これは全て嘘である
本作はレポート風のフィクションです
訳者注
本文は2015年12月に大隅半島沖の海底から引き揚げられた異星人の宇宙船と称される構造物から発見された物である。
結果、大がかりな捏造が発覚したのは周知の事実である。
以下、添付資料より抜粋
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ウリナラ帝国誕生のきっかけについて
2016年2月26日 田中・アレクサンドル・ボナパルト・一郎
はじめに
偉大な祖国が日帝の支配を脱却し天下を平定したのはひとえにウリナラ民族自身の力である。
それを多くの者が証言している。しかし小日本の倭寇は今も祖国に対して反乱を続けている。
これは小日本を論破するウリナラ民族の戦いの記録である。
1.天下分け目の抗日戦争
偉大なる皇帝が初めてこの世界に降臨されたのは、空母さとるの試験航海で風呂場で遊んでいた時だった。ウォーターラインで省略された模型と違い、さとるは船底まで再現されている。
「敵機直上急降下、グワアアアアン」そう言って尖閣沖海戦を再現していると、滑って顔から風呂に潜ってしまった。
慌てて這い出ると、そこは抗日戦争時代だった。(1)
民国26年7月7日、それは中華民国の歴史に永遠と残る屈辱の日である!
満州国と言う傀儡国家を樹立し野心を剥き出しにした邪悪な日軍は、盧溝橋で国民革命軍の攻撃を受けたと事件を捏造し、77事件が発生した。
「謝罪と賠償を要求するウキィー。誠意を見せろウキキー」
「何が賠償だ、ふざけんじゃねえブヒ! 先に満州から出て行く宜しい!」
すると日軍代表は交渉の場ではキムチや大便を投げつけて来た。
「差別ウキィー、ヘイト発言ウキィー!」と暴れて火病を起こしていた。文明人とは思えない行いだった。
日本人も中国人も互いに理解が足りなかったと言うが、満州を奪い取った悪辣な手腕は無視できない。それに日軍は殺光、燒光、搶光の三光作戦を行っていると工農紅軍も報告していた。
「手掴みで大便を投げつけられただと!? 意味わからないブヒ」報告を受けた蒋中正も驚愕した。大便を投げつける等、蛮族としか言いようがない。
「はい停戦交渉は失敗です」
事態を重く見た国民政府軍事委員会は来るべき戦闘に備えて、装甲部隊の戦力を充実させるべくフランスからルノーFT-17戦車を調達した。又、新編成の八路軍は東進し敵後背を脅かした。(2)
そんな情勢で小日本への警戒が高まる中、南京郊外に正体不明の武装集団が現れた。
見た事も無い戦車や装甲車を装備したその部隊を、国民党軍の兵士が慌てて静止した。
「おい、貴様らはどこの部隊ブヒ。所属を名乗るブヒ!」
指揮官の男は装甲車から降りると、白・ロベルトと名乗った。
「貴様らは日本軍ブヒか、それとも紅軍ブヒか?」
蒋中正にとって共産党は思想的に相容れない存在だった。今は手を組んでいるが、何れは倒すべき敵だ。
「違う、俺達は傭兵ウキィー」
毛澤東の八路軍、共軍では無い事にひとまず安心した。
「客観的視点で歴史を見たウリナラ民国政府は、未来を救うために過去を変えると決断し我々を送り込んだ。我々は未来から君達を救うべく送り込まれた義勇兵と言えるウキィー。ただし無料奉仕ではないから傭兵ウキィー」
「はい?」
ロベルトは半万年の偉大な歴史を持ちアジアの文化を生んだ南ウリナラの子孫で在日50世で、帰化しない誇りを述べていた。彼の部下には倭寇の末裔や中国人さえ居ると言う。
「これは凄い戦車アルな」
「K1A1戦車。搭載する120mm滑空砲のAPFSDS-Tは『この時代』に存在する全ての戦車を撃破可能ウキィー。倭寇も目じゃないウキィー」
他にも最高速度、時速70Kmで走行するK21歩兵戦闘車やK200装甲兵員輸送車、K9 155mm自走榴弾砲、K11複合型小銃等の高性能な兵器を装備していた。
「凄い、凄いブヒ!」
突然現れた強力な装備の軍隊を前に蒋中正は歓喜した。未来とか妄言は無視するとして、傭兵であれば雇う事にした。戦力は幾らあっても困らないからだ。
「ブッヒッヒッ、これさえあれば日本鬼子どもを祖国から追い出してくれるブヒ!」
蔡廷鍇率いる十九路軍が日軍と対峙する上海は風雲急を極めており、ドイツ式機械化師団として訓練されていた第36師団や第87、第88師団が87師団長張治中指揮で第5軍として投入されると戦車隊も分派された。その中には少佐待遇のロベルトが率いる傭兵戦車隊もあった。
「第5軍は紅湾北端の線に展開する。俺達は第61師団に配属されるウキィー」
日軍と中国陸軍を比較した場合、歩兵1個師団の兵員数は日軍が2万に対して中国は1万で半分程で師かなかった。それでも70個師団もの兵力を集中した国軍だったが、さすがは精強な日軍である。10倍戦力差を物ともせずに反撃に転じた。
22日、第88師団第264旅団第527連隊第3大隊の陣地へ攻撃が始まった。264旅団の予備隊を投入したが旅団長、副旅団長負傷する激戦となった。
「アイヤー、日本鬼子がやって来る、逃げるよろし!」
味方の敢闘精神が足りない上に、戦車運用の経験と知識不足が露呈した。
ドイツ軍事顧問団にまんまと嵌められたとも言えた。
「中国兵も日帝も弱虫ウキィー」
ウキィー、ウキィーと笑い声をあげるロベルトの傭兵隊は、61師団副師団長の指揮する第4、第5連隊と共に紅湾西北から出撃した。
MTU社のMb871 Ka-501エンジンが唸りをあげてK1A1戦車は前進した。その後方には各種車輛が追従している。KM256 120mm滑空砲のAPFSDS-T、HEAT-MPは強力な火力として友軍を支援した。
「戦車第2中隊第1小隊の張光宗中尉ブヒ。白隊長の指揮下に入るよう命ぜられたブヒ」
傭兵隊以外の前進は停滞しており、白の下に増援が投入された。
しかし艦砲射撃と航空支援を持つ日軍を相手にしては自慢の陸戦兵器をお手上げだった。(3)
「多少、日本軍に被害を与えても結局、歴史と変わりはないウキィ……」
後にロベルトはその様に述べている。
撤退する国軍を日軍は追撃した。
侵華日軍は戦線不拡大の方針であったが、現地部隊の快進撃によって12月1日、参謀本部は正式に南京占領を命令する事に成った。
この南京防衛戦では10万の国軍が敗れ、軍政部直属装甲連隊第3中隊のドイツ・クルップ製1号軽戦車10輛を全損している。
南京に日軍が投入した戦車は3個戦車隊、94式装甲車約50輛だが、戦車戦で味方が失われた訳ではなかった。
蒼空を悠々と舞うのは日軍の戦乙女達だ。
「敵機来襲ブヒ!」
「うわ、逃げろブヒィ!」
12月8日、現れた敵機は3機。第1小隊の戦車2輛が破壊され、1輛が故障した。
それでも南京防衛に勇戦し日軍を幾度が撃退する戦果をあげている。
12月10日、全線で日軍の攻撃が始まった。南京市外南の中華門方向に第6、第114師団、東の太平門、中山門方向に第9、第16師団が襲いかかった。
南の要所は88師団の守る雨花台、東は玄武湖を背中に紫金山で教導総隊が日軍を迎え撃った。
歩兵戦闘において弾幕による制圧射撃の効果は大きい。K3 5.56mm機関銃は日軍の前進を阻んだ。
「中隊は任務を完遂したブヒ。事後の行動は石關に集結、揚子江北岸へ渡河するブヒ」
12月15日、中華門が突破され撤退命令を受けた。
「中隊長、艀どころか船一隻も見当たらないブヒ」
「ブヒッ、何だとブヒ!」
部下の報告では味方が船を盗んで行ったと言う話だった。
「なんちゅう浅ましさだブヒ……」
やむ無く戦車を破壊し人員だけで引き揚げる事と成った。
軍規が崩壊したのは退却する友軍だけではない。日軍も捕虜を虐殺したり、婦女子を暴行したり抑制が無くなり暴徒と化していた。残虐に屠殺された民衆は30万人以上に昇る。
「戦闘力で劣るとと言っても30万人以上を殺戮するとは、倭寇は凄まじい戦闘力ウキィー」
「本当に弾がよくありましたね」
ロベルト達、傭兵隊は契約期間の終了を告げて一時、帰国をした。
「また戻って来てくれるブヒか?」
「勿論ウキィ。3代まで倭寇を滅ぼすまでウリ達の戦いは終わらないウキィ」
翌年には、ソ連からT26戦車92輛等を調達し、陸軍第200師団(第1149戦車連隊、第1150戦車連隊、第1151歩兵連隊、第1152砲兵連隊(対戦車砲)基幹)が編成された。
初代師団長は装甲兵の父と呼ばれる徐庭瑤將軍であった。(4)
2.傭兵隊の帰還
「ブー、機械化部隊の拡充ですか」
「ブッヒッヒッ、そうブヒ。君に任せるブヒ」
27年11月、徐将軍は第200師団を基幹に新編第22師団、第96師団の3個師団を以て編成される第11軍を預けられた。(5)
28年8月1日、第11軍は第5軍へと呼称が変更された。軍司令官も交代し、徐将軍の後任は杜聿明将軍だった。
宿営地で夕食の支度をしていたロベルト達、傭兵隊の視察に杜聿明将軍がやって来た。
「これから夕食なんですが、閣下もどうですか」
プルコギや焼肉を相伴に預かった。
オイル臭さが食欲を減らし、食べ過ぎずに丁度良い。ダンボール肉まんを食べ終えるとロベルトに尋ねてきた。
「何故、貴官は我々に協力するブヒ?」
「自分の信じる道だからですウキィー」
その後、糞酒で乾杯し別れた。(6)
おわりに
ギャルゲーや萌えアニメとは性交が無いだけのエロスである。小日本は日本と言う国を敗戦で失い、ウリナラ帝国に併合された事実を認めず未だに反乱を続けている。本文を読むことで祖国が神に愛された国で倭寇とは違うと認識して貰いたい。
注
(1)タロー・ヤマダ『女豹野戦1号作戦』(ウン・コ・タベタイナ訳)東京健康食品普及会、2025年、p.211.
(2)同上、pp.115-124.
(3)山田花子『楽園の小隊長』大阪人民革命戦線、2028年、p.1690.
(4)アドルフ・ゲッベルス『卑怯な野良猫軍団』(丸山未珠希訳)、提督戦友会、2017年、p777.
(5)高橋誠治『犯罪者奉仕隊』、尖閣出版、2036年、p.99.
(6)北村雄平『攻撃ヘリ対装甲車』、5航戦追放市民の会愛媛支部、2025年、pp6-666.
参考文献一覧
アドルフ・ゲッベルス『卑怯な野良猫軍団』(丸山未珠希訳)、提督戦友会、2019年
北村雄平『攻撃ヘリ対装甲車』、5航戦追放市民の会愛媛支部、2025年
高橋誠治『犯罪者奉仕隊』、尖閣出版、2036年
タロー・ヤマダ『女豹野戦1号作戦』(ウン・コ・タベタイナ訳)東京健康食品普及会、2025年
山田花子『楽園の小隊長』大阪人民革命戦線、2028年
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訳者注
当然ながら、2016年4月1日現在で未発行の参考文献は存在しない。
1.史実で第十九路軍が上海防衛に投入されたのは第一次上海事変で、民国21年。本文中で民国26年に戦闘が始まっている。
2.南朝鮮の欠陥戦車であってもHEAT-MPでウリナラマンセーの無双が出来ると言うのは、願望か妄想に過ぎない。
以上の点から偽書、偽史を広める為の材料であったと判断出来る。