13話:ぎゃんぶる
勝てば楽しい。
「あなた、それは子供の給食費っ…」
「うるせえっ!倍にして返してやるよ!」
などというセリフからすぐに想像ができてしまう人はきっと昭和人。(笑)
まあ、給食費滞納の問題について、ここで語るつもりはありません。
タイトル通り、ギャンブルです。
『え、これは自分の小遣いの範囲で楽しんでいるだけだから、ギャンブルとは言わないよ』
『そもそも宝くじってのはギャンブルだよね。期待値が半分以下の宝くじに比べたら、競馬や競輪は7割以上の期待値なんだから全然健全だよ』
こんな言い訳をしている時点で、ギャンブル依存症の恐れがあります。周囲の人は、それとなく注意して上手に手のひらの上で転がしてあげてください。
さてさて、私も多少ギャンブルとやらを嗜んでおりました。
賭けて外れてまた賭けて、賭けて当たってまた賭けて。
年間10~20万円程度の負けを大きいとみるかどうかは人それぞれでしょうが、酒もタバコもやらず、趣味は読書である私の当時の生活全体を考えると……むしろ健全な財政状態ではなかったかと。
え?
数行前の言葉は誰が書いたのかって?
ははは、キニシナイ、キニシナイ。
行動の習慣付けという意味で、パブロフの犬は有名ですね。
これをもとに、子供のしつけの方法論みたいなものも、昔は割と散見できました。
良いことをしたら褒める。
悪いことをしたら叱る。(怒るのではなく叱る)
勉強させて褒める。
また勉強させて褒める。
場合によってはお小遣いを渡すなどの(以下略)。
さて、ギャンブルにおいてこれはどうなんでしょう?
ごくごく一部の例を除き。
ギャンブルして痛い目にあう。
ギャンブルして痛い目にあう。
またギャンブルして……。
つまり、ギャンブル依存症はM気質の……チガウ、ナニカチガウ。
行動の習慣付けにおいて長らく『パブロフの犬』1強の時代が日本では続いてましたが、最近の研究では『有効ではあるが、最も優れた方法論とは言い難い』との流れになっているようです。
まあダイエットを見れば分かりますが、昔正しいと思われた方法が今では罪悪扱いだったりします。
今正しいと思われた理論が、将来的にわたって絶対に正しいかどうかは……。
定期的な報酬よりも不定期な報酬の方がより強く人間の心を魅了するそうです。
今子供のしつけとして推奨されているのは、最初の数回は子供のよい行動に対して報酬(褒める・お小遣いなど)を与え、それ以降は報酬を与えたり与えなかったりする、と。
前にお手伝いしたときはお小遣いをもらったけど、今回は貰えなかった……じゃあこの次は?
あ、ギャンブルそのものだ、これ。
成功体験が忘れられなくて、その行為に執着してしまう。
うん、まごうことなきギャンブルだよこれ。
隣で育児書を読んでる、おとーさん、おかーさん、これは役に立つかもしれませんが、あまり参考にしてはいけないような気が激しくするのですが。
あああ、買っていっちゃったよ、おい。
うん、ギャンブルは滅びない。きっと。メイビー。
負けてもそれなりに楽しい。(だめだこりゃ)




