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真夜中の電話ボックス

作者: 呪怨屋

「電話ボックスの女性の霊」

このうわさ話を聞いたことのある人はそう多くはないだろう。

でも噂話にも本物が混ざっていると思っておいたほうがいいかも知れない……

この話は俺がそう思わざるを得ない状況に陥ったときの話だ。


俺はK県に住む高校生。オカルトの話はあまり信じてはいない…いや、いなかったと言ったほうが正しいのかも知れない。

忘れもしない高校2年の冬の日。部活終わりに友達の家に行き談笑をしていた。談笑の内容は最近心霊スポットに行ったばかりだったためそれつながりで怪談話だった。友達の話す怪談話の内容はこうだ。とある街にある電話ボックスで誰かに電話をかけると呪われるというもの。正直呪い系は信じていなかった。話が盛り上がり時間を忘れていた。すっかり外も暗くなり時計を見れば9時50分だった。友達の家は駅から少し距離があり徒歩で向かえば片道20分はかかる。そのためあらかじめ近くのバスの時間を調べていたのだが残念なことに最終バスは9時14分で結局徒歩で帰ることになってしまった。幸い親が家にいる時間なので迎えに来てもらおう!とそう思っていた。すぐさまスマホを取り出し電話をかけようとするがスマホの画面は真っ暗になり電源ボタンを押すと見慣れたバッテリーの画面が見えた。そうスマホは電池切れになってしまった。最悪だと思ったが丁度いいところに電話ボックスがあるのを見つけた。先程の怪談を聞いたあとだが俺はもちろん友達ですら噂話と思っていたので電話ボックスに入るのなんて躊躇しなかった。

              

               だが俺はこの行動を後悔することになる


電話をかけようと古い形状の電話にお金を入れ電話番号をいれる。そこまでは良かった。受話器を取り親に電話をしようとしたとき呼び出し音の中に混ざって声がした。「何で…助けてく…れなか……ったの」と

かすれた女の声で聞こえる。その瞬間明るかった電話ボックスは闇夜に混ざるように暗くなった。この時点で俺は動けなくなった。そうしているとすぐ背後から「何で助けてくれなかったの」とさっきよりも鮮明な声で聞こえた。一瞬で背筋が凍りついた。気を失ってもおかしくはない。ただここで気を失った場合のことを考え一生懸命意識を保った。すると女が俺の横を通っていたのが見えた。俺は一目散に逃げ帰った。何度転んだことかわからない。家に帰る頃には半泣きで足には血がついていた。

翌日学校でこの話をすると友達が言った。「この近くに電話ボックスなんて無いじゃん。」と…

だが懸命に伝えたおかげか友達は半分疑いつつも信じてくれた。そして情報をかき集めた結果驚くべきことがわかった。


           嘘だと思っていた事件が本当に起こっていた事件だった。


その事件を今から紹介しよう。

1983年12月3日

K県I市の電話ボックス内で女性(34)がストーカーの男(45)に殺害されるという事件が起きた。

男の身元はわからず、指紋も残っていないため捜査は難航。女性は受話器を握りしめたまま絶命していた。

その後の捜査で女性は刺されてから数分間意識があったことや冬の寒さで血が固まり長く苦しんだこと、受話器は女性が襲われているときに繋がっていたことが判明。被害者女性と電話をしていた男は女性の悲痛な叫びを聞いていた。だが、恐怖のあまり警察に通報していなかった。

その後被害者女性と電話をしていた男の家に行くと浴槽で首をつり自殺していたことが判明。

男性はなぜか外傷があり被害者女性と同じ箇所を怪我していた。極めつけに男の足元に転がっていた小袋には血だらけの紙に血文字で「なんで助けてくれなかったの」と書いてあった。だが不思議なことにその血はA型のものであり男はO型だったという。調べると被害者女性の血液型はA型だった。

この事実を知った瞬間恐怖が全身を伝っていく感じがした。

それから数日後、友達と待ち合わせのために連絡を取ろうとスマホを取り出し、電話をかけた。

すると、背筋が凍るほど恐ろしいあの声がまた聞こえてきた…。


            「なん…で……助…けて…くれなか……った…の」


こころなしかその声はスマホからではなく俺の真後ろから聞こえてきているような気がしていた。

俺も被害者女性の最後の声を聞いた男性のように死ぬのだろうか……。残念なことに俺は男性と同じ…


                   O型なんだ………


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