24話:高校球児の日常の一コマ1
ネタに詰まったらまた書くので一応、1。
コミケも含めて、ちょっと想定外に街に出てきたため、予約投稿溜まりすぎ。
35話まで、数日おきに投下します。
中学の野球部には部室がなかったため、高校では部室があることにちょっと感動した私。
まあ、それはさておき練習後の一コマ。
さっきまで死にそうだったくせに、何故か練習が終わると彼らは元気になる。
多分あれだ。
甘いものは別腹なのである、きっと。
後輩の一人が、太ももの周囲をメジャーで計測。
「やった、ようやく60センチ超えました」
と嬉しそうに報告。
競輪選手の太もも70センチとか話題になったりするが、高校球児で60センチ超えは別に普通にごろごろしている。
ウエイトトレーニングのウエイトなんかは、割とテクニックが関わってくるのであれだが、体が大きくなるというのはダイレクトに自分の成長が確かめられるため、嬉しいものだ。
俺はいくらだ、お前細いなあ……などと続く会話の中、誰かがしみじみとつぶやいた。
「信じられんよなあ」
「何が?」
「いや、だって……なあ?」
と、自分の両手で太ももを抱え……そのままの形を維持して、宙へ。
「……?」
一体何の話だと、首をかしげる面々。
「だって、女子連中って、このサイズの中に内臓が入ってるんだろ?」
数人が首をかしげたが、高校球児は思春期真っ最中でもある。
彼の言う『それ』が、女子のウエストを意味することを野獣の如き(笑)理解力で察した。
黙り込み、みんなそろって自分の太ももに手をあてる。
「……ないな」
「いや無理だろ」
などとみんな揃って首を振る。
ちなみに誰かさんは、自分の両足が女子のウエストになる妄想をしていた。(笑)
当時はまだ、巨乳という言葉がなかった……気がする。
まあ、そんな時代の、芸能人のプロフィールというか、公表される体のサイズに対して、彼らが初めて疑問を感じた、貴重な一瞬なのかもしれなかった。
「いやでも、え、ええぇぇぇ……」
首をかしげながら、自分の手を近づけたり、遠ざけたり。
多分みんな、身近な女子……おそらくはすぐに姿を思い浮かべることのできる誰かと、自分の両手が形作るそれとを比べているのである。
失礼な話である。
「いやいやいや……」
「違うな、多分……」
「……デブ?」
失礼な上に、私の思い違いかもしれないが、確かに誰かがそうつぶやいたと記憶している。
ちなみに、何故かこのあと自分達の3本目の足のサイズの話になった。
たぶん、どの時代の高校球児もこんなもんだと思う。




