183話:贈賄罪と収賄罪
昔、法律畑の知人から教えてもらったことがある。
贈賄罪、つまり賄賂を贈る罪の時効は3年。(教えてもらった当時のこと。今はどうか知りません)
収賄罪、つまり賄賂を受け取った罪の時効は5年。
へえ、渡す側と受け取る側だと時効が随分違うんだなあと驚いた私に、知人はちょっと笑って。
収賄罪で捕まった政治家を調べてデータにすると面白いことが分かる。
まあ、面白いというより、ある種の諦観というか、絶望に近いものだけど。
ふむふむ。
……あの、なんで見事に4年目以降に捕まって起訴されてるんでしょうか?(笑)
まあ、そんなこと尋ねるまでもなく答えはわかる。
3年が経過すると、賄賂を贈った側の人間は時効が成立していて起訴できない。
つまり、罪を認めても起訴されない。
それに対して、賄賂を受け取った側は『賄賂を贈った側の自供によって』起訴される。
うわぁ、である。
このことを知ってから、私は政治家の収賄罪について、それも4年ほど前のことでニュースで派手に取り上げられる事件については、一切信用しなくなった。
まあ、政治家同士の足の引っ張り合いのため、ネタを掴んだら起訴しやすい時期が来るまでおいといて、タイミングを見てリークするってのが常套手段なんだろうなと。
そもそも、本当に証拠があるかどうかも怪しい。
自分が罪に問われない立場の人間の自供なんて、信用に値しない。
最低限、贈賄罪と収賄罪のセットで起訴。
まあ、私のスタンスは極端かもしれないが……この国の司法の独立性について、少なくともある分野においては全く信用できないと思う。
知人の言う『絶望』も、ここからくるものであろう。
まあ、政治家の贈賄罪についてはいくらでも出てくる話なので、今度機会があれば、こんなふうに斜めから見れば面白いかもしれません。




