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123話:女子マネージャー……?

 妹がいる男は、そうでない男に比べて夢がひとつ少なくなる。

 姉もまたしかり。

 なかなか含蓄のある言葉だと思う。

 まあ、妹や姉から見た、兄やら弟への評価も、推して知るべしというとこなのだろうが。

 現実を知ると、そう、現実を思い知ると、夢なんて信じられなくなるのだろう。

 逆に考えてみよう。

 つまり、もてはやされる夢は、現実には存在しないのだと。


 さて、高校球児への進化を控えた野球少年たちが見る夢。

 女子マネージャーである。

 私の故郷のような田舎にも、そんな夢がするりと紛れ込んでいたらしく。

 高校生になったら、女子マネージャーがいるんだなあ……などと、私はぼんやりとしたイメージを持っていた。

 まあ、高校球児のブラック練習は当然承知していたので、恋愛がどうのとかそういうベクトルの夢とかではない。

 多少人権無視のきらいもあるが、『そこにいてくれるだけでいい』のだ。

 働き者とか、気が利くとか、そんなんじゃなくて、『そこにいてくれるだけでいい』のです。

 すべての野球少年がそうとは言わないが、多分8割は同意してくれると信じている。(笑)

 これは時代を超えた真理であり、宇宙の愛だ……たぶん。



 さて、現実モードに参ります。

 私の学年にも、野球部女子マネージャー希望者はいた。

 長続きしたかどうかはわからないが、少なくとも希望者はいました。

 4人。

 さあ、我らが監督のありがたいお言葉です。


 ああ、女子マネージャーは邪魔だから、いらん。


 ありがとうございます、ありがとうございます。(白目)

 まあ、春休みから練習に参加していたから、知ってたけどね、知ってたけどね。

 この野球部には、女子マネージャーは入部できないって。


 これで終わると、やや言葉が足りないかもしれない。

 と、言うわけで監督の言い分。


 スコアブックつけられるか?

 データ分析できるか?

 覚える?

 データ分析は、下手すれば野球部員以上に野球を、ルールじゃなくて、野球を、理解しなきゃできない。

 練習の手伝い?

 部員がいる。

 それに、時代錯誤と言われても、男は無意識に女性の安否を気にする。

 野球の練習は危険だ。

 ボールが頭に当たると、冗談抜きで死ぬ。

 特に、完全意識外のアクシデントが危険。

 野球をよくわかってる部員は、どこに注意すればいいかをそれなりに理解してる。

 女子マネージャーは、練習でどこに気をつけなければいけないから教えなければいけない。

 悪いが、そんな余裕はないんだ。


 つまり、男子部員並みの基礎体力及び、野球経験の持ち主。

 あ、はい、普通は無理ですね。


 色々と異論はあるんでしょうけど、監督の言い分はそれなりに筋が通っていると私は思います。

 もちろん、女子マネージャーがいる野球部も普通にあるんですが。

 ちなみに、私が2年になった時も女子マネージャー希望の新入生が3人(確認分)やってきて、お引き取り願いました。

 3年になった時も……。

 ああ、うん。

 希望者はいるんだ、希望者は。


 ……夢なんてなかったんや。


 そういえば、どこかの腐った大きなお姉さん達に言わせると、『現実を思い知ってるから夢をみるのよ』とのことだ。

 ああ、確かにそういう人もいる。

 もしかすると、男女差とか出てくるのかもしれない。



私は、大学で初めて女子マネージャーに出会いました。

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