No.48 女神パンの偉大さ
パンが堕天神となり、グランツオリオンの世界へ降り立った
アイン城へ居候の身となったパン
毎日俺に付き纏い、行動していた
今日は闘技場の視察
アイン
「お〜いっ!ドフ〜!進捗はどうだい?」
闘技場の建設現場でドフを見つけた
ドフ
「おぉ!アイン様!順調だぜ!規模が規模だけに、少し時間は掛かっちまうが、良いもんが出来上がると思うぜ〜」
ドフは図面を眺めながら説明した
パン
「アインよ、見てみー!野生のアパルカがあんなにたくさん居るぞ!」
闘技場建設現場の裏手側の平原を指さしながらパンが喜ぶ
アイン
「あのアパルカさん達は野生じゃないよ!ケットシーさんが放牧してるんだよ!」
アパルカの群れの頭上をふわふわと浮遊しながらアパルカを愛でるケットシーを指さす
パン
「あぁ、不思議ネコ、ケットシーか。」
アイン
「なんだパン、ケットシーさんを知ってるの?」
パン
「まぁ、奴らは妖精だからな。神の従者に近しい存在だ。戦闘を好まず、ケットシーは特に遊牧を好み、動物を愛でる珍しい妖精ではあるな。」
一見、ただの少女の様に見えるパンだが、流石は元女神
博識である
パン
「おいっ!そこの不思議ネコっ!」
パンはツカツカケットシーへ向かい歩き出した
ケットシー
「何だニャ?誰だニャ?」
むにゃむにゃ眠そうにケットシーが振り返った
パン
「不思議ネコ、アパルカの毛並みは美しいな。お前が毛ずくろいしているのか?」
ケットシー
「あんた、神パーン様だニャ?」
パン
「おぉ、お前は賢い部類の不思議ネコのようだな。」
ケットシー
「俺のご先祖さまが昔言ってたニャ。パーン様は神様の中で最も偉大な神様だってニャ」
パン
「お前の先祖は素晴らしい得を持った不思議ネコだったんだな。良かろう。私の眷属にしてやろう。」
ケットシー
「本当にニャ?それはご先祖さまも喜ぶニャ〜」
アイン
「えっ!?良いの!?結構ポンコツ女神だと思うけど!!」
パンがグッと睨んで来た
ケットシー
「お前らブサイクな人族には理解出来ないニャ。頭の中までブサイクだからニャ〜。あらゆる動物に好かれる神こそ、最上位の神様だニャ〜」
パン
「うむうむ!そうだろうそうだろう!」
何故だか、パンはご満悦に大きく頷く
アイン
「良くわかんないけど、2人がそれで良いならいいよw」
パン
「良し決めた!アインよ!ここに我が城を建築せよ!私はこの平原で暮らす事にしたっ!」
「おぉーー!」と目を輝かせながらケットシーが見つめる
アイン
「なんで勝手に決めてんだよ!」
パン
「私は堕天したとて、神だぞ?ここに居る野生動物達は、私の定住を求めておるのが分からぬか?そもそも、こんな自然豊かな島に、勝手に国を立ち上げたのは、アイン、お主であろう?先住の動物達の願いを聞く事も新参者の勤めではないか?」
パンは最もらしい屁理屈を並べる
アイン
「いやいや!この島に転生させたのはパンじゃないか!?俺がこの島が良いって言った訳じゃないし、村から町へ、町から国へ!って指示したのパンじゃないか!?」
パン
「えぇーいっ!うるさいうるさい!さっさと私の家を造るのじゃ!」
アイン
「本当にポンコツ女神だなぁ…分かったよ、ドフに相談してみるよ…」
やれやれである…
再度ドフを見つけ、パンの家の建築を依頼した
ドフは一軒家ぐらいすぐに建てれると2つ返事で快諾してくれたから良かった
王国へ帰り、今日は定例会議だ
ラムセス
「それでは定例会議を始める。」
司会進行は首相であるラムセスが行う
アイン
「それでは!俺から提案っ!」
ラムセス
「なりませぬ。」
既視感のある光景だ
ナポレオン
「なりませぬ。」
アイン
「なんでだよっ!!」
俺は机を強く両手で叩いた
アイン
「パンが堕天した事により、このグランツオリオンはもう平和そのものじゃないかっ!!?」
俺は納得出来なかった
そう。俺は放浪の旅に出たいのだ
水戸黄門のように。
スケさんカクさんの召喚も出来てる
※諸葛亮と関羽の事である※
ナポレオン
「確かに、世界は平和になりました。しかし。世界との調和を保つ為、闘技場と良い共有施設建設にアイン王国の多くの民が汗水流す中、アイン様は放浪の旅ですか?なりませぬ。」
ラムセスとカエサルも頷く
ベリサリウス
「あぁ、アイン様、可哀想に…」
ベリサリウスが同情の目を向ける
アイン
「何の為の国王代理のカエサルなんだよ!何の為の首相ラムセスなんだよ!俺がちょっと旅に出たからって、この国が揺らぐ事なんて無いじゃないか!!」
ラムセス
「あくまでも我らはアイン様の眷属。政治やその時々の判断は出来ますが、国民の心を動かすのは、やはり王であるアイン様なのですぞ。ご自覚下さい。」
ラムセスが諭す
アイン
「ヤダヤダヤダヤダ!」
俺は駄々を捏ねた
パン
「良い大人が。みっともない。」
パンが冷たい視線を向けて来た
アイン
「お前だけには言われたくないっ!!」
俺も負けじとパンを睨み返した
パン
「ほう。私に偉そうな口が聞けるモノだなぁ。この状況を打破出来るのは私だけなのにのぉ〜。知らないんだぁ〜知らないんだぁ〜」
アイン
「えっ?何、何かあるの!??」
パン
「えぇ〜。どーしよーかなぁ〜。アインちゃん。態度悪いしなぁ〜」
挑発的に口を尖らせ、勿体ぶるパン
アイン
「おぉ!我らが信仰の対象で在らせられる大女神パン様!!本日も美しいくございますっ!!!」
パン
「んまぁ。分かれば良いんじゃぞ?分かればなっ!」
アイン
「もちろんです!!ケットシーさんも仰られておりました!パン様は神の中で1番偉大だと!俺もそう思ってます!」
パン
「良い良い!よい心掛けだぞ、アインよ!」
パンは上機嫌になった
チョロい
アイン
「して!大女神パン様!打開策とは!!?」
パン
「アインをこのグランツオリオンに転生させたのは私じゃ。このグランツオリオンにおいて、アインの神はグランツオリオンの神ではなく、私と言う事になる。私が呼び出せば、グランツオリオンのの世界のどこに居ても、アインは私の前へ転送される。」
アイン
「なんだってぇぇぇぇぇ!!聞いたか!!?みんなっ!!」
俺は興奮気味に偉人達の顔を見渡した
アイン
「と言う事は!俺は好きなだけ旅に出れる!何かあれば、パン様が俺を呼び出せば、あら不思議!俺はアイン王国に戻って来れる!これで反対票は無いだろう!!?」
ナポレオン
「…そうなりますね。」
ラムセスもカエサルも頷く
アイン
「よっしゃゃゃゃゃあぁぁぁーっ!」
俺は大袈裟にガッツポーズをした
ジャンヌ
「それじゃあ、私も旅に着いて行こうかしらね。」
ボソッと一言、ジャンヌが呟いた
リン
「そんなのずるい!!私だって着いて行くわよ!!」
ゴブ
「それを言うなら、俺も着いて行くぜ!!」
アイン
「待て待て!そんな事言い始めたら、大所帯になっちゃうじゃないか!!俺はこのグランツオリオンの世界を知りたいだけなんだよ!」
ジャンヌ
「あらあら。皆さんはアイン様から役職を頂き、お仕事があるでしょ?私には無いわ?と言う事は、私はアイン様の旅に帯同しても、何も問題無いって事でしょ?」
リン「……クソっ」
リンが本気で悔しがる
ネフスキー
「そうなれば、俺も帯同出来るって事だな」
ネフスキーもボソッと呟いた
アイン
「あぁ!ネフスキーとスキピオには仕事を出す予定だったんだよ。ネフスキーは闘技場の最高責任者を。スキピオには闘技場とそれに続く街道とその周辺の統治を任せようと思ってたんだ。闘技場の規模も相当なモノになるし、その街道だって、そんじょそこらの町なんてレベルじゃ無くなるはずなんだよなぁ。」
スキピオ
「我らはアイン様に召喚されし者。アイン様から頂戴した使命は真っ当しますぞ。」
アイン
「後出しみたいなってしまってごめんね(汗)でも、この闘技場の話が出た時からそう考えてたんだぁ。」
ジャンヌ
「良し、私も旅の支度をしなくっちゃ!」
リンとゴブの舌打ちが響き渡り、定例会議は終了した




