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言い得て妙さ、
ーWhom the god loves die youngー
偉大なる詩人の言葉。僕は大いなる感動を以て、この不完全文に親しさを覚えた。僕にはどうしても他人事には思われなかった。むしろ晦冥の先に皓々とする木漏れ日のように思われた。もしかしたら僕自身も……
死とはやはり本来は絶望では無いはずだった。死にゆく人々が諦めて安らかな微笑みを浮かべるのもその為では無かったか?
もしこれが完全文であったなら、僕は疑念をもっていたかしら。そんなことは分からないが、きっとその不完全性が信じる力をくれたのだ。自然とは、奔放とは、いつでも一貫して不完全であろう。僕はそういうことを言いたい。何にも縛られない、本当の純粋な心が共鳴したのだと思う。




