2:貧乏神の苦悩
おはようございます!
今日から私は高校生活です!!これからもよろしくお願いします!
「あー、もう、無理だ!神なんてやめてやる!」
神様達が集う会議で俺がそう良い放つとケラケラとみんな笑い始めた。
「もう少し辛抱しなさいよ」
他人事のようにそう言う天照大神を睨見つける。
「そう言って何年経ったんだよ!」
俺は、貧乏神。人に取り憑きどんどん貧乏にしていくのが仕事だ。この仕事をしてて良かったことなんて一つもない。
「いいよな、他の神達は良いことばっかりなんだからさ!人を幸せに出来るし、感謝されるし…」
「まぁ、落ち着きなさい。別に貧乏神が人を幸せにしてはいけないと言う決まりなどないのですから、幸せにすればいいじゃありませんか」
そう言ったのは夢の神、パンタソスだ。パンタソスはニコリと柔らかな笑みでこちらを見てくる。不思議な雰囲気の漂うパンタソスにはどうしても逆らえない気持ちになりだんだん心が追いついてきた。
「でも、どうやって幸せにすればいんだ?自分から貧乏になりたいなんて言う変わり者そうそういないし」
パンタソスはいつのまにか俺の隣にくると俺を覗き込む。
「ふむふむ、貧乏神さん、あなたは大きな勘違いをしているようですね」
勘違い?
「あなたの仕事は多くの人をすでに幸せにしていますよ?」
「そんなバカなことあるはずないだろ」
不敵な笑みを浮かべながらパンタソスは天井に手をかざす。すると、天井はだんだん変形し、大きな画面になった。
「よく見ておきなさい。これがあなたが人々を幸せにしてきた証拠です」
そうパンタソスが言うと同時に映像が流れ出した。
『あー、今回のターゲットはあいつか』
貧乏神が見つけたのはボッサボサの髪をかきあげる女性。その女性は真剣に紙と向き合っている。
「締め切りに間に合わないぃ〜‼︎」
どうやら、漫画家のようだ。パッと見る限り裕福そうには見えず、どちらかというと生活していくのもやっと、という感じだ。
『こいつ、俺が取り憑いて死なないか?』
ま、仕事だし一旦取り憑くか〜と貧乏神は漫画家の女性に取り憑く。その瞬間、女性の手元の携帯に電話が入ってきた。
「もしもし〜」
『先生、まだですか⁉︎まだ描き終わってないんですか⁉︎』
「あの、その…」
『言っときますけど、これに間に合わなかったら契約切りますって言いましたよね!今、どこまで進んだんですか⁉︎』
「…。」
『もう、いいです!今までありがとうございました!』
「えっ、あ、ちょっ」
プー、プー
と、無情にも電話の切れた音が部屋に鳴り響く。
「そんなぁ〜‼︎」
仕事が終わったことを確認した貧乏神はその場を去っていった。
映像が切れ、貧乏神はパンタソスに詰め寄る。
「このどこが幸せにしたって言うんだ?」
「まぁ、まぁ、続きを見てみなさい」
映像がまたはじまり、貧乏神も大人しく見始める。
「そんなぁ〜‼︎」
どうしよう!これじゃあ私、仕事なしで野垂れ死ぬ!
慌てた女性はとにかく今描いている漫画を破棄した。
「仕方ない、手当たり次第で漫画を応募しよう!」
新しい紙に手をつけた女性の顔には先程までの焦りは全く浮かんでいなかった。どちらかというと新しいことに挑戦するワクワクで目が輝いている。
その後、違う出版社の漫画賞を受賞した女性は様々な名作を生み出し、逆転の漫画家と呼ばれるようになったらしい。
「おい、これ本当の話か?」
「あぁ、本当ですよ。多分この女性は元々の出版社と反りが合わなかったのでしょう。自分に合う出版社を見つけてこんなふうに名作わ生み出すまでになったのは貧乏神さん、あなたのおかげなんですよ。」
目から鱗が落ちるような気分だ。人を不幸にするだけの存在だと思っていたのに。
「貧乏神は元々人を不幸にさせる存在ではないのです。貧乏神とは、新しい物事をするためのきっかけを作る神なのですよ」
心の全てを見透かされたような気がして俺は少し気まずくなりながらポツリと呟いた。
「ま、まぁ、少しくらいなら貧乏神、続けてやってもいい。」
その言葉に神達が大笑いしたのは言うまでもない。
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