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第11話

さあどうしよう。


魔石の証拠もリリのお父さんの証拠もブラウン王国の王宮内にあるという。


その王宮に入るためには3000の兵士と第1王子が立ちはだかると予想される。


エクレアたちを強行突破に使えば通れるだろう。


しかしそんなことをすれば兵士を殺してしまうことになるが、僕は罪もない兵士をいたずらに傷つけるとことをしたくない。


できれば同じ人族の兵士で足止めをしつつ、その隙に王宮へ侵入するという方法をとりたいと考えている。


しかし、被害を最小限にしつつ足止めをするなら最低でも同数の3000から4000は必要だろう。


僕は、簡易テントから王宮を睨みつつ作戦を考えることにした。



あれから数時間が経った。


しかし、時間がたっていくばかりでいい案がでない。


王宮を遠目から見ていると王宮の様子が尋常な雰囲気ではない。


エクレアの言う通り、すでに第1王子によって第2王子が殺され王宮内は混乱しているのだろう。


剣聖である第1王子が王や大臣をとらえたのも、自分の権力を確立するためにクーデターを起こそうとしているからだと思われる。


どうしようもなく焦っていたそのとき、地平線の向こう側からアイボリー色の旗をかかげる集団が前進してくるのが見えた。


あれは軍だろうか。


軍ならアイボリー王国軍か。数はおよそ500程度。


静観しているとやはり、アイボリー王国軍であった。


アイボリー王国軍500がブラウン王国の王宮付近まで接近して、戦闘にそなえ、陣を組み始めた。


僕はこんな偶然があるのかと思って見ていると、アイボリー王国軍の先頭にはあのシャトルーズ・ベージュ公爵令嬢がいたのだ。


そして僕に向かって手を振っている!!


それだけではない。


今度は淡い赤紫色の旗をかかげた軍がこちらに前進してくるのがみえた。数はさきほど同様500程度。


今度はどこだろう。赤紫色だからピオニー、ピオニー商業国軍か!!


ということはあのときの第一王子が派遣したのか??


こんなに義理堅いと思わなかった。


さらに、別の前進してくる軍がみえた。


今度は白銀色の旗をかかげながら前進している。白銀色はプラチナ帝国軍だが、まさか魔法騎士団ではないよな。


やはり魔法騎士団ではない。なんなら正規軍でもないようだ。


んん、傭兵団か。


もちろんありがたいが。


その傭兵団を率いるのはまさかの第2皇子ジェード・プラチアーナ殿下。それに隣でナスが手を振っている。


まさか僕のために駆けつけてくれたのか。数は1000。


これで合計で2000だ。


あとで彼らに聞いたところ、武器防具を装備してこなかったので許可を待たずこれだけの人数を動かすことができたらしい。


しかし、今の彼らは装備はしっかり身に付けてある。


よくこれだけ準備ができたなあ。


そう感心していると、装備に関しては、中央平原随一の規模を誇るラズベリー商会が用意したのだとあとでエクレアから教えてもらった。


あのカレン・ラズベリーと恋人のオルディアンがラズベリー商会を動かし、急遽2000人分もの兵士の装備を整えたんだそうだ。


続けて様子をみていると、さらに奇跡が起きた。


王宮前に陣を展開していたブラウン王国の軍に変化がおきたのだ。


一部の部隊が急に離脱してバラバラとこちらに向かってくるのである。


僕は、「これは攻撃を仕掛けてきた感じじゃないな」と判断した。


よく見ると、先頭にいる人が先導して王国軍から兵士を引っ張っている。


その先導している人をよ~く見ると、あのベゴニア侯爵家の当主とその令嬢パステル・ベゴニアだったのだ!!!


2人が危険な戦場の中で一部の部隊を先導してくれ、僕たちの味方である2000に合流させてくれた。


これによって味方は2000だったが、離脱合流した兵がおよそ500ほどでこちらは2500になった。


相手は離脱した分が減って実質2500となり、数の上ではほぼ互角になった。


(作者に代わってエクレアからの一言メモ)◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ご都合主義な展開ですが、すべてわたくしが裏で手を回しました。


具体的にはそれぞれの関係者に通信魔法で連絡をとりご主人様が兵を必要としていることを伝え指定の場所へ連れてくるように要請したのです。


まあ、難色を示したピオニーの王子には催眠洗脳魔法をかけましたが・・・・・・


◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 


僕は今、猛烈に感動している。


魔法学園時代に依頼を受けたときは、依頼だけの冷めた関係だと思っていた。しかし依頼人たちはそう思ってなかったのだ。


依頼人たちが僕に対して感謝していると言ってきた言葉は嘘ではなく、本当でありそれを行動で示してくれたんだ。


僕は以前、貴族から受けた仕打ちのせいで貴族に失望していた。


しかし、それは間違いだったことに気づいた。そして心から


「みんなありがとーーーーーー!!」


感謝の言葉を大声で叫んだ。


多分聞こえていないだろうが、シャトルーズ・ベージュ公爵令嬢、ジェード・プラチアーナ第二皇子、そして、パステル・ベゴニア侯爵令嬢は笑顔で僕のほうを向いている。


さあ、ここからが勝負の始まりだ。


お互い同数の2500。そしてこちらの軍を率いる将は2人いる。


アカエール様とマホガニー様の両将だ。この2人は大陸でも十本の指に入るだろう。


「アカエール様、マホガニー様、後は任せました!!」


「おう、任された。ここは大丈夫だ。わぬしはわぬしの戦いの場へ行けい!」


とマホガニー様が答え、アカエール様も笑顔で送り出してくれる。


ちょうどそのとき、2500の兵が示し合わせたかように掲げていた旗を取り換えた。


新しく持ち替えた旗は緑色だ。緑の旗に掲げなおした。


なぜ緑??


疑問におもったが、アカエール様がその疑問に答えてくれた。


「ウハハハハ、なるほどな。これは傑作だ。率いる将は俺たちだが、兵士たちが戦うのはあくまでお前のためだ。だから総大将はおまえだよ、グリーン。お前が総大将でその名前の色を掲げたと言うわけだ」


「あ、そうか、僕の名前のグリーンに合わせたのか」


そう、僕の名前はグリーン・・・・・・・・・え、初めて聞いた?


そういえば今まで名乗ってなかった気がする。


とりあえず、僕の名前のグリーンに合わせて緑の旗を掲げた。


つまり、僕グリーンのために戦うのだと表明してくれたのだ。


よし、これでこころおきなく、ブラウン王国の王宮に乗り込むことができるぞ。



王宮前に陣を構えていた2500の兵士に対して緑の旗をかかげたグリーン軍がむかっていく。


軍同士の戦いを膠着状態にもっていき、みなの意識が軍に集中したころを見計らって王宮に乗り込むタイミングをつかめばいい。


さあ、いよいよブラウン王国の悪事を止めに入るぞ!


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