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132話:世の中にはツワモノがいる。(夏休みの宿題)

 さあ、神への祈りはすませたか?

 よかろう、ならば夏休みの宿題だ。


 と、夏休みの宿題に関する悲喜交々はこの時期の定番ネタですよねと……思っていたのだけど。

 世の中には強者がいる。

 え、むしろこれが標準とまでは言わないけど、珍しくない?

 数年前、私とは年齢が20ほども違う若者から聞いたお話。

 さあ、私と同世代のみなさま、時代はここまできました。


 ああ、夏休みの宿題なんかやったことないです。

 いや、小学校1年生のときはちょっとだけやった……かな?


 マジで?

 と、思った私は多分普通だ。

 詳しく聞けば、こんな感じ。


 夏休みが終わったあとに宿題の提出を求められ続けるが、どの教師も1・2ヶ月経てば根負けしますよ。

 そりゃ怒られますけどね、宿題するよりましです。

 当たり前ってことはないですが、自分も含めてクラスで何人かいましたよ。

 まあ、怒られて提出するやつもいましたけど。


 これを聞いて(彼を)すごいと思うと同時に、ああ、教育現場がやばいと思いました。

 なんというか、体罰やらモンペやらの関係でたぶん『教師は叱ることしかできない』のだ。

 廊下で立ってなさいが体罰になる、授業中自分の席で立ってなさいも体罰になる、正座も体罰になり……宿題をさせるために居残りもさせられない。

 痛くなければ覚えませんという言葉に頷く人も、顔をしかめる人もいるでしょう。

 しかし、教師が生徒に痛みを与える手段が『叱る』だけしか与えられないならば……教師に怒られることさえ耐えられる子供なら、教師は生徒に対して痛みを与える手段をなくすことになる。


 ちなみに、彼のそれは計算づくだ。

 怒られるだけで良い。

 宿題に対する面倒くささや、かかる時間……それらを天秤にかけて、怒られることを選んでる。

 しかも、教師が根負けして諦めるというか、自分だけに労力を払っていられない弱みまできちんと理解している。

 小学校1年や2年でそれを理解するのはなかなかに逸材だと思う。

 というか、実際彼はかなり仕事ができる。

 まあ、仕事ができて、社会のルールに反しない行動ができるなら、問題はない……。

 心がもやもやするけどな。

 と、いうか……これが当たり前とは思いたくない。


 夏休みの宿題とは関係ないが、彼とは別の……彼よりも10歳ほど上の人間に聞いたお話。


 傘ですか、買ったことないですね。

 雨が降ってきたら、そこらで盗みます。

 使い終わったあと、そこらに放置します。

 それをまた誰かが使えばいいんじゃないですか?

 世の中のすべての傘がフリーになれば、それはそれで世界は回ると思いますけど。


 この時は、とりあえず首を絞めた。

 まあ、絞めたところで彼の考えが変わることはないだろうが。

 タバコを吸う人間から聞いた話というか、定説にこんなものがある。


 『よくライターを買う人間の周りには、必ずライターを買ったことがないという人間がいる』

 

 まあ、借りパクか、勝手にそれを失敬していると。

 うん、所有権の概念がないんだね。(笑)

 

 それにしても、夏休みの宿題かぁ。

 私は初日にほとんど終わらせて、暇つぶしに工作して、絵に関しては最終日にやるタイプでした。

 嫌いなんですよ、絵を書くの。(笑)

 読書感想文ならよいんですが、いわゆる『絵と文で綴る…』ってやつですね。

 あれが今も生きているのかどうか知りませんが、あれの選定図書とか絶対利権がらみですよね。(笑)

 だって、生徒たちに無理やり買わせるんですよ。

 一体、どれだけの量になるやら。

 そのことを疑問に思って、父や母に尋ねたことがあるんですが……『貧乏臭いと言われると面倒』と返されました。

 ああ、世間体って大事ですね。

 決まったことだから。

 みんなが買ってるから。

 そういう空気を作って、保護者に買わせる……うん、見事なまでのやり口ですね。


 あれ、だとすると……夏休みの宿題もやらなくても良いのか?(お目目ぐるぐる状態)


 一度、選定図書以外の本を題材に感想文を書いたことがありますが、教師に怒られました。

 そして、その年は学年代表に選ばれませんでした。(笑)

 わーい、露骨だね。

 まあ、応募要項というか、レギュレーションに外れているからと言われたらそれまでですが。

 中学校の時は、選定図書とかなかったような気がします。(認識してなかっただけかもしれません)

 読書感想文については、1年はメジャーな本から、2年はマイナーな本から、そして3年の時は……架空の本を想定して読書感想文を書き上げ、もちろん教師の受けが良い、コンテスト向きの内容を匂わせたわけですが。

 あの時の騒ぎは、今でもしてやったりの気分になる私です。(笑)

 そりゃ、『そんな本はない』ですからね。

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