43話:振り出しに戻る。
久しぶりに(笑)コンビニで買い物をした。
私の前に並んでいた買い物客のレジ精算の際に、おやっと思ってしまったことがある。
そのお客は電子マネーで支払いを済ませたのだが、電子マネーの種類を客が選択する表示が出なかったのだ。
店員さんがお客に尋ね、店員自ら選択して精算……の流れ。
うわあ、結局もとに戻ったのかよと。
ピンと来なかった人のためにちょいと説明。
今でこそコンビニでの電子マネーでの支払いは珍しくないどころか標準装備だが、わずか10年ほど遡れば少数派に過ぎなかった。
で、導入初期の頃……じゃなくて、電子マネーの種類が増えた頃……むう、日本語が変。
お客が店員に『支払いは電子マネー(種類)で』とひと声かけ、店員がそれを確認し、レジを操作して精算するという流れだったのです。
ただ、複数の電子マネーを内蔵する携帯とかの存在もあり、『エ〇ィーつったのに、なんでス〇カで精算してんだオラァ』などのトラブルが相次ぎ……といっても、本当にトラブル数が多かったわけではなくて、例によってヒステリックに大声を上げる連中がいて(以下略)。
それを受けて、『じゃあ客に選択させりゃあいいじゃん。自分の押し間違いなら文句も言わねえだろ』とのことで、客側のレジパネルに電子マネーの選択肢が表示され……という感じにシステムが変更されたという経緯があったわけです。
そういう理由で、『うわあ、元に戻ってやんの』と私が苦笑した……と。
以下推測。
『なんでこの店はいちいち客に手間を取らせるんだ』と、不満をぶつける人の数が一定以上に達し、『電子マネー導入後、一定年数が経過したから世間の理解および、習熟度も水準に達しただろう』との判断で、新しくシステムを切り替えたんではなかろうか、と。
もちろん、コンビニシステムの構築に関わる企業にとっては、システム切り替えの度に経営者および営業サイドは『ごっつぁんです』と笑顔を浮かべ、開発現場にあたるエンジニアは宙に向かってパンチを繰り出しているのは言うまでもありません。
支払い方法が一つ増えるたびに、システムを刷新しなければいけないとか……まあ定期的な仕事の供給以外の何物でもないよね、などと私は思ってしまいますが。
またしばらくして、客がレジパネルで選択する方式に戻ったりするんじゃなかろうか。(笑)
余談ですが、今現在は契約そのものがどうなっているかわかりませんけど、電子マネー導入初期時において、某電子マネーにおける契約は恐ろしいものでした。
なんと、店側が手数料を払わなければいけないのです。
100円の買い物を電子マネーで購入した際、某%の金額を手数料として支払わなければいけない。
単純に考えて、店側のコストが増えて利益が減ります。
そして恐ろしいことに、お客が間違って買った場合に返金処理をするのですが、基本的に電子マネーの返金を電子マネーではできないので現金で返金します。
するとどうなるか。
客が一旦電子マネーで買い物をしたわけですので、その分の手数料を店側は支払わなければいけません。
その上で、店側はお客に対して現金で全額返金します。
つまり、手数料分、店側はまるまる損になります。
はいそこ。
今から気に入らない店に行って、購入と返金繰り返そうぜ……などと考えないように。(笑)
先に述べましたが、今というか、どういう契約になっているかわかりませんし。
まあ、何はともあれ利権というものは恐ろしいものですよ。
さらに余談。
標準装備かどうかは知りませんが、お手ふきをサービスで付けてこようとしたので焦りました。
そもそも、このサービスもどうなんでしょう。
おそらくは、客の方からこういうサービスをしてくれみたいな要望があって、店側がそれを取り入れたという流れの中で生まれたんでしょうけど、ご飯の前に手を洗うというか、それは個人の責任でどうにかするもんだと私は思います。
恐ろしいことに、一旦サービスとして定着してしまうと、それを当たり前のこととして要求する人間がある一定数存在してしまうのです。
商品として、おしぼりというかウエットティッシュなんかを売っている店で、『おてふき頂戴』などとサービスを強要する人間を想像すると、ものすごい違和感を覚えてしまいます。
でも多分、想像ではなく現実に居るんだろうと思います。
弁当、カップ麺などのお箸もそうですが、少なくとも客から要求するのは何か間違っているのではないだろうか。
だって、それはタダじゃないものを、タダでもらおうとしているわけだから。
現在、客と店は対等の存在として扱われていないのが現状ですので、パワハラに値する行為であるといえましょう。
タダほど高いものはないと言いますが、今の資本主義経済圏の世の中、本当の意味でタダのものなどありません。
ちなみに、レジ袋なんかも大きいサイズで1枚2円ほどかかります。
自己を律するための、良い方法があります。
可能な限り、自分の要求を金額換算して考えてみましょう。
すみません、買い物客ではないけど私に2円ください。
私は客です。1円ちょうだい。
……結構、心に来ます。(笑)




