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人間合格(仮)

作者: 原平広春

『自分』は逆に考えました、失格でなければ合格であるということです。

人間性失格の烙印を押されし『自分』は、社会的信用を失墜した。『自分』は社会的合格に向けて足掻くのである。

恥の少ない生涯を送って来ました。


西国の満宮州に生まれたので汽車を見るのは当たり前でした。


ジェットコースターのような遊戯。


地下鉄というのはビジネスだと知っている。


自分は丈夫な体を持ち布団カバーの網につまづくことなく、よく破いていました。


また、自分はいつも空腹を感じていました。衣食住に困らない家で育っていながらチョコレート、アップルパイ、里芋煮、チェリーゼリーを食べても満たされない。食事の時間が最も幸福な時刻でした。


三度のめしを食らい働いて、めしを食う。単純明快で祈るように黙々とごはんを噛む。


自分の幸福は、世の全ての幸福である。よく生き、よく食べ、屈せず生活の営みに闘い、夜はぐっすり眠り、朝は爽快に起きる。


エゴイストになりきり、当然のように自分を信じ、隣人と会話をするのである。何をどう言ったら良いのか知っている。不安や恐怖に襲われることはないのです。


考えました、自分の、人間に対する最初の求愛とは勇者になることでした。


自分は、人間を舐めていながら、人間とつながることが出来る。


自分の家族に対してさえ、彼らがどんな苦しみを、どんな事を考えているのかを考えている。本当の事を言ってしまう子になってしまっている。


他の者たちと一緒に撮った写真を見ると、皆は真面目な顔をして、自分は最も真面目な顔をしているのです。自分の大人びた勇気の一種でした。


また、自分は肉親に対して、口応えしてばかりしていた。自分の真理というものに、自分はその真理を行う強い力を感じ、言い争い自己弁護をする。自分の言動に自信がある。


人間の怒っている顔は本性である。その恐ろしい正体は人間の生きている資格の一つなのかも知れない。


自分の懊悩は胸に秘めず、憂鬱やナーバスを隠さず、無邪気な楽天性を装わない、自分はお道化たお変人ではない。


2024/3/6水

『自分』は合格したいのです。

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