その7
そこはどこまでも続くような白い空間であった。
「正義くん」
ぼくを呼ぶ声の方に顔を向ける。
「き、君は!」
そこには、なんと昼間のあの美少女がいた。
「正義くん、あの私、サ・ラミって言います。あのカプセル、自分じゃどうにもできなかったし、開けてくれて本当にありがとうございます」
「いやいやいや、礼なんていいよ」
「いえ、それでは申し訳が立ちません」
そこまで話して僕は気づく。
「あれ、ここどこだ」
僕は、すっかり日が昇り暑くなった自分の部屋のベッドの上にいた。
汗を大量にかいていたのか、顔を擦ると、ベトベトしていた。
時計を見ると、補習の時間はとうに過ぎていた。
だが、今日からお盆休みなので学校には、行かなくてもいい。
でもなんか時計から手を離した時に、糸引いたような…
ああ、不思議な夢だったなぁ。でも、いろんな意味で衝撃な出会いだったし、夢に出てきてもおかしくないかぁ
……
なんかさっきから何かに見られているような気がする。
ふと、僕はなんの気なしに自分の学生カバンの方を見た。
結果から言おう。
そこには普通の勉強机のそばに置かれた、普通の学生カバンから…
肉片がはみ出していた。
「………」
絶句した。
そして、
“こんにちは”
そんな普通の挨拶が、脳内に響いた。