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11話 仲間求めて

 静岡を目指し、再び旅立つためアイン達は町の入り口を


「よし、それじゃ今度こそ静岡にたどり着くぞ。準備はいいかゲロ助?」


「私はかまわないが…それよりアイン。このまま行くつもりか?正直、私は同じこと繰り返すだけだと思うぞ。何かモンスターへの対策をするべきじゃないのか?」


「その対策としてお前を生き返らせたんだけどな。まさかあそこまで役に立たないとは…。」


「それはその…面目ない。」


 ゲロ助はどこか居心地が悪そうに謝罪の言葉を口にする。それを聞いたアインは諦めたようにため息を吐くのだった。


「まあ…そのあんまり気にすんなよ。なあ、アルトセリアさん。俺の力もうちょっと何とかできないか?力を弱める代わりに魔王軍相手なら力を発揮できるようにとかさ。」


(ごめんなさい無理です。私が力を無理なく使えるのは天上界だけなのです。私たち神々にとって下界は狭すぎます。無理に力を使おうとすれば、この世界に大きな負担が掛かってしまうため、うかつに使うことができないんですよ。)


「そこを何とかできないか?」


(その…アインさんが天上界に上がって来てくれれば、天上界にいる私の本体がアインさんの力を調整できると思うんですが。)


「ほうほう。なるほど。それで天上界に行くにはどうすればいいんだ?」


(その…アインさんが生命活動を停止して頂ければ、魂が天使たちに回収されますので…そうしていただければ。)


「つまり、俺に死ねと。」


「なるほど、それはいい案ですな女神さま。さて、アイン。力を抜け一撃で楽にしてやろう。」

「おい、ゲロ助。手前の尻に刺さっていた棍棒を手にして何をするつもりだ!?やめろ、そんな汚いものを俺に向けるな!」


「抵抗するな。おとなしくしろ。」


(やめてください二人とも!ここは町中ですよ。ダメですゲロ助さんアインさんのズボンを脱がさないでください。)


 アルトセリアの懇願にゲロ助は渋々といった様子で、半脱ぎとなったアインのズボンから手を離した。


「女神さまがそうおっしゃられるのならばしかたありません。命拾いしたなアイン。」


「くそ、覚えていろよゲロ助。とりあえず…俺が死ぬのは最後の手段だ。他の手段を探すぞ。…なあ、アルトセリアさん。ゲロ助みたいに誰か生き返らせるのはどうだ?死んだ奴ならアルトセリアさんも問題なく力を使えるんだろ?」


(それならば問題ありませんが…アインさんいったいどなたを生き返らせるつもりなんですか?)


「…特に当てはないな。アルトセリアさんの方で適当に強そうな奴は生き返らせないか?」


(その…私から見ればどなたも強さに違いがないといいますか…。違いが分からないと言いますか…。)


「神様から見たら俺たちの違いなんて分からないってか。」


(その…ごめんなさい。」

「女神さまあまりお気になさらぬように。所詮は愚かなサルの浅知恵にすぎません。」


「誰がサルだ。それじゃ強い奴が当たるまで適当な誰か生き返らせ続けるのはどうかな?アルトセリアさん。」


(いくら魔王を倒すためとはあまり世界の法則に干渉するのはよくありません。わたしが過度の干渉をしていれば、それをよく思わない神が何らかの行動を起こす恐れがあります。それこそ、下界を滅ぼすような恐ろしい事を。)


「それは確かに不味いな…。魔王を倒せても、今度は神様相手じゃさすがに勘弁してほしいぜ。」


「なあアイン。思ったのだが、ここは女神さまのお力に頼るのではなく。我々で何とかするべきではなかろうか?たとえば冒険者組合に行って仲間を募るとかはどうだ?」


「報酬5万の依頼にか?そんなはした金で誰が仲間になってくれるんだよ。」


「何事も行動して見ないと分からないものだ。意外と物好きな御仁がいるかもしれない。」


「アルトセリアさんの力を当てにするよりはマシってか?まあ、確かにやってきないとわからないか。…それじゃ行ってみようぜゲロ助。」


 アイン達は来た道を引き返し、冒険者組合がある酒場を目指すのであった。



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