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第13話


あれからパステル嬢とは休日にご飯を食べに行く仲になった。


もちろん2人きりじゃない、お互いの友人を連れて。


僕はナスを連れてくる。


パステル嬢はブラウン王国の友人と魔法学園で新しく知り合った友人を連れてくる。


パステル嬢はあまり貴族ぶらない性格だった。


平民に対しても優しく接してくれる。連れてくる友人も同様だ。


ブラウン王国もそれほど大きくない国なのでそういう貴族と平民の距離が近いのかもしれない。


以前住んでいたブルー王国もそこまで貴族が平民にひどい態度をとっていたことはなかった。


あ、でも僕は平民ということで責任をとらされたんだっけ。


じゃあ、やっぱりブルー王国は平民にきびしかったんだ。


考え事をしていると、ナスが


「おい、どうしたんだよ。ボーとしちゃって」


パステル嬢はやんわりと


「いいのよいいのよ。それが彼のいいところだもの。彼のおかげで本当に助かったわ」


といって僕をかばってくれた。


「でもびっくりしちゃった。あなた、麗しの美剣士様と仲がいいのね」


「あのかた、恋文や婚約の申し込みはもちろん男性からも女性からもアプローチが多いのだけど、だれにも色よい返事をしないことで有名なのよ」


「私たちが所属している「麗しの美剣士様に斬られる会」も毎月思いを込めた詩集と手紙を送っているけど返事が返ってきたことは無いわ」


斬られてどうするのと心の中でツッコんでおく。


しかし僕たちの仲を知られるのは隠したほうがいいな。


一緒にいると目立つし、もしかしたら命の危険まであるかも。


とここまで考えた僕はとっさの言い訳をした。


「ええ、僕の家族と知り合いだったらしくて。その縁で仲良くしてもらってます」


一瞬、エクレアを家族として頭に思い浮かべていた。


エクレア利用してごめん。


心の中で謝っておく。


「ふ~~んそうなんだ。うらやましいわね~~~。あ、それでね、国元のお父様が言うには魔族の別グループから魔王と称するものが出現したとか言ってたわ。その対応にね、」


といいながら、また別の話題がはじまっていく。


僕は彼女たちのおしゃべりを2時間ほど聞いて解放された。


今日は休日なので、学生寮ではなく別のところへ帰ることにした。


そこは、帝都の貴族区でもあまり目立たない場所。


貴族が住むには少し小さめであるが中は十分広く、立派な邸宅だ。


ノワールとガーネットが僕に気兼ねなく過ごせるようにと用意してくれた邸宅だ。


2人は貴族ではないものの、実力や功績が認められて貴族待遇をプラチナ帝国から受けているらしく邸宅も貴族並を用意することができたそうだ。


そこで3人でくつろいでいるときのこと。


僕は今日あった話を2人に話した。


「パステル嬢から聞かれたので、思わずノワールとガーネットは僕のメイドのエクレアと知り合いだと言ってごまかしたんだよ」


そう言ったとたん、2人の動きがピタッと止まった。


体も口も目も同時にピタッと止まった。


僕はなにかまずいことを言ったのかと思って2人を見つめていると、


2人はゆっくり目を合わせ、実は・・・・・と謝りだした。 


要点をまとめると、ノワールもガーネットもエクレアによって僕の世話と護衛をさせるために選ばれた女性らしい。


ノワールについては、僕がブルー王国のオーキッドの町で冒険を始めた時からぼくのためにリックのパーティに入って僕をまもってくれていたのだ。


そうだったのか・・・・なんか腑に落ちた気がする。


なんの理由もなく僕なんかのためにこんなきれいな人たちが側にいるわけない。


やっぱり僕はどこまでいってもエクレアたちに迷惑をかけていたんだなと寂しく感じた。


だから僕は2人に


「今までありがとう。でももう僕を守らなくていいよ」


といってギルド屋の手伝いとこれからのことを断ろうとした。


が2人は頭を地面にめりこませる勢いで僕に土下座をしてきた。


「「どうか許してくださいーーーー」」


ノワールが土下座をしながら


「ご主人様ならそう言うと思っていままで黙っておりました。ですが、エクレア様と知り合いだと他の人にいったと聞き、これ以上ごまかしたままではいられないと観念いたしました」


つづいてガーネットが土下座をしながら


「ですが、我々はご主人様を心から、いえ、魂の底から愛しております。生まれ変わってもお仕えしたいのです。けっしてエクレア様の指示だけで動いたのではありません」


「どうかどうか我々を捨てないでください」


僕はポカンと聞いていたが、命令だけで僕の側にいたわけではないしガーネットが言うように、義務で仕方なくという感じをうけたこともない。


また僕も彼女たちには感謝しているし、これからもエクレアたちのように家族として一緒にいたいとおもっていた。


だけど、考えが長すぎたのか、僕がだまっていると2人は僕が怒っていると思ってさらに謝ってきた。


「どうかどうか何でもしますから側に置いてください。この身を使うことも厭いません。夜の仕事でもなんでもします。料理もできます。魔法も使えます。だからどうかどうかーーーー」


「じ、自分も側においてください。よ、夜の仕事はよくわかりませんが、肉体労働は得意です。お金も魔物狩りでもドラゴン狩りでもして稼ぐことはできます。だからどうかお側においてください」


と2人して涙ながらに僕のそばにおいてほしいと懇願してくる。


「もうわかったから泣かないでよ。僕も2人を頼りにしている。側にいてくれるならこれほど心強いことは無いと思っている。だからもう泣かないで」


そのあと2人を落ち着かせるのに夜通しかかった。


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