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KYUKA組の初遊び①


 「お前ら、今日の放課後は空いているか?」


今は、講堂から帰ってきて、グループワークの真っ最中。加太くんは急に話を持ち出してきた。


「親に確認したらいけるだろう。」

「右同。」


海南さん、熊野さんは手を口の前で組み、低い口調で答える。


「俺も杏に訊いたらいけるな。」


一応ノリに乗って答えると、全員がこっちを向いた。


「嘘でしょ。まさかQがこのノリに乗ってくるなんて…。」


海南さんは天を仰ぐ。加太くんは顎が外れそうなほど口を大きく開けている。熊野さんは右手で両目を押さえて、凛々しく上を向いている。有田さんは必死に涙を拭いていた。


「悪かったな、お前らぶん殴んぞ。」

「ごめんね、悪気はなかったんだ。」


有田さんが涙を流しながら言う。説得力0だ。


「あと『Q』って何だ?俺のあだ名か?」

「いや、そうだけど…ってこれの元ネタ知らないの?」


海南さんが机をバンバン叩いて言ってくる。加太くんは『知っているよな、知っていると言え』と目で訴えてくる。


「いや、知らんが。」

「マジか。私の敬愛する朝○カフカ先生の文○トってラノベ?漫画?アニメがあるんだけど、そこに夢野久作ってキャラがいて…。」


海南さんが身振り手振りを使って力説してくる。


「始まったぞ、長えんだよな。Q、お前が招いた事態だ。止めてくれ。」


呆れた顔をした加太くんが指示してきた。


「んで…。」

「海南さん、貸してくれた時にまた読むから。」

「本当?」

「本当。」

「やったぁ!」


海南さんはいとも簡単に止まり、にへぇとしている。すると加太くんが肩を叩いてきた。


「よくやった。これからも頼むぞ。」


俺は精一杯嫌な顔を作る。結局断れなかった。


「で、どこ行く?」


海南さんは有田さんと戯れ合いながら話を振る。


「まずは肉だな。」

「肉ぅぅぅぅ〜!!」


海南さんが叫んだところでチャイムが鳴った。担任の終礼が始まる。全員が帰っていく中で、俺たちは集まって店探し。決まったところで海南さんが右手を突き上げる。


「いざ行かん、焼き肉の地へ〜!」

「「「「うおおぉぉォォ〜!」」」」



○○○○○


 一方杏サイド。


「あっ、バカから連絡だ。」

「あーちょっと嬉しそー。」

「誰が嬉しいかよ、真奈。」


正直嬉しい気もしないことはないけど…。


「で、内容は?」


  『友達と飯食って帰る』


「うわっ、雨降りそう。」


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