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40話:冬の夜空

 星空を眺めるなら冬が一番良いらしい。

 冬の空が高く見える云々はもはやテンプレートな表現ではあるが、あれは気温の低下によって空気中の水分量が少なくなり、いわゆる大気が澄むからだそうな。

 私が子供の頃は、冬になると空気中の埃が少なくなるなどと説明されたが……そうか、水分もまた埃扱いなのか。

 ちなみに、雨上がりの空が綺麗に見えるのは雨粒によって空気中の小さな埃が地面に叩き落とされるからである。

 夕立のあと、自動車のボンネットが薄汚れて見えるのは埃混じりの雨を浴びたから。

 つまり、雨の降り始めを身体に浴びると、めっちゃ汚れます。

 雨の中を突っ切る場合、しばらく待つ余裕があれば、待ったほうが良いですね。


 まあ、とにかく冬は星がよく見える、と。

 それだけではなく、冬の星空は1年で最もダイナミズムに富んでおり、南天をかけるオリオン座、孤独に輝くシリウス、北天に目をやれば1等星こそないものの、2、3等星の連なりからなる星座が鮮やかに……


 へー、そうなんだー(棒読み)


 好きな人にはたまらないのかもしれませんが、季節は冬。

 そりゃ、もの好きしか星空を眺めて時間を過ごしたりはしないと思う。

 もちろん、嫌いではありませんが……私、老眼ですから。(ヤサグレ中)

 というか、乱視と近視で、かろうじて1等星が確認できる程度だから、そんなキラキラした目で星空の美しさを語られてもなあ。


 満天の星空。

 恋愛系のお話で多用されたアイテム(笑)ですが、既に古典。

 いや、ギャルゲーやら、純愛系のゲームではまだまだ現役かもしれませんが、田舎出身の私としては満天の星なんて光景は、日常でしたからねえ。

 南国育ちが雪に憧れるように、リアルシスターのいない男性が二次シスターに萌えるように、まあ、そういうものかなあ、と。

 ただ、知人と話をしてて思ったことがひとつ。

『月明かり』という言葉を理解する人間はいくらでもいるのですが、『星明かり』という言葉には、今ひとつ実感を持てない人が多い感じですね。

 新月の夜、微かに、本当に微かに闇夜を照らす星明かり。

 などと説明したところで、首をかしげるばかり。


 あのな、田舎には街灯すらない道がごろごろしてるからな。


 どん引きするかと思ったら、街灯のない道というものが想像できないらしい。

 大学時代、里帰りする時期が新月と重なると、なかなかに怖かったですよ。

 都会で生活してると懐中電灯を持ち歩くという習慣が、スコーンと抜けてますからね。

 自分のミスに気づき、目をつぶってしばらく待ち、田んぼのあぜ道に毛が生えた程度の道を、星明かりを頼って歩き出す。

 立ち止まり、空を見上げれば……

 などと続けたいところなんですが、いわゆる降るような星空とか、満天の星とか、それを見慣れてない人間の感想に過ぎないよなあと思ってしまうのです。

 ただ、私と同程度の田舎の人間が、モンゴル高原の星空(90年代)にはとても感動していたので、どこだろうと程度の問題はあるのかもしれませんね。


 まあなんにせよ、冬の星空ともしばらくはお別れ。

 春霞やら、黄砂やら、花粉やら、花粉やら、花粉やら……。

 あれ、涙と鼻水で目が……。

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