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166話:文化祭と学祭

 高校の文化祭にはほとんど参加できなかったが、中学校の文化祭には参加できた。

 まあ、小学校の文化祭……文化祭?……文化祭のようなものは、学年ごとで劇やらお遊戯やら合唱やら演奏やらを、保護者の前で披露するものだった。

 今思うと、一番『らしい』ものかもしれないが。

 中学校では店を出した。

 色々と話を聞くに、家が自営業だったり、何らかの形で家の仕事を手伝った経験の有無が、こうしたイベントの際に大きな差異を生むような気がする。

 お堅い学校だと、出店は認めずに研究発表に徹することもあるようだが、私の中学校はそのあたりは柔らかかった。

 店を出す。

 まずは、声が大きな人間がやりたいことを口にする。

 ほかのクラスもやってるから、別のことをしたほうが良い。

 独自性を口にできる人間は、多少なりとも商売絡みの経験(知識)を積んでいることが多かった。

 実行性、採算性、このあたりの話になってくると、意見を出せる人間が少数になってくる。

 中学校の文化祭では、生徒だけでなく地域住民も来校してくるものだったが……集客というか、客層という概念まで絡んでくると、クラスの中の政治的な力学が物を言う。

 そんな感じで、1年生の時はエアガンを使った射的や、輪投げ、景品としてクラスの生徒の家からのリサイクル品を回収、選別してリサイクルショップなども同時になど、コンセプトは『お祭り』でいろいろやった。

 計画、準備、実行……この過程で、『基本的に全部自分でやったほうが早い』などと身も蓋もないことを考えたが、若気の至りというものだろう。

 実際問題、店を出すということは、ものすごく得るものが大きい。

 もちろん、学ぶ気があれば、だが。


 と、いうわけで大学である。

 まあ、このレベルになると本当にお祭り騒ぎであり、準備の段階を含めたフェスティバルだった。

 店を出す、イベントを企画する、イベントに参加する、客として楽しむ……学祭の楽しみ方は人それぞれだ。

 正直なところ、私は客の立場よりも、店を出すにしろ、イベントをやるにしろ、計画や準備などの段階が一番楽しい。

 とはいえ、野球部はこの時期に対抗戦があったので、私が学祭に参加できたのは野球をやめてからのおはなしだ。(笑)

 つまり、野球をやめなかったら、私が学祭を楽しむ機会はなかったことだろう。

 野球っていうか、体育会系って、ほんとにいろんなものを切り捨てて成立していますね。(笑)

 もちろん、体育会系の中にはこうした『対抗戦そのものをイベント化して集客する』ということもやっていたから、一概には言えない。

 さて、店を出す場合……材料を確保する店を確保するのが重要になってくる。(笑)

 利益を出すことに関して成長したからだとも言うが……まあ、ものすごい数の店が、種類はあれど、何らかの材料を確保しようと動くのだ。

 毎年店を出しているサークルなんかは、基礎知識及び人脈が財産として残されているが、有志が集って出店のケースで、失敗するのは大抵このパターンだ。

 中学、高校のノリでやろうとすると、規模の大きさが予想外というか……まあ、結果的にどんぶり勘定になったり、予想以上に忙しくなったりして、焦りからやらかしたりする。

 なので、店を出すにしろ、イベントを企画するにしろ、最初はなにかのサークルに属して雰囲気や流れを経験してからの方が良いと思う。

 大事なことなのでもう一度言います。

 最初は、どこかのサークルに属して、雰囲気や流れ、規模の大きさを実感したほうが良いと思います。


 これ以上言わせないで、恥ずかしい。


 もちろん、知人友人の属するサークルにお邪魔して、『近年の学祭収支表データ』を見せてもらうという裏技もあるが、そのデータが『自分の望むデータであるとは限らない』ので注意。

 複数のデータを確認して、出店のスペース場所と数字は平均したほうが良いと思う。

 まあ、規模を想定したところで……今度は、材料、容器などを確保するのが大変だ。

 確保したものをどこに保管するかもそうだが、そういうお店を探すのが大変。

 今ならネットで検索して終了ですか、そうですか。(笑)

 非地元民が、普段利用しない店を探すって……まあ、そういう苦労も含めた楽しさなんですが。

 今と違って、値段比較も簡単ではありませんでしたし。

 キャンパスが広いから、場所の違いであれだけ客数が変わるとか、その日に行われるイベントで客の流れや客層が、時間帯でがらっと変化するとか、酒飲んで暴れた人間がなぜか店に乱入してくるとか、その結果傷害事件にまで発展して事情聴取で手間暇を奪われるとか、メンバーの身内に事故があって、いきなり人数が足らなくなるとか。夜中に店にイタズラされるとか、貸与されてる機材を盗まれるとか……。

 安全マージン、マジ必要。


 と、いうわけで学祭初参加の年は、楽しかったけど大失敗しましたよ。

 まあ、人件費ゼロでアシを出すような真似はしませんでしたが……人件費をまじめに考えると、お話になりませんでしたね。

 正直、夜中の店番が必須とか、考えもしませんでした……生き馬の目を抜く世界ってこういうことなんですね。(笑)


 大学の学祭にはたいてい実行委員会があって、(高校の生徒会などとはレベルが違います)、三ヶ月以上前から計画(企画)書を作成して提出、不備があれば当然却下されますし、大抵は企画書が通っても、店を出す場所の抽選が行われて、落ちれば参加できません。(笑)

 大小さまざまなサークルから、有志の集団まで、参加を希望する人間は数多い。

 まあ、大学の規模にもよりますが、学生だけで1万人を超えているのだから……下手な地方自治レベルの人口を有しているとも言う。

 大騒ぎになるのは当然だし、いろんな意味で締め付けが厳しくなるのも当たり前で、社会への適応が求められるのは言うまでもない……多分、今は私が学生だった頃よりも状況は厳しいだろう。

 とはいえ、社会的な常識と、社会的な規範さえ守ればどうということはない。

 なに、何らかの問題を起こせば次の年の開催がかなりきつくなったり、開催そのものが廃止になったりするだけのことで、その原因となった人間が周囲からひどい目にあわされるだけのことですよ。

 今なら、完全身バレで晒される程度ですむかもしれない。

 私が学生だったのは今から20年以上も前のことですが……そこからさらに20年ほど遡れば、大学という場所で、負傷は日常茶飯事、時には死亡事件まで起こっていたわけで。

 当時の学生に言わせれば『平和になったものだ』とうそぶくだろう。


 まあ、時代は移っても……学祭の雰囲気そのものは大きく変わらないんだろうなと思います。

 もちろん、大学によって様々なカラーがあったりするのかもしれませんが。

 

まあ、お祭りは楽しめばいいと思います。

人に迷惑をかけない範囲で。 

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