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14話:くりすます

また、あの季節がやってくる……

 私は、幼稚園のクリスマス会でその存在を初めて知りました。

 当時の感覚としては、今のハロウィンみたいなものですかねえ……正直、クリスマスと言われても意味がわからなかったし、正月前にそんなこと言われてもって感じ。

 実家でもそれを祝うようなこともなく、『クリスマス?ああ、そうだね』みたいな意識で成長していきました。

 バレンタインは思春期の心をがっちりキャッチする要素が主体だったせいか、私の世代ではクリスマスよりもバレンタインの文化の方が学生時代は一大イベントだったような……バレンタインの存在を知ったのはたしか小学校高学年ぐらいだったはず。

 異性からチョコを貰って、必死にポーカーフェイスを装いながら『そっか、ありがとな』などとそっけなく答えつつ、帰り道ではしゃいで自転車ごと田んぼに突っ込むおバカな中学生でいながら、やっぱり『クリスマス?そういやそうだね』ぐらいの感覚でしたからねえ。


 自分の感覚が周囲とずれてると実感し始めたのは、多分バブル経済後期じゃないかと。

 私としては昔のままで、周囲の感覚だけが違う所に行ってしまったようでした。

「クリスマスはどうするの?」

「クリスマス?別に?」

「……へえ?」

 オンナノコ、コワイ。

 クリスマス特集やら、プレゼントやら、漫画やテレビ、映画などでクリスマスが一大イベントとして繰り返し繰り返し国民を洗脳していった成果が現れたんですね、きっと。

 そりゃあ、チョコとクリスマスプレゼントだと経済的規模が違いますしね。業界がどちらに力を入れるかなんて、言うまでもありません。

 その辺分かって楽しんでる人がほとんどなのか、それとも楽しんでいるふりをしているのかはわかりませんが、どうも私はクリスマスが何やら神聖なものとも思えなかったし、楽しいものという感覚にも馴染めなかったし、単なる祭りと思って割り切ることもできなかったのです。


 もちろん、誰かさんにそんな言い訳は通じません。


 5年、10年、20年と時を重ねて。

 ようやく、自分の考えというか、なんとなく理由っぽいものが見えてきたかなあと。

 どうやら私、信仰とか宗教に対して、無意識の敬意を払っているみたいです。

 野球部員はグラウンドに入る前に一礼します。

 柔道・剣道なんかも、道場に礼をしてから入ります。

 虚礼かもしれませんが、やはりそこは関係者にとって大事なところなのです。

 だから、部外者がずかずかと入り込んでくると、怒りを覚えます。

 つまり、私という部外者がずかずかとそこに入り込むことに忌避感を覚えている……こんな感じではないかと。

 自分が部外者であると理解しているからこそ、そのフィールドには入り込まない。



 ……うん、読み返してみると僻みにしか思えないや。

 数%の違和感はあるにしても、本当にクリスマスに対する思い入れがない私……。


 ちょっと違うかもしれませんが、『リア充爆発しろ』なんかも、今ひとつ。

 人前でイチャイチャしてるカップルを見て、「よそでやれ」と呟く知人に対し、私は「微笑ましいやん」などと言って、目をむかれました。

 通行の邪魔になってるとかなら腹を立てますが、『カップルだね、ふーん』としか。

 だって、私とは関係ないですもん。

 自分が好きな人とかならともかく……ねえ。

 もちろん、自分がお話を書くときには、クリスマスも、僻みも、ネタとしては使用するのですが。

 

 これが無意識における精神的自己防御の成れの果てだったら、なかなかに痛い私。(笑)


死は、きませり~死は、きませり~

……他意はないです。

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