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23話:共通一次試験って何ですかって言われちゃった……

と、いうか……センター試験もまた同じ道をたどるのか……。

 と、いうわけで受験シーズンですね。

 いないとは思いますが、受験生のみなさま、いかがお過ごしでしょうか。

 とりあえず、後ろで竹刀を振り上げている母親がいないことを確認してから読みすすめてください。

 などと、小ネタをはさんで……いや、私の実体験じゃないですよ。

 ええ、『私の』実体験ではありません。

 そんな怖いこと、とてもじゃないけど出来ませんよ。

 竹刀なんてかわいいもんじゃないですか、うちの母親、ヒス起こすとマジで包丁持ち出したし。


 高校球児は勉強ができないというイメージがかなりひどい。(少なくとも当時は)

 勉強ができない……ああ、それほど間違ってはいないのか。

 単純に、勉強する時間がこれっぽっちもないだけのことなので。

 そう、成績の悪い高校球児は馬鹿なのでなく、勉強をしていないだけなのだ。

 例えば、野球のサインプレー。

 投手に向かって捕手がサインを出すわけですが、それだけでも普通に30種類以上ありますからね。

 そこにランナーが出ると、牽制のサイン(うちは3種類)、ウエストのサイン……まあ色々。

 野手だと、守備のお約束。

 打球が飛ぶ方向によって、それぞれ動きが変わってきます。

 ランナーが出るとまた別の動きに。

 攻撃は攻撃で別のサイン。

 試合時間短縮のために、高校野球のサイン盗み(走者による打者への指示)が禁止になった(正直わけわかんない)ようですが、相手ベンチの監督のサインは当然見ます。

 監督は見られることを想定してサインを出すわけですから、当然見破られないようにサインは複雑化していきます。

 一番簡単な例だと、『キー』となる場所、アクションを決めます。

 手を触ったり、胸を触ったり、帽子に触れたり……『キー』の後に触れた場所がサインというパターン。

 例えば、『キー』が手首。

 監督が、帽子、胸、腰、『手首』、帽子、胸、帽子と触れた場合、帽子がサインになります。

 めちゃくちゃ単純なので、中学野球ぐらいまでかな。

 高校だと、これにイニングを絡めたりします。

 1帽子:盗塁。

 2胸 :バント。

 3腰 :ヒットエンドラン。

 手首:『キー』

 それ以外の場所は、無意味。

 これにイニングを3で割って、あまりの数をスライドさせたりとか。

 帽子、胸、腰、『手首』、帽子、胸、帽子。

 まあ本当はもっと複雑なのですが、ここではキーである手首の後に触れた帽子が基準。

 何もなければ盗塁ですが、1回の表だとひとつスライドして2のバントに。

 2回だと2つスライドしてヒットエンドラン。

 3回だとそのまま盗塁。

 7回だとひとつスライドして……みたいな。

 まあ、この程度のサイン、2試合ほど相手チームのベンチをビデオ撮影すれば、ほぼばれます。(笑)

 


 話が盛大にそれました。

 受験。

 合格するしないに関係なく、あまり良い思い出がないというか、イメージそのものも耐え忍ぶ冬ってところが一般的ではないでしょうか。

 正直、私も良い思い出はありません。

 まあ、勉強そのものは好きでしたし、目標決めてひたすら反復ってのはスポーツの練習そのものですから特に苦痛でもなかったし、過去の試験を分析して対策すれば勝手に成績は上がって行きます。

 ただ成績が上がっていくだけです。

 もちろん、頭が良くなったという実感はありません。

 野球において、相手投手の変化球に対策するのと同じです。

 野球の実力が上がるわけではなく、ただ特定の選手に対して対応できるようになっただけというか。


 まあ、そんな生活の中で。

 ふらりと愚兄が私の部屋に現れて言うのです。


『高校レベルで、勉強しなきゃわからないってのは基本的に才能ないぞ』


 よし、コイツ殺そう。

 自覚はしていませんでしたが、勉強ばかりの毎日に少し心が疲れていたのかもしれません。(笑)

 人間何事も、バランスが大事。

 愚兄の後頭部に、ひとつハゲが増えはしましたが、受験に向かって突き進む私。

 志望校の対策も終了。

 ようやく一息ついた私に、ふらりと父親が部屋にやってきて。


『お前、K大受けえ』


 よし、コイツも殺そう。

 大学ごとに試験の傾向が全然違ってて、尖った勉強をする必要があるなどと説明しても無駄なのです。

 ついでに言うと、スポンサーに逆らうのも無駄です。


 共通一次試験は一週間後です。

 K大の試験傾向を慌てて学校の資料室で調べる私。

 担任が気の毒そうに私を見つめています。


 共通一次試験を終え、自己採点を済ませて……正直、K大に合格できる確率は1割程度だなあ、などとどこか冷めた目で状況を見つめている私がいました。

 ため息をつき、ラジオのスイッチを付けます。

 今はどうか知りませんが、深夜リスナー全盛の時代。

 一人のリスナーのリクエストハガキが読み上げられるのをぼんやりと聞いていました。


『受験生の皆さん。追い込み時期ですが、この曲を聞いて一緒に頑張りましょう』


 そして流れ出した曲は……。


 ラジカセに全力でチョップをかましてしまいました。

 こ、こいつ……天然か、それともタダの悪意か……。


 えっと、歌詞は書けないんですけどね。

 ほら、銀河を走る列車のアニメの曲で。


 また……、星が消えるとかなんとか。(笑)



 春、私という星がひとつどこかへ消えてしまったそうな。

 浪人生活については、また別の機会に。

 


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