No.47 堕天神パン
アシュタール王との緊急会談が終わり数日
アイン
「うぅん…朝か…まだ眠たいなぁ。昨日もナポレオンに剣の鍛錬付けて貰ったから寝たりないや…」
あれから、毎日の鍛錬を怠らず、闘技場への視察も欠かさずしている
「すぴー。すぴー。」
俺のベッドから、俺のモノとは違う寝息が漏れる
アイン
「!?誰だよっ!」
ガバッと掛け布団を捲り上げると、そこには小さな女性が、とても健やかな寝顔で寝息を立てていた
アイン
「おいっ!あんた!どこから入って来たんだよっ!?」
俺はその女性の肩を揺らしながら起こした
???
「んだよぉ。もう朝…?」
目をゴシゴシ擦りながら目を覚まし、上半身を起こした
アイン
「朝?じゃないよっ!あんた誰だよ!?どうやってここに入ったんだよ!?」
???
「あぁ、アインか。私はパンだ。眠いからもう少し寝たいのだが…」
アイン
「なんで俺の名前知ってんだよ!?いや、俺はこっちの世界では有名人だからか…!いや違う!パン!?誰だよっっ」
パン
「なんだ。お前を転生してやった偉大な女神様を忘れたか!敬え!」
急に偉そうな態度を取る女神
アイン
「あんたかよっ!堕天されて、堕天神だろ!?なにやってだよ!こっちは大変だったんだからなっ!」
パン
「間違ってしまったモノはしょうがないじゃないか!たらふくお酒を飲み、機嫌良く眠ってたところに急にアインが来て、転生先を間違っただけじゃ!それを色んな神々は目くじら立てて怒りおって!神なら寛大な心を持てと言うもんじゃっ!そもそも、そんな時に1人で棺を開け、私の前に急に現れたアインも悪い!」
アイン
「なんでオレが悪いになんだよっ!神としての仕事サボって、酒飲んで寝て、仕事ミスったのはあんただろ!?」
パン
「うるさいうるさい!」
駄々っ子のように首を振る女神パン
アイン
「女神様さぁ、これからどうすんの?」
パン
「ん?普通にアインに養って貰うぞ?1000年間。」
アイン
「えっ?なんで?ってか、俺1000年も生きれんの??」
パン
「お前を転生してやったのは私だろ?じゃあ、私はアインの親みたいな者だな?親を養うのは、子として当然の摂理ではないか?んで、お前は気づいおらぬと思うが、アフュタールやビアネッツァ同様、お前の持つアルティメットスキルは《黄泉がえり》だぞ?」
アイン
「俺にも固有のアルティメットスキルあったんかぁぁぁぁーーーーいっ!!」
パン
「転生させる時、伝えなかったか?」
アイン
「伝えてねーよっ!めっちゃ早口でチュートリアル説明して、頑張ってね!ご武運を!とか言って早々に転生させたじゃねーかよっ!」
パン
「そうだっけ?少しお酒残ってたんだろうね。あまり覚えてないやっ!てへ!」
アイン
「てへ!じゃねーよっっ!しかも、アイテムボックスの事も知らなかったし!何が綺麗な家1軒だよ!何が初期食料1ヶ月分だよ!未だにアイテムボックスに残ってるわ!」
パン
「なんと!あの初期プレゼントの家はね!出しても、またアイテムボックスに再収納出来ちゃうんだよ!」
アイン
「すげぇぇぇぇーーーっ!超便利じゃん!!!」
パン
「でしょ!!ほらっ!めっちゃ良い女神じゃん、私!!」
アイン
「いや、冷静に考えて、超ポンコツだよ?はぁ、疲れる。取りあえず、どうしよ。困ったなぁ。」
パン
「腹が減っては戦は出来ぬっ!朝食にしよう!」
アイン
「そうだね…はぁ…」
調子を狂わされる女神様だ…
朝食のテーブルを囲い、偉人達が次々着席する
偉人達は何故だか緊張している
アイン
「あぁ、みんなご存知の通り、ダメな女神様こと、パンだよ。仲良くね。」
カエサル
「申し上げ難いのですが…」
ひとつ間を置き
カエサル
「神 パーン様では…?」
アイン
「俺は宗教の話はあまり詳しく無いよ?」
パン
「そうじゃぞ。お前達の多くが暮らした、ローマ、ギリシャではそれなりに崇拝の念を預かった神パーンじゃ。」
パンが当たり前のように言った
スキピオ
「…伝承では、男性の神だとばかり思っておりました…」
パン
「うむ。元々は男性の形をしとった事もあったの!でも、どっちでもいいのじゃ!今は女性の気分じゃから、この数千年、女神をやっとる!」
アイン
「そんなもんなの?」
パン
「そんなもんじゃ!神に男だの女だの。私はめんどくさいと思っておるw」
アイン
「ねぇ、パンってどんな神様だったの?」
パン
「それはそれは偉大な神じゃ!もちろん!」
ベリサリウス
「伝承では、放牧の神だと言われておりました。本当に諸説あり、信仰する者の自由な解釈で大丈夫だと思います。あと、「パニック」の語源になったとも伝わっております。」
パン
「誰がおっちょこちょいじゃ!失礼なっ!」
アイン
「おっちょこちょいだから、転生間違うんでしょーにっ!?「パニック」って言葉の語源になったってのも納得だわ!しかし、動物好きな神か!あとで、一緒にアパルカさんの餌やりに行こうね!」
パン
「良いぞ!」
カエサル
「まさか転生召喚され、伝承にある神とお会い出来る日が来るとは…」
召喚された偉人の多くがパンの事を神として認識していた事もあり、パンはアイン王国で預かる事となった
ナポレオンが中央大陸から順に各大国を周り、パンの存在が周知の事実となった
朝食が終わり。パンとアパルカさんの餌やりに向かった
何故だか、パンはアパルカさんから大人気だ
流石、放牧の神と伝えられるだけの事はあった
素直に羨ましく。悔しい日になった
そう、俺はアパルカさんが大好きだ




