3話
私は、未完成のポーションの前で悩んでいた。
本来、ポーションの材料を採取するために森の奥に入っていったわけだがサラとの出来事に気を取られてすっかり材料のことを忘れていた。
その材料を今から取りに行くしても彼女を一人にしてもいいのか悩むものだ。
あとはその材料を入れるだけで完成するのもあって歯がゆい思いをしている。
さらに悪いことにこのポーションの納入期限が近いということだ。
「どうしたものか...。」
じー
なにか背中から視線を感じる。
「サラ、どうかしたかい?」
「いや、あ、あのずっと悩んでる様子なので,,,。どうしたのかなって。」
「あぁ。僕は錬金術師でね。依頼されたポーションの材料が足りなくて困ってるんだよね。」
「このポーション作ったことあるよ?」
「え?本当かい?」
「う、うん。」
ポーションというのは材料の問題もあるけど作ること自体も専門知識がいるはずだけど。
「君のお母さんは錬金術師だったのかい?」
「わからないけど色んなポーションを作っていたよ。だからこのポーションもお母さんが作っているのも見ていたし、作るお手伝いもしてたの。」
彼女はそういうとポーションが入った瓶を持ち上げると頭の蛇を近づけると蛇の口から液体が噴き出し瓶の中に吐き出された。
「え?何しているの!?」
彼女の手から瓶を取り見ると、色が変化し、治癒のポーションになっていた。確認するために分析魔道具を用いたところ治癒ポーションであることを確かめることができた。
「できてる...。」
「よく材料を用意するお手伝いでこうやって瓶に入れていたの。」
彼女は誇らしげに話した。
「このポーションの最後の材料は保存と効果を増すために入れる薬草なんだけどサラの蛇の体液が同じ効用があるのかな...。」
「お母さんはどのポーション作る時も入れていたよ?」
「!!!。」
つまり蛇が吐いた液、毒液がどのポーションにも使うことができる万能材料だということだろうか?
ポーションの保存のための材料は変わりがあるが、効果を増すというのははるかに難しいのだポーションの効果によって様々なものが用いられるが新たな材料や製法を見つけるだけでもひと財産が気付けるほどだ。
錬金術師としての好奇心が湧いてきた。
「サラ!もっとその液体をよういすることはできるかい!?」
「はい...。時間さえいただければそれなりに。」
僕はわくわくしながら他のポーションの作成準備を始める。