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one flame㉚

 期末テスト前最後の週末がやってきた。


「やばいやばいやばいやばい!課題間に合わん!」

「だから手伝おうかって言うたやん。」

「戸津井さんに手伝われるっていうのだけは無理やな。答え写してるだけやろ。」

「ちゃうし〜!ちゃんとやってるし〜!」


今日はなんとうちに来たいということで、船戸さんと戸津井さんがうちに来ている。彼女がいる身としてこういうのは控えておいた方がいいのかもしれないが、俺も桜も結構そこに関しては緩いので大丈夫。


 なんならすぐそこにいる。


「へぇ〜、それが上手い解き方か。そんなやり方やったことないな。」

「いちいち公式覚えるよりも、ちょっと時間かかるけど全部のやり方に対応できるから私はこっちでやってる。由良君もやんな?」

「まあ確かにそうやな。微分の方がやりやすいし、変な式変換しなくていいし。」

「さすが理系は違うな。」


桜は船戸さんに数学とか理系教科を教えて貰っている。教えてもらう要素はあまり無いはずだが、理系で習う内容と文系で習う内容がたまに違うことがあって、それを補充してるって感じだ。


「おーい。私の勉強もしっかり見てよね。」

「内部進学は黙っとけ。忙しいねんこっちは。」

「あ〜!そうやってまた区別する!卒業すら怪しい人材を見捨てる気か?」

「マジで?」

「ワンチャンありえる。今回転けたら。」


そんなことを言いながら戸津井さんは全く危機感の無い目をしている。どこぞの幼馴染を見ているかのように。


「それを先言えよ。ほらやるぞ。」

「やったー!」


戸津井さんは喜んで問題集を開く。このやる気があるなら自分でやるだろ。


 そうして戸津井さんの勉強を見ようとしたら視線を感じる。桜と船戸さんの視線だった。


「由良君って絶対詐欺に巻き込まれるよね。」

「手綱はちゃんと握っときます。」

「よろしく。」


なんか失礼なことを言われた気がした。


 勉強を見ていて気づいたことだが、戸津井さんは理解していないわけではない感じ。一言で表せば応用が効いてない感じ。そう。いつも通りだ。


「こんな感じならいけるやろ。少なくとも卒業はできる。」

「そ?ならよかった。じゃあ次は課題手伝って。」

「自分の分で精一杯の奴によく言うな。」

「そういう女やから。」


そう言って戸津井さんは課題を開く。これはテストのときはどうでもいい「やるだけの」課題だ。学校ってそういうことさせるからムカつくんよな。


 なんて思いながら俺も課題の問題集を開く。それはもちろん「やる意味のない」課題だ。

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