No.44 評議会と未来
翌日、俺達はグランツオリオン評議会の為に中央大陸へ向かった
中央大陸首都カガンセッツ
王宮会議室
アフュタール
「みなが無事に集まれた事を嬉しく思う。それでは、評議会を開催する。」
いつも通り、落ち着いたトーンで会議の進行をするアフュタール王
俺は、祠へ潜り、階層を進んだ事
ボスに出くわした事
転移され、邪神に出会った事
俺達が邪神に出会ったと同時刻に各大陸で魔物が祠から発生した事
を、話した
アフュタール
「して。アインが出会った邪神とは?」
アイン
「俺が出会ったのは、憤怒の邪神ドドルーダと名乗っていたよ。2本のツノが生え、赤黒い肌をした神だった。アルティメットスキル《憤怒》を発動した瞬間、怒りの感情が制御不能になった感覚があったかな…」
ビアネッツァ
「妾の前に現れた嫉妬の邪神ディアンビも、アルティメットスキル《嫉妬》を発動した瞬間、妾の兵達も嫉妬心を煽られ、小競り合いを始めおったな。精神干渉系のアルティメットスキルか?」
リューショー
「我が前に現れた色欲の邪神ジュリアは、アルティメットスキル《色慾》を発動したが、何も起こらなかったぞ?」
アラム
「我ら中央大陸に現れた、怠惰の邪神アバンが唱えたアルティメットスキル《怠惰》も何も起こりませんでした。周りの兵達にもこれと言って変化はございませんでしたし…」
グリンシュアー
「俺の所へ現れた強欲の邪神アバンは、アルティメットスキルを使っても意味無い。と言っていたぞ?なんでも「お前たちは欲が少ない」と漏らしていた。って事はやはり、精神干渉系アルティメットスキルの可能性も高いな。」
ソドグ
「ワシの前に現れた、暴食の邪神グラグラのアルティメットスキルは、10本の口を持った触手の様なモノを出して来た。そう考えると、一概に精神干渉系とは言いづらいのぉ。精神干渉系のアルティメットスキル保有神が存在する事も事実だろうが、固定概念に囚われない事が大事やもしれんな。」
アイン
「俺は…」
俺は1つ息を飲んだ
アイン
「俺は、間違ってこのグランツオリオンの世界に転生されてしまったようだ。俺が居なければ、こんな事態にはなってないと思う」
俺は、前にモニターで見た
《ログアウト(死亡)》
を思い浮かべていた
アイン
「俺が、このグランツオリオンの世界から消えれば、もしかしたら問題は解決するのかもしれない。そして……俺は自分の存在をこのグランツオリオンから消し去る方法を知っているんだ…」
評議会の会場は静寂に包まれた
俺には、この静寂の時間がとてつもなく長い時間に感じた
グリンシュアー
「何言ってんだてめぇ?」
竜人族族長のグリンシュアーが静寂を破った
グリンシュアー
「まず、良く考えろよ?神が神のルールを破っただけの話じゃねーか?それで俺達グランツオリオンの世界の民に何が関係ある?良い迷惑だぜ。神が喧嘩売って来るなら、買うだけだろ?」
ビアネッツァ
「竜人族もたまにはいい事を言うではないか。妾も同意見じゃのぉ。まぁ、妾は死ねぬゆえ、神からの喧嘩を買おうが買うまいが、妾の存在は何も変わらぬがのぉ。」
ソドグ
「グリンシュアーの言い分にも一理あるな。喧嘩を買う買わないの話では無いのかもしれぬが、神達が定めたルール。そのとばっちりを受けるばかりなのは、少し納得が行かぬな。そして、その責任をアイン殿が1人で抱える事も、納得が行かぬ。どんな形であれ、アイン殿は既にこのグランツオリオンの一員である事は覆らぬよ。」
アイン
「…ありがとう」
俺はみんなに仲間だと思って貰えてたって事が嬉しかった
アフュタール
「そうじゃのぉ。考えても、中々これと言った答えが見つからぬ。ソドグが言う通り、アインが1人で抱える問題とも違うと思う。如何なる場合も想定して、各大陸、兵を鍛えるべき時かもな。助け合う為の、兵力強化じゃ。」
リューショー
「我が王国は元々強い!これではもっと強くなってしまうなっ!」
リューショーが調子よく言い、横でガンゼッツ法王が深く頷く
諸葛亮
「先日、アイン王国で少し話しが上がったのですが。」
俺の後ろに立っていた諸葛亮が半歩前へ出て話し始めた
諸葛亮
「各王国で、もちろん中小国も含めて、武道大会など開いては如何でしょうか?国同士の結束も高まるでしょうし、向上心も上がるでしょう。アルティメットスキル保有者の部、武人の部、魔導の部、一般の部など、能力に応じて開催など如何でしょうか?」
グリンシュアー
「面白そうだなっ!」
ソドグ
「うむ。いい機会かも知れぬな。」
ビアネッツァ
「なかなか面白い提案をするよな。妾の大陸の平和ボケした兵達にも良い刺激になるやも知れぬな。」
満場一致で武道大会は決定した
開催地は、言い出しっぺのアイン王国王都横の平原に建設する事となった
評議会が終わり、俺はアイン王国すぐ横の平原に1人たたずんでいた
ケットシー
「なんだブサイク。久しぶりだニャ。」
アイン王国がある島の先住人、最強の防御力を持つと言われる
ケットシーが声を掛けて来た
アイン
「ケットシーさん、久しぶりだね!あのね。この平原に闘技場を作る事になったんだ。」
ケットシー
「勝手にすれば良いニャ。」
ふわふわと空中を漂いながらケットシーが言う
アイン
「でも、元々この島はケットシーさんのナワバリで、アパルカさん達の餌場でしょ?」
ケットシー
「ナワバリとか良く分からないニャ。アパルカはこの島の草しか食べないニャ。俺は元々妖精ニャ。生まれた時からこの島に居るニャ。ナワバリとかあまり考えた事ないニャ。俺より強い奴にあまり出会った事がないってぐらいニャ。」
ふわふわ、あくびをしながら答えた
アイン
「闘技場の建築が完了すれば、そこで働く人達もこの平原に多く住むと思う。だから、俺の王国から民を雇い、この平原の自然を守る活動をする仕事を王国としてやって行くよ!」
ケットシー
「アパルカが静かに平和に暮らせたらなんでも良いニャア〜。またなブサイク、俺はアパルカ達とお昼寝の時間ニャ〜」
アパルカさんを我がアイン王国の国獣としよう
そう誓った
そう、俺はポジティブである




