不思議な階段
友達は言っていた。小さな商店のような建物の中、入った正面に、無限に続く階段。二階に上がると左にズレてまた階段が見える。僕はそれを昇らなかったけど……
それは本当にずっと続いて、言葉が何処からか聞こえるらしくて。不思議そうに帰ってきた友人は美少年だった。見知らぬ顔だったけれど、親しいような感じがした。彼は、僕の知り合いの、これまた美少年の人の言葉を聞いたと言った。僕はなんだか畏い気がした。彼はその場にいた友達にそれを聞かせた。幾つか折られた紙切れに黒い文字が透けていた。メモしてきたのか。でも僕はあんまりその言うことを覚えていない。きっと僕への言葉じゃないからだろう。
もう一人、美少年でない友人が慌てておりてきた。畏ろしいような顔をしていた。
「怖い人が降りてきたんだ!」
その声色に僕らは驚く。けれどなんだか知っていたふうでもある。
僕はやっぱりそこを昇るのが畏い。でも見てみると、そこにはなんとなく、魅惑な光が溜まっているのだった。
一応断ると、僕はこれを否応なしに見た。選り好んだ結果ではないのだ。だから、美少年とかどうとかはよく分からない。ただ事実として、美少年がいたというだけかもしれない。




