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122話:タイトルに悩むとき。

作中作に、虐待を思わせる表現があります。

 タイトルは、内容に即したものをつけたい。

 でも、それをやるとネタバレになるときってあるじゃないですか。

 ラストのオチで読者に『やられた!』と思わせたいのに、そのまんまのタイトルを付けるとそれがモロバレになるとか。

 んーと、たとえば。



 人のいない裏路地で彼女を見つけた。

 まだ若いというより、幼い少女。

 自然と、口の端がつり上がるのを感じる。

 周囲を確認し、半ば強引に、しかし他人の目に触れぬように彼女を家に連れ帰った。

 嫌がる彼女を無理やり押さえつけ、湯を浴びせる。

 思った以上に、痩せているのがそれでわかった。

 薬品を体中に塗りたくり、全身が汚染されたことを確認してから再び湯を浴びせた。

 布で申し訳程度に身体をこすり、全身に熱風をかける。

 もちろん、抵抗はねじ伏せる。

 そのガリガリの体つきは好みから外れているので、およそ人の食物とはいえない乾燥した塊を食わせることにした。

 そして、自分が飲んだら腹を下す白い飲み物を買ってきた。

 一度温めて、そこまで気を使ってやる必要もないかと、わざと放置してぬるくなったものを飲ませた。

 警戒したまなざしを向ける彼女の前に、威嚇するようにそれを突き出した。

 先端に無数の針状の突起がついた棒。

 それを、彼女の体を掠めるようにして何度も振り、彼女はその度に身体をよじらせて暴れた。

 やがて彼女は体力が尽きたのか、ぐったりとしてうずくまる。

 ダンボールの箱にタオルを敷いただけの粗末な寝床。

 彼女をそこに放り込み、寝るまで監視を続けた。



 これでタイトルに『猫を拾いました』とかつけたら、意味ないですよね?(笑)

 まあ、もうちょっと文体を堅苦しくして、ひたすら猫を可愛がるシーンを書くのなら話は別ですが。

 ちょっとひねって『虐待』。

 まあ、猫が元気になってから保健所に連れて行くなどという二重のブラックオチへの発展はありか。

 基本的に、主人公の行為をギャグにするか、朝に目覚めて、彼女がにゃーと鳴いたで『猫かよ!』と突っ込ませる……ならもう少しテクニカルに書かなきゃいけないけど。

 正体がわかった上で、最初から読み直して。


 こいつ、わざわざ猫用ミルク買ってきてる!

 とか。

 これ、武器じゃなくてねこじゃらしやんけ!

 とか。

 猫の餌常備とか、こいつ、ただの猫好きだ!

 などと、読者に読み直させた上で散々突っ込ませたいとしたら、そのまんまのタイトルは付けられないなあと。

 オチはばらしたくないけど、できるだけ内容に即したものにしたい。

 こういう時、ものすごく悩みますねえ。


 うん、オチがないや。(笑)



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