0.プロローグ
新連載です。頑張って投稿していきます。
これは魔法使いに少年が成る話
この世界は才能でできていた。
貴族が敬われ、平民が蔑まれる世界。そんな世の中で、才能のない少年が、力を振るう。
少年は、生まれつき才能がなかったが、魔法使いになりたがった。少年はある人に教えられた。魔法の才能ではなく、魔法使いとしての才能を。
これはそんな少年が青年になり、何かを成し遂げる話でもある。
さて、前置きはこれまでにし、我らが主人公の活躍をとくとご覧あれ。
魔法歴六◯ニ年。この世は、魔法の才能が全てだ。
あるところで、才能に溢れた貴族の令嬢が、志を得る。
「私もあのようになりますわ」
見窄らしい格好をした、平民の青年が、志を得る。
「僕も!あんなふうに!」
ここはハレルヤ魔法学院。かつて、国を守った、日輪の魔導士が学園長を務める場所だ。ここには魔法使いを志す者が集まる場所である。
「あ、あの、すみません。ハレルヤ魔法学院ってどこにあるんですか?」
この少年の名は、レイン。平民の心優しき青年だ。
「あなた、魔法学院を受ける人?」
「は、はい。」
「あら、奇遇ですわね。私もよ。」
彼女は、高名な家に生まれた優しいがどこか厳しい令嬢。
「そ、そうなんですか。頑張りましょう。」
「あら、申し遅れましたわ。私の名前は、ヘレス・アーノルド。あなたの名前は?」
「俺の名前は、レイン。ソレイ村の生まれだ。」
「あら、あなたもしかして平民?」
レインは身構えた。平民なんかが魔法学院に行けるわけがない。大人しく農作業でもしておけ。と、蔑まれるのではないかと。
「素晴らしいですわ!昨今は、平民に厳しいですが、私はそうは思いません。平民だからこそできることもあると!」
決して蔑まれはしなかった。
「あ、ありがとうございます。」
「あら、貴族だからって敬語を使う必要はないのですよ?」
そうなのか?とレインは内心思う。
ヘレスはこう思う。何と素晴らしい志!私もこの人のように、難しい環境でも強くあれるようにならねば!
「ここからは魔法学院。敬語を使う必要などないのですわ。」
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えるよ。」
「改めてよろしくお願いしますわ。」
「こちらこそだ。」
だが、ヘレスのような人がたくさんいると思ったら、大間違い。レインはそう考えた。
「では行きましょうか。」
「ああ。」
『やあやあ諸君。ハレルヤ魔法学院へようこそ!私の名前はジェスター。よろしく。この学院の学園長をやらせてもらっている。それでは、ここからは、試験の担当の先生に替わらせていただくよ。それでは、アベルくん。頼んだよ。』
『はい、学園長。』
「何と、学園長自ら挨拶とは!」
「アベル様って、あの⁉︎」
『それではこれから試験の説明を開始する。まずは魔力量を測る試験だ。そのまままっすぐ進んでくれ。』
そこには水晶があった。
「それでは魔力測定試験は、私、ダリアが担当させていただきます。まずこのように水晶に手をかざします。すると、水晶が光るため、その光の色で、ランクを分けます。今私が手をかざすと、黒色になりましたね。これが最高位です。それではみなさんやってみましょう。まだみなさんは魔力の練度が完成していないため、藍色までいけばいい方でしょう。それでは開始。」
どんどん試験生が水晶に手をかざす。
「あら、あなた、良い魔力量ですね。
「あー、あなたは、もう少し魔力の練度を高めましょうか。」
「あら、あなたも。」
そしてレインは…
「まあ!すごい!受験生の段階で、白色だなんて、素晴らしいですわ!」
そしてヘレスも。
「まあ!藍色、素晴らしいですわ!」
「それでは、これで魔力測定の試験を終了いたしますわ。今年の受験生は豊作ですわね〜。」
「よっしゃ。ここからは僕が試験を進めるで〜。ここでは、自分の得意な魔法を撃つんや。もちろん固有魔法や、伝統魔法もなしやで〜。まあ発現してる人がいるかはわからんけど。」
『石之弾』
『雷之鎖』
『火之弾』
そして我らが主人公は…
『力場障壁』
的を見えない斬撃が斬り刻む。
「わーお。これはすごいなあ。」
ヘレスは…
『氷雪之舞』
氷と雪の風が的を襲う。
「わお!これまたすごい!今年は豊作や!」
そうして、何分も経ち…
「みなさんお疲れさん!これで試験は全部終了や!ダリアさんの言うとおり、今年は豊作やったなあ。特にあの子とあの子とあの子。これまた楽しみや。ほな、受験生たち、試験結果楽しみに待ってなあ。あ、僕の名前はアルス言います。今後ともよろしゅう。」
続く…
サムネ後々つけます
「こここうしたらいいよ」などの優しいコメントがあれば幸いです。ダメ出しよろしくお願いいたします。