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66話:部員が増えると弱くなる。

悲しいけど、これ、わりと現実です。

 中学3年、高校球児予備軍は進路に迷う。

 本当のトップレベルの少年たちは、夏が始まる前にほぼ進路が決まっている。

 早ければ、中学2年の時点で……ゲフンゲフン。

 つまり、どこの高校に行こうか……などという少年たちの世間的評価は、察して欲しい。

 有力校にも色々あるのだが、向こうから声をかけられないレベルの少年たちが夏の甲子園を見て『俺もこの高校に入って甲子園で活躍するんだ』などと決意しても無駄である。

 一般入部枠が存在しない高校が珍しくないからだ。

 野球部に力を入れている私立高校にとって、野球部の費用は投資である。

 費用対効果の追求というか、効率の良い投資を追求した結果、1学年15~20人程度の選手をスカウトしてそれで終了みたいなスタイルが1990年代には完成していた。

 少し考えてみればわかると思うが、練習時間は固定されている。

 部員が増えれば、1人あたりの練習時間は減るのである。

 練習施設と、指導人数……おのずから、自分たちの学校における最適部員数というは導かれていってしまうのだ。

 まあもちろん、ほぼ飼い殺し状態の一般入部枠を設けて練習のための補助員、もしくはマネージャーとして利用するというのもある。


 さて、有力校ではない高校の場合。

 くじ運もあるのだが、ひょいっと夏の地方予選でベスト8に残ってしまった高校があるとしよう。

 次の年の新入部員が増えるのである。

 進路に迷う中学生の視点から見ると、こんな感じだ。

 それなりに自信はあるが、有力校から声がかかるほどじゃない。

 あんまり激しい練習なんかは嫌だけど、甲子園に行けたらいいな。

 あれ、ここってそんなに悪い噂は聞かないし、ベスト8ならうまくいけば甲子園も……。

 もう、『坊やだからさ』の少年が集まってしまうのである。(笑)

 毎年15人ぐらいだった部員が、30人を超えてやってきたりするのだ。

 当然、大人数の新入部員の面倒を見るノウハウが上級生にはないため、夏の予選に向けてチームそのものがまとまりを欠く期間が長くなる。

 新入部員で即戦力になる選手が居るかどうか確かめるのにも手間が掛かり、昨今の『教育の一環』などという建前によって、1年全員球拾いみたいなこともやりにくい。

 全体練習に参加させて、ひとりひとりの練習量、指導が減少……実力アップがうまくいかない。

 結果、成績不振。


 いやあ、実際公立校などでは、前年の好成績を受けて部員が急増した学校は、ほぼ例外なくどツボにはまります。

 もちろん、前年度の成績がフロックであるという前提も多々見られますが。(笑)

 でもまあ、学校教育の、クラスの人数制限と同じですね。

 人数が増えれば増えるほど、担任の手がまわらなくなる可能性が高くなるってことで。

 もちろん、部員数が少なすぎるとこれはこれでよくないんですけどね。

 指導方法にもよりますが、この練習をするなら何人、この練習をするなら何人必要……みたいな目安はあるのです。

 極端な話、18人いないと紅白戦もできませんからね。

 理想を言えば、各学年投手を除いて各ポジションに一人ずつ。

 投手は2~3人。

 内野、外野のくくりで1~2人ずつ。

 やはり、15人以上20人未満が理想かなあ、と。

 3年がいなくなって、1年と2年の2学年できちんと練習メニューが組めるかどうかが、次の年の成績に絡んできますから、継続的なシステムとしてはやはりこのぐらいが理想ではないかと。


 うん、私もね、中学生の時点でこのぐらいの考察はできたんですよ。

 自分が希望する進路を、両親や周囲が許してくれるかどうかはまた別の話なので。

 無論、禍福は糾える縄の……(笑)

 中学の時とは違って、先輩からの暴力行為なんかは全くなかったですし、そういう意味ではかなり恵まれた野球部ではあったのですが……。

 別の進路を選べたならば、あそこまで怪我まみれの高校生活を送らずにすんだかもしれないなどと、どうしても思ってしまうのです。 

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