の間に車に載せておいたから、クーラーボックスを載せて、女子組の来るのを待つだけ。ガチャっと音がして海南さんのお母さんが出てくる。


「おはようございます。今日はよろしくお願いします。」

「おっはよう!みんなはもう少しで出てくるからね。先乗っとく?」

「はい、今日はお願いします。おばさん。」

「奏くんも、何かあったら呼んでいいからね。」

「了解です。」


俺たちは奥の2席に座る。この車は9人乗りで、左側1列を荷物置きにしているからあとは5席余っている。人数も余裕だ。


「おはよー!2人とも早いね!」


海南さんが1番前の右側に座る。続いてきいが目を擦りながらやってきて、その左に。熊野さんは寝癖が治らなかったのか、必死に髪を押さえながら2列目の右側、奏の前に。


「おはよ!2人とも!」


桜は俺の前に座った。全員服装はほぼ同じで、半袖のTシャツにジーパン。どこかの山に石炭でも掘りに行くのかな?


「行くよー!」


海南さんのお母さんはそう言ってエンジンをかけ、ゆっくりと発車した。


 キャンプ場には8時に着いた。まだ前日からの客が残っているが、それほど混んでいる訳では無い。奥の方に大きく場所を取れそうなところを見つけたので、そこで下ろしてもらう。


「じゃあ明日の昼前に迎えに来るからね!」


海南さんのお母さんは窓から手を振って、帰って行った。


 川沿いだからか、枚方と比べたらいくらか涼しい。空気も美味しいし、はしゃいでいる子供も少ない。駅の方からディーゼル車のエンジン音が聞こえてきて、風情を感じる。


「よし、まずは設営だな。自分たちのテント立てて、タープ張るぞ。」


チャチャッと設営を済ませて、昼飯の準備。カップラーメンで済ませる予定だから湯を沸かすだけ。シングルバーナーで湯を沸かして、注ぐ。3分待って完成だ。いつも食べているのより、3倍は美味い。外効果もあるのだろうか。


「なんか美味しいね。」

「キャンプ飯って感じがするな。」


 昼飯後、俺と桜は野菜の追加を頼まれたので、1つ隣の駅の近くにある道の駅に。新しく出来たところなので、人も多く、美味しそうなのもいっぱいあった。


「頼まれたのは、青ネギか。とりあえず、これは買っといて…」

「ねえねえQ。なんでこんなにお茶が多いんやろ?」

「ここら辺がお茶の有名な産地やからちゃう。知らんけど。」


あと、お菓子類も頼まれたので、大福とティーパックの煎茶を買う。レジで支払いをして、キャンプ場に戻った。


 4時くらいまでは、この夏にあったことを話していた。熊野さんはカレンに料理を教えていた話を、俺は1人旅したことを、奏と海南さんはクラブの話を、きいは家族旅行の話を、そして桜は杏とショッピングに行った話をした。煎茶を淹れてさっき買った大福を食べる。買ってすぐだから、餅が硬くなってなくて美味しい。煎茶も甘味と渋味のバランスがちょうどよくて美味しかった。


「そろそろ、晩御飯の準備だな。」

「と言っても、焼くだけだけどね。」


夜になると近所の迷惑になるから、先に薪を割っておく。奏にレクチャーしてもらって、燃えやすいように細くしていく。女子組はその間に鶏肉を一口大に切って、下味をつける。今日はシンプルに塩だけ。隣の奏は、俺が切って細くなった薪を削って、先っぽに花みたいなのを作っている。


「なんだそれ?」

「フェザースティックって言って、燃えやすくなるんだよ。やってみるか?」


薪とナイフを手渡された俺は、見様見真似でやってみる。が、できる気配がしない。


「まあ、練習だな。」


そう言って、奏はそのフェザースティックに火をつける。焚き火台にそれを置いて、細い薪から順番に乗せていく。みるみるうちに火は大きくなり、焚き火らしくなってきた。さぁ、夜のスタートだ。

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