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第7話


いま、僕は場違いなメンバーに囲まれている。


あの伝説の勇者様とその仲間が目の前にいるのだ。


それだけでなくシルバー王国の第二将のアカエール様、神聖ゴールド聖教国の聖教六武威の一人であるマホガニー様、とそうそうたるメンバーが集まって話をしているのだ。


勇者様の仲間とは、一人目はあのパンジー・マリーゴールド。プラチナ帝国トップクラスの魔法使いだ。


なんでも勇者様の運命の仲間なんだとか。聞いた時はとてもびっくりした。


二人目はとても綺麗なエルフの弓騎士。強力な弓術と上級の土属性魔法を使いこなす。


なぜ、僕が勇者様たちと会っているかというと、あのあとアカエール様がパンジー・マリーゴールドと合流しようと提案したからだ。


彼女に連絡すると、勇者様が一緒についてきたと言うわけ。


いつの間にか彼女が勇者様の仲間になっていたのだ。


まああれだけ強力な魔法を使うんだから勇者様の仲間であっても不思議ではないよね。


そしてさすが勇者様だ。


僕たちが欲しい情報を持っていた。その情報を教えてくれたのはシルバー王国の託宣の巫女様だとか。


もちろんアカエール様も託宣の巫女様のことは知っている。


なぜならアカエール様も探し人の情報が欲しくて託宣をきき、託宣に従って僕の手助けをしているからね。


その託宣の巫女様が言うには、


「プラチナ帝国で仲間を見つけたら、今度はブラウン王国にいる大賢者にあい、勇者の真の力をさずけてもらいなさい」


というものだった。


大賢者という存在も半ば伝説になっている。


大賢者さまに知らないことは無いと言われており、龍族と並んで創造神様に近い存在だと言える。


アカエール様とマホガニー様はこの大賢者様にあえばブラウン王国の魔石の件について首謀者が誰か詳しく聞けるのではないかと話をしていた。


なので勇者様と一緒に大賢者様に会いに行こうと言うことになったのだ。もちろん僕は賛成だ。


マホガニー様が勇者様に、


「それがし、神聖ゴールド聖教国の龍族でマホガニーというもの。ぜひお見知りおきを。実態は龍だがいまは人間化してこのような姿でいる」


「して、勇者どのにお聞きしたいのだが、その大賢者どのという方はこちらの質問に答えてくれる方であろうか?」


アカエール様も割り込んできて、


「実は、我々はブラウン王国の魔石について調査をしている。いまはその調査が行き詰っており手掛かりがほしいところなのだ。そこへ大賢者様の存在を聞いたので、お力をお借りしたいと考えているのだが」


しかし、さらにそれをさえぎるように、マホガニー様は別の話を始めた。


「実はもう一つ聞きたいことがある。それはある人の居場所なのだ。もうかれこれ5年になるだろうか。それがしはずっと探している」


僕はこれを聞いて少し違和感を感じた。


「聖教六武威」のマホガニー様も人探し?それも5年。この年はアカエール様も同じだった。


そのとき、スススッと前に出てパンジー・マリーゴールドも言った。


「それを言うなら私だって人を探しているわ。もうプラチナ帝国から消えて5年になるわ。いまごろあの方はどうしているのかしら」


3人が3人とも人を探していると言う。


しかしお互いにそれ以上口を閉ざし、しばし静寂が訪れたのだ。


その暗くなった雰囲気をかき消すように勇者様は、


「人探しが見つかるかどうかはわかりません。ただ、大賢者様から色々話が聞けると思いますよ。託宣の巫女様の話ぶりでは大賢者様はそれほど気難しい方ではないようです」


と明るい笑顔で答えた。


さすが、勇者様。場の雰囲気が明るくなったような気がする。


3人とも話を聞いて少しは元気になればいいなあ。


こうして、ブラウン王国の辺境にあるという大賢者様の住処へ僕たちは行くことになった。


地図を見るとブラウン王国はプラチナ帝国と神聖ゴールド聖教国に挟まれている。


だから神聖ゴールド聖教国に侵入してこっそり魔族をさらうという悪事ができたのかもしれない。


大賢者の住処と思われる場所はブラウン王国の領土内と言っても限りなく神聖ゴールド聖教国に近い場所にある。


そして通常の手段ではいけない場所にあった。


勇者の魔力に反応し霧が晴れ、いままでなかったはずの場所から道が現れたのだ。


おそらく勇者様に同行していなければたどり着けなかったのではないか。


道を歩いていくと遠くのほうから小さい庵が見えてきた。


庵の前には一人の人物が立っていた。


だがその人物は帽子を深くかぶっており顔は見えない。


しかし聞こえてくる声はは女性のようだった。


「これはこれは珍しい。何百年ぶりのお客様だろうかねぇ。こんなところまでようこそぉ。勇者どの」


「ここへ来るには特殊な魔力を持っていなけば来れないようになっているでな。それこそ伝説の勇者様だとかねぇ」


声は若く聞こえるが、言い方は老婆のようだがわざとらしくも聞こえる。


その老婆らしき人物をみて真っ先に声をあげたのはアカエール様だった。


「あなたが大賢者様ですか。私は勇者ではないのですが、どうか質問に答えていただきたい」


その老婆らしき人物はゆっくりとアカエール様のほうをみてうなづいた。


「私には5年間探し続けている方がいる。その方がどこにいるか教えていただきたいのです」


すこし、アカエール様は声を詰まらせた。泣いているのかもしれない。


「その方の名は。名は、大将軍シェーラ様。大将軍シェーラ様がいまどこにいるのか。可能ならばお会いしたいのだ。どうか教えてほしい」


それに勢いづいたのか、パンジー・マリーゴールドも泣くような声で叫んだ。


「それを言うなら私もよ。私も大魔導士イオニーア様にお会いしたいわ」


と手で顔を覆って泣き出してしまった。


しかし、だれも声をかけなかった。そしてさらにはマホガニー様まで、


「それがしも同様だ。我が国の大英雄であるホーネント様を探している。大賢者どのならばホーネント様の居所を教えてくれるやもと思い訪ねて参った。可能ならば一目だけでも大宰相ホーネント様にお目にかかりたいのだ・・・・・」


僕はそれを聞いて、思わずつぶやいた。


「シェラにイオニアにホーネット?」


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