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187話:面倒くさい時は全部炊き込みご飯

 炊き込みご飯。

 ちなみに母は、かやくご飯と呼んでました。

 父は、五目ご飯。

 父方のおじさんおばさんは、たっこみごはん。

 炊き込みじゃなくて、音がなまって『たっこみ』です。

 母は関西だからわかるんですが、閉鎖的な田舎のくせに言語が混ざってませんか、この地域。(笑)

 割と全国をカバーできている気がしないでもない。


 まあ、それはさておき。

 料理するのが面倒くさい時は、適当に材料ぶっ込んでダシ醤油ぶっこんで終わり。

 人参やら大根やら買ったとき、切り分けてタッパに突っ込んでおけば、まさにインスタント。

 少し手間をかけようと思ったら、この時期ですしサンマご飯とか。

 脂がのったサンマだと、炊飯器はもちろん米にサンマの脂がまとわりついて……ああ、サンマの風味って脂が主役なんだなあと実感できます。

 食べたあとも、部屋の中にサンマの香りが……嫌いな人にはアレでしょうが、好きな人にはたまりません。

 常識的な範囲なら、カレーほどではありませんが、なんでもいけます炊き込みご飯。

 その常識的な範囲が問題なんですが、コンビニのおにぎりのネタならたいていいけます。

 とり五目とか、サンマとか、その辺から取り入れて自分なりに改良しましたし。

 大根飯も、炊き込みご飯なら普通に美味しい。

 豚汁のあまりをぶち込んで、炊き込みご飯に……普通にいけます。

 ひじきの煮物のあまりをぶち込んで……普通に炊き込みご飯として成立します。

 人参とか、レンコンとか、大根とか、根菜類っぽいものは、まず外れません。

 こんにゃくとか、油揚げなんかで整えるだけの話。

 まあ、女性から見ればあれかもしれませんが、丼もの副菜なしの献立は、男性料理に見られる特徴なのかもしれません。(笑)


 知人に丼信者がいまして。

 焼き鳥の缶詰を使って親子丼に仕上げたり、スーパーで出来合いのチキンカツやらの揚げ物を買ってきて、それをだし汁と卵でとじてカツ丼に仕上げたりとか。

 彼がふるまってくれたクリームコロッケ丼は、なかなかの魔力でありました。

 いや、自分でもやってみましたが、だし汁を多くするとクリームコロッケの風味が死ぬというか……卵をとじる味付けを抑えつつ、トロットロに仕上げる温度調節が肝というか。

 あれはなかなか再現できません。

 まあ、この系統は確かに炊き込みご飯ではカバーできない部分というか。

 知人は、丼物にコシヒカリは合わない気がするとか言ってましたが、人の好みによるんじゃないかと。

 そういえば、寿司にはコシヒカリを使わないとか聞いたことがあるような。


 まあ、なんというか……男性の料理で一点豪華主義に陥る人は珍しくないそうです。

 そして女性の好みは、たくさんの種類からほしいものを少しずつ……らしく。

 胃袋をつかむのは大変です。

 某漫画の、『男って繊細な味付けとかどうでもいいの。ソースとマヨネーズ、あとは量食わせとけばいいの』という女性のセリフが……真実なだけに辛い。(笑)

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