No.30 国交樹立の後編
北東大陸首都カンカン
ナポレオンは外交の為に訪れていた
皇城にて
ソドグ
「ナポレオンよ。よく参ってくれた。」
漆黒の鎧を着たソドグが来賓館でナポレオンをもてなす
ナポレオン
「この度は、アイン王国への飛空艇貸し出し、感謝する。」
ソドグ
「国交樹立でよいな?」
ナポレオン
「もちろん。こちら側から願い出たいと思っていた程だ。飛空艇建築技術等、多岐に渡り国交させて頂ければと思っている。」
ソドグ
「して。アイン殿はなんと申しておった?」
ナポレオン
「アイン様は悩まれておられました。グランツオリオンの均衡を破るべきではない。そう仰っておられました。その為、どこの大国とも国交を結ばない。と言う選択肢もあったようです。しかし、やはりアイン様はグランツオリオンの文化や人を学びたいのでしょう。全ての大国に大使館を置き、外遊なさるおつもりかと。」
終盤、ナポレオンは笑顔でそう答えた
ソドグ
「アイン殿らしい。無欲よの。」
ナポレオン
「ある意味、強欲ですね。」
2人は笑いあった
北東大陸はアイン王国と1番近く、良い関係構築が望めそうだ
同時刻、南西大陸王都リュウアン
ラムセスはリューショー王と外交をスタートさせていた
リューショー
「我が南西大陸では、アルティメットスキルを一子相伝で継承出来る、特殊な一族ぞ。お主のアルティメットスキルはなんだ?」
ラムセス
「お答えかねます。」
リューショー
「ケチケチせぬでも良いじゃないか!のぉ、ガンゼッツ法王よ!」
リューショー王の横にはガンゼッツ法王が座っていた
ガンゼッツ
「我が国にでは、多くの民が幸せに暮らしておる。農業生産による、輸出入、信仰の自由。とりわけ、私が法王を務める、ルイアット教は多くの信徒が信仰しておる。」
ローブを身にまとい、いやらしい顔の、なんとも胡散臭い法王だ
ラムセス
「して、書簡を頂き、参じましたが、どのような?」
リューショー
「本当は、アイン殿とお話がしたかったのですが、まぁ、ラムセス殿でも問題ないだろう!国交樹立して頂きたの!」
ラムセス
「アイン王国としては、問題ありません。大使館の建設は、各々で。それで問題ありませぬか?」
リューショー
「問題ない!我が国最高の職人をアイン王国へ向かわせるとしようかの!ところで。」
ラムセス
「まだ他に?」
リューショー
「ラムセス殿は、我が国で重要なポストを与える故、移民なさる気はないか?富も栄誉も名声も。望むモノ全てを用意するが?」
ラムセス
「有難いお話。しかし、お断りさせて頂きます。」
リューショー
「ダメかの…どうすれば、我が国の為に働いてくれる?」
ラムセス
「アイン様以外に仕えるつもりはありません。多分、我が国でアイン様より、役どころを預かる者全てが、私と同じ返答をすると思われますのぉ。」
リューショー
「そんなに、アイン殿は凄いお方か?そうは見えぬがの。」
ラムセス
「ある意味、凄いお方ですよ。無欲にして強欲。アイン様はご自身に関わるモノを何も求められません。地位も名誉も、金銀財宝ですら。国造りにも、正直興味があるのか無いのか。毎日、国民と触れ合い。アパルカのお世話をし、お休みの日には、ドワーフ族の所へ行き、深夜までこの世界の事を勉強なさる。」
リューショー
「無能ではないか。」
ラムセス
「そう捉えられても、仕方ないかもしれませんの。だから、我々、役どころが存在しているのだと。我は思います。アイン様が生きたいように、不自由なく生活出来るように、我らはお支えするだけです。我らはその為だけに存在します。政治が苦手なアイン様に代わり政治役を。戦闘がお嫌いなアイン様の代わりに元帥が。手となり足となり、頭脳となりましょう。それで良いのです。」
リューショー
「ワシには分からぬな。何が良いのか、さっぱり。」
こうして南西大陸も無事、国交が樹立されたのであった
その頃、アイン王国では、島に住む多種多様な種族が、人民権を得ようと入国審査に長蛇の列を作っていた。
最後に北西大陸へ向かったカエサル
北西大陸竜人族の里 キリュウ
グリンシュアー
「なんだ。おたくの王を呼びつけたつもりだったが、代理か?偉そうに。」
10名程の竜人族に、リザードンマン達がカエサルを囲む
竜人族
「兄者、こいつだよ。土龍をやったのは!ぶっ殺してやりてぇ!」
先日、アイン王国へ攻め込んで来た竜人族の男が言った
グリンシュアー
「ほう。我が弟、ギリンシュアがお世話になったそうだな。」
カエサル
「貴殿の弟であったか。命拾いして良かったな。アイン様が見逃さ無ければ、骨すら残っておらなかったな。」
眉ひとつ動かさずカエサルは言った
ギリンシュア
「なんだとてめぇっ!!」
カエサル
「事実ではないか?アイン様より弱いワシが相手してあのザマだ。お相手がアイン様じゃなくて、良かったではないか?」
ギリンシュア
「…てめぇ!」
グリンシュアー
「辞めろ。弟よ。」
ギリンシュア
「…くっ!」
怒り狂った表情で部屋を出て行った
グリンシュアー
「カエサルとか言ったか?土龍をどのようにして討ち倒した?」
カエサル
「我のアルティメットスキルで拘束し、クレオパトラのアルティメットスキルで喰った。それだけだ。」
グリンシュアー
「お前は拘束系のアルティメットスキルか?女の方は2体の蛇を顕現させたと報告を受けている。」
カエサル
「クレオパトラのアルティメットスキルはその通りじゃな。我のアルティメットスキルはハズレじゃ。まぁ、教えてやる義理もないので、言わぬが。ワシにはなんでも出来る。なんでも。の。」
グリンシュアー
「偉い自信だな、てめぇ」
カエサル
「聞くところによると。このグランツオリオンの世界では、竜種が最大攻撃力を持っているとかいないとか。ワシにはよく分からぬが。でも。我らの相手ではない。」
グリンシュアー
「喧嘩売ってる。そう捉えて良いのか?」
カエサル
「どう捉えられても構わない。先に我がアイン王国へ侵攻をしたのも貴国。今日、この会合で、先に喧嘩腰で対応してきたのも、貴国。この事実は何も変わらぬ。ワシは事実に従い、行動しているだけだが?」
グリンシュアー
「もっともな言い分だ。筋が通っている。」
グリンシュアーは案外、まともな族長なのかもしれない
カエサル
「うむ。」
グリンシュアー
「質問していいか?」
カエサル
「なんでもお答えしようぞ。」
グリンシュアー
「てめぇん所の王は、何を狙ってやがる?大陸領土か?それもと、世界征服か?」
カエサル
「はっはっはっ!!」
カエサルは大口を開け笑った
グリンシュアー
「何がおかしい?こっちは真面目な質問をしている!」
カエサル
「そんなの。我々が知りたいですのぉ。我が王は無欲なのです。無欲と言うより。興味が無い。が正しい表現かと。」
グリンシュアー
「興味がない?どういう事だ?」
カエサル
「我が王は、政治は苦手。戦闘も苦手。統治する気は無い。ただ助けを求めて来た民を助けてたら、こんなに増えてた。位にしか考えておらん。戦闘は苦手じゃが、現在、アイン様おひとりで7つのアルティメットスキルを保有されておられます。」
グリンシュアー
「…増えてやがる。」
カエサル
「これからも増えるとワシは予想しますの。」
グリンシュアー
「…ありえねぇ。」
カエサル
「同感ですじゃ。」
グリンシュアー
「もしも、お前たちの国がこのグランツオリオンの世界を手に入れようと思うと。どれだけの損失をお前たちは被る?」
カエサル
「1日」
グリンシュアー
「ん?どういう事だ?」
カエサル
「1日と言う「時間」を失いますかのぉ。1日あれば、このグランツオリオンの全ての民を消す事が出来ましょうのぉ。」
グリンシュアー
「バグってやがるな。お前たち…」
カエサル
「同感ですじゃ。」
グリンシュアー
「先に貴国へ侵攻した件と、弟の件は、我が代表して謝罪する。国交の樹立をお願いしたい」
カエサル
「構わぬよ。アイン様は、もしかすると、侵攻された事すら、既に忘れて居られるかもしれんがの。これにて、お互いの国の為に、協力出来る事は今後協力して行こうではないか。」
グリンシュアー
「よろしく頼む。」
こうして、全ての大陸、大国との国交は樹立されたのであった




