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79話:私たちはみんなおかしい。

私が言うのもなんですが、ナチュラルな狂気だと思います。

ちなみに、『私たちはみんな少しずつおかしい』ってな格言がイタリアにあったような記憶が…。

 母から三男への電話。


母 :『なあ三男、次男がいつ電話かけても居ないんだけど、何か聞いてない?』

三男:『死んでたら、連絡いくだろ』

母 :『……死んでって、あんた』

三男:『言っておくけど、母が電話かける時間帯に、兄はいないと思う』

母 :『いないって、次男のやつ、平日も日曜もいつかけても出んのよ?』

三男:『連絡はとってないけど、理由はわかる』

母 :『なによ?』

三男:『仕事』

母 :『仕事って、あいつ、平日も日曜も(以下略)』

三男:『……母よ、前にも言ったが、今時夜の九時に家に帰れる会社はめったにないからな』

母 :『そんなことあるかい。母ちゃんの知り合いの〇〇さんや(以下略)』

三男:『俺の知り合いは夜の10時過ぎにならんと帰れんやつばっかりやけどな』

母 :『そんなんおかしいだろ?』

三男:『おかしいのが、今の世の中の標準だから』

母 :『……』


 三男から次男への電話。


三男:『(留守録メッセージの途中)弟デース!今すぐ出やがれ!』

次男:『兄だけど、どしたん?』

三男:『お、居たか。すまんな、寝るところだった?それとも帰ってきたところ?』

次男:『おかしな事を言うね?帰ってくると、寝るのはほぼ同時じゃないか(笑)』

三男:『ははは、そりゃそーだ(笑)』

次男:『それにしても、ここしかないというピンポイントでかけてきたなお前』

三男:『ふはは、普段は基本的に終電帰りだろ?真実は一つだよ』

次男:『さすが、終電でも帰れなくて身体壊した人間の言葉は一味違うな』

三男:『歩きながらコンビニ弁当を食べるテクニックを覚えざるを得なかったからな』

次男:『その状況でコンビニ弁当(笑)』

三男:『俺のベッドは会社の椅子だぜ(笑)』

次男:『で、なによ?』

三男:『母上様が、連絡が取れないとうるさいのでございます』

次男:『ああ、なるほど……帰省するかどうかって感じか』

三男:『つーか、母上様は会社支給の携帯電話にかけてくるのはしなくなったのか?』

次男:『あれに、企業倫理を教えるのは諦めた。もう、番号教えてない』

三男:『なるほど……しかし、なんで母上様はああなんだろうなあ』

次男:『ん?』

三男:『いや、夜の8時以降は電話かけないあたりは人として正しいと思うけどさ』

次男:『んー、田舎の人間というか、あれの年代だと今の時代の感覚は馴染めんのだろ』

三男:『いやだって、新聞やテレビ見てるはずなのに……』

次男:『新聞やテレビを見て、外で働いているのに父親がアレな件』

三男:『なるほど、山よりも高く海よりも深く納得できたよ』

次男:『まあ、俺はあれを父親じゃなくてなにかの生き物として考えてるけど』

三男:『そーか、俺は未だにそこまで割り切れん』



 20年ぐらい昔のお話。(笑)

この話に共感できない人間の方が正しいはず。

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