第四話
薄暗い森の中に一人の男の声が響いた。
「ふう、俺がここにきてからようやく100年たったのか。心は人間だから、めちゃくちゃ長く感じたな」
そういいつつ、昴は今までの出来事を思い浮かべて行く。
ここにきていきなり崖から転落したこと。
そのおかげでかなりの勢いで下にいた弱った魔物に当たり、倒してレベルが上がったこと。
そこから少しずつ強い敵と戦って行き、強くなって行ったこと。
そう、昴は100年間ずっと死に物狂いで鍛え続け、気づいたときにはこの『終焉の森』の主となっていたのだ。
昴は気づいていないがここは世界最強で最恐の森である。ここの主となったということは、つまりは昴はとんでもない強さを持っていることがわかる。
「クク、そろそろ旅立ちのときか?あいつらを探しにいかないとな」
そういって出かけようとするが、
「おっと、その前に久しぶりにアレをやるか。100年ぶりだな、『ステータス』」
名前:神埼昴
種族:エルフ
Lv.1200
HP:1200万
MP:2500万
ATK:75万
DEF:102万
MATK:170万
MDEF:250万
AGR:360万
「うおっ!これはまた、なかなかがんばったな、俺」
そこでスバルはあることに気づく。
「あれ?よく考えたら俺ってこの世界の強さの平均知らないじゃん」
そうして昴はしばらく考え込む。そして、
「まあ、いっか。さっさと旅に出よう。フェル!」
そう俺が呼びかけると、一匹の狼が現れた。
この狼の名前はフェル。俺がこの森で最初に崖から落ちたときに偶然倒した魔物に襲われてて、なつかれてしまった。
「旅に出ようか」
「ウオン!」
そして、一人と一匹の規格外は、今日、『終焉の森』を出て行った。