135話:赤トンボという名前のトンボはいない?
体が赤いトンボ(アカネ属が多いとか言ってた)を合わせて、赤トンボと呼ぶらしいですね。
なので、私が耳にして使っていた『赤トンボ』『糸トンボ』は……確実に、糸トンボはダメそうだ。(笑)
『シオカラトンボ』もかなり怪しい…『オニヤンマ』は大丈夫か?
ある意味、真実を知るのが怖いので、調べる気にもなれません。(笑)
まあ、それはさておき。
いわゆる童謡の『赤トンボ』のイメージに引っ張られて、夕焼けの似合う10月中旬あたりを連想してしまいがちになるのですが、当然地域差はあるんでしょうけど、私にとってのリアルは夏休み後半から9月にかけてが赤トンボの見られる時期でした。
当然、ヤゴというか、トンボの幼生は田んぼやら水田で早くから見かけるため、『この赤トンボって、夏のあいだはどこにいるのよ?』と、子供心には謎でした。
特に調べたことはありませんが、普通に考えると気温の関係なんでしょうね。
おそらくは、夏のあいだは山の方に行って、気温が下がってくると戻ってくるみたいな。
そういえば、10年ぐらい前に赤トンボの集団移動がニュースになったような気が……。
子供の頃は、トンボはセミ以下の獲物でしたね。
わざわざ捕まえる価値もないというか、ヒョイっと指で掴んでそのまま放すぐらいはしましたけど。
ヤゴは捕まえて釣り餌にしました……フナやコイには不向きですが、水路ではなく川に行けばウグイなんかが食いついてくれたり。
長兄がフライフィッシングに凝った時期があって、疑似餌を研究するために、トンボを捕まえて渓流へと足を運んだりしてましたが……まあ、山の方の清流向きの釣り餌なんでしょう。
そんな感じで、記憶をたどれば『赤トンボ』は秋というよりも残暑というか、イメージとしては夏なんですよね。
つまり。
こ、これが、歌の力…。
恐るべし、童謡。
まあ、あの童謡に関しても、実際世に現れたのは戦後だと聞いてびっくりした記憶があります。
なんかの映画の挿入歌に使われた……めちゃくちゃうろ覚えで、当然事実確認はしてません。
昔からの童謡と聞かされて育ったので、イメージ的には明治なんですよね。
えっと、歌詞を書くとやばいからあれですが、15歳でお嫁に行くとか、現代なら一部の紳士が、スタンディングオベーションものでしょうか。
教育の現場に童謡集何かが配布されていたことを考えると、高度経済成長期というか……おそらく1960年代の教育改革に絡んで、色々と選曲されたりしたのかなあと、今なら推測もできるのですが。
いやはや、イメージとか思い込みとかって怖いなあと。
別の童謡にでてくる『ウサギ』もあれですよねえ。
なんかほとんどの人が、白いウサギをイメージするみたいで。
因幡の白兎の白兎からわかるように、白くないウサギもいるんです。
まあ、季節による毛の生え変わりとも言いますが。
私は、うさぎと言われたら茶色いうさぎと白いウサギの両方を連想しますね。
さすがに、冬に野うさぎを目撃したりはしなかったので。
でも、あの童謡だと、普通に山でウサギを追い掛け回してるんだよなあ……。
実際はうさぎの巣穴を見つけて、別の穴から燻り出すとかそんな感じなんでしょうけど。
あれ、雪が積もらない地域だと、ウサギの毛って茶色のままなのか?
……北海道のうさぎはユキウサギとかいう種類がいるって聞いた記憶があります。
と、すると……地域というか環境によって、毛の色の元となるメラニンあたりが体内に吸収されて白くなるという感じなんでしょうか?
ふむ、あらためて考えると、日常生活は謎だらけですね。
今ちょっと調べてみたら、ペットのうさぎにも白くないうさぎがゴロゴロしてますね。(汗)
時代の違いなのかもしれませんが、私の世代だと『ウサギは白い』というイメージが圧倒的でした。
つまり、あの頃はもう『ウサギ』は身近な生き物じゃなかったわけですね。
と、いうわけで。
いま『赤トンボ』で検索してみたら、見事に童謡ばっかり出てきましたわ。
これだけでも、『赤トンボ』という名前のトンボがいないことがよくわかります。(笑)
ああ、つまり……あの歌の中で語られるのは、心の中の風景。
架空の存在なのだ。
そう、オチをつけておくことにしますか。




