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ツキ  作者: 葉っぱ
3/5

3

秋葉原についた。

娘にはしばらく出張に行かなくてはならないと伝えてきた。もう高校生だし、母がいないという生い立ちから、一通りの家事をこなすことができる。その点は心配ない。それにしても乗りかかった船である。ここでしっかりと勝ち上がって、娘とまた平凡な生活を送るのだ。


秋葉原の奥にある、古びた中華屋に羽二は入って行った。

「昼食でも取るのかい?」

「まぁな。」

「ふーん。」

「飯食えるのはしばらく後かもしれないから好きなもん食っとけよ。」


「ご注文はお決まりですか?」

「じゃ、僕はラーメンと半チャーハンで。」

「あたしは回鍋肉で。」


「お待たせしました。ラーメンと半チャーハン、回鍋肉です。」

「ありがとうございます。」


「うまいね、ここの料理。」

「んー、たしかにね。」

「懐かしい。」

「なにが?」

「昔、羽二と中華屋さん来たなって。」

「何年前の話してんだよ。」

「いやいや、いろいろあったからさ。」

「ふーん。聞くの面倒だから語らないでね。」

「はいよ。」


「食ったか?」

「うん。」

「店員さん。」

「はい、お呼びでしょうか。」


「小籠包を1つ。」

「申し訳ございません。当店に小籠包のメニューはございません。」

「では、小籠包を1つ。」

「ですから、当店には小籠包のメニューはございません。」


拍子抜けをした。

小籠包はないと言っているではないか。


「はい、小籠包を1つ。」

「かしこまりました。こちらにいらしてください。」


「え?え?」

「黙ってついてこい。」


僕たちは地下に案内された。

途中で案内をしてくれた人から目隠しすることを強要され、そのままエレベーターのようなものに載せられた。


「羽二。」

「しゃべらないでください。」

私語はこのように制限された。

「私語の注意は3度までです。4度目は首を切ります。返事も私語に含まれますので、無視で結構です。目隠しを取るまでは私語厳禁です。」


目隠しする前に言ってくれよ。と心の中で思った。


しばらく歩くこと20分程度、初めは感じていた恐怖感も薄れてきていた。


「到着しました。職員が目隠しを取りますので、その場で止まってください。」


目隠しを取ると、そこにはとても綺麗な大広間が目に入った。薄暗く、しかし品の良い。ディズニーの世界に居るかのような気分にさせられた。


「ついたな。」

「もしかして、ここが?」

「そうだ。アンダーグラウンドフェスティバルだ。」

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