独り
夢か希望か何が入ってるんやろうね。
たまに中の音するときあるやん、カラカラって。
あれ開けたらどうなるんやろ、開けたらどっか連れてかれちゃうんかな。
それやったらどうしよ、でもどんぐりって縄文時代?そんくらいは食べとったんやんな。怖いわ。
てか、喉乾いた、もう家帰る。
彼女のマシンガントークにはもう慣れた。僕の言葉を彼女は待ってない。とにかく自分が話せたらいいんだ。
まあ僕もそこに助けられてる部分もあるんだけど。
身が乾いて縮んでしまった身の音とか、もしかすると虫が入っててその音かもとかそんなスマホで調べたらすぐわかるような正解を彼女は必要としてない。
ただ、いつも、何かを求めてるようで何かを見放してるようなそんな話し方をする彼女から目が離せない。
彼女はいつも本を読んでる、だから物知りなはずなのに、なのにどんぐりの音の正体を知らない。いや、知ってて夢か希望が入ってるって言ってるのかもしれない。僕の考えすぎで、実は彼女がいつも読んでる本は本じゃないのかもしれない、詩かも。じゃあ分からないのも当然か。
纏まらない考えとまとめる気もない自分の内心語を漏らしながら一人で帰路に着く。
また明日もコンビニかと思いながら目を閉じれば今日になってる。本当にこの世界の原理が分からないと思いながら目覚める。毎日が大体こんな感じだ。
そんな毎日に多少の変化を与えてくれたのが彼女だ。名前は知らないけど。多分女だろう。スカート履いてるし、声も低いけど女が出す声だ。あとは、前コンビニに男と来てた。あの時の雰囲気は男女じゃないと完成されない。そんな感じだった。
まだ書く